F2実力派のアメリカ人ドライバー、来季F1新規参戦キャデラックと交渉中。現在アストン育成所属も「どんな選択肢も模索する」
F1直下のFIA F2にDAMSから参戦するアメリカ出身の20歳ジャック・クロフォードは、来季F1デビューを果たすチャンスを見つけるため、可能な限り多くのF1チームと交渉している。
かつてレッドブル育成だったクロフォードだが、2024年からアストンマーティン・アカデミーに移籍。シミュレータ作業やF1マシンでのテストを複数回経験した。
クロフォードは元々2026年にアストンマーティンでF1デビューを迎えることを目指していたが、フェルナンド・アロンソとランス・ストロールのふたりはチームと契約下にあり、招集される可能性が非常に低いことから、他チームという選択肢を模索していることを公然と明かした。
クロフォードはmotorsport.comの取材に対して、アストンマーティンでの将来は現状「未定」だと認めた。
「今年のF2での活躍次第だね」とクロフォードは言う。
「タイトルを獲得することができれば、僕のキャリアにとって素晴らしいことだ。グリッドでのシート獲得であれ、来季F1でのリザーブドライバーであれ、多くのチャンスに繋がる可能性がある」
「僕らはキャデラックであれ、アストンマーティンであれ、あるいは他のチームであれ、グリッド上のどんなスペースでも見つけようとしている」
グレアム・ロードン率いる新生キャデラックF1は、必須条件ではないものの、アメリカ人ドライバーを2台のうち1台に乗せたいと常々希望してきた。現在F2ドライバーズランキングで3番手につけているクロフォードは、下位カテゴリーのドライバーの中では最有力候補だ。
「話はあったし、僕も話はしているけど、今のところは非常にゆっくりとしたモノだ」
ノースカロライナ生まれ、テキサス育ちのクロフォードはそう語った。
「僕としては、F2で良い仕事をするだけだ」
またクロフォードは、グランプリ優勝経験者のセルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスら元F1ドライバーとのシート獲得競争もあり、キャデラックを説得するのは難しいと認めた。
「競争で僕にできることはなにもない。実際、僕にできるのはF2で良い結果を残すだけだ。それ以外には何もできないよ」

Graeme Lowdon, Cadillac F1 team principal
これまでクロフォードはF1に続くジュニアシリーズでどのような成績を残しているのだろうか?
クロフォードは今年F2で、ランキング13位となった2023年、ランキング5位となった2024年に続き、3年目のシーズンを過ごしている。F1参戦に必要なスーパーライセンスポイントを昨年20点獲得したことで、今年ランキング5位以内に入れば2026年からF1にデビューする条件が整う。
しかしクロフォードはそれ以上に野心的。DMASとのパートナーシップを延長することが成功における最良のチャンスと考え、チームに残留した。
「昨年は既に素晴らしいマシンがあったけど、各レースでディティールが足らなかった。ディティールを変えるにはどうすれば良いのか分かっているような気がしたから、DAMSに残ることにした」とクロフォードは言う。
「昨年は既に、かなり良いレベルで走ることができていると感じていた。ただ、一貫性がなかった。僕らは一貫性を保つことができなかった」
「タイヤはウォームアップが非常に難しい。全てのデータを見て、次のレースに向けて改善することはできたけど、同じレースをもう一度やることは当然できなかった。だから今は、今年の全レースをほぼやり直した気分で、上手くいかなかったところを修正できている」
クロフォードは今季これまでのところ、予選で苦戦することはあったものの、昨年からほぼ修正することができている。全14ラウンドのうち開幕からの8ラウンドで、2024年シーズン全体で稼いだのとほぼ同等のポイントを獲得してきた。
ただスパ・フランコルシャン戦では、スプリントでアクシデントに巻き込まれたことで、3勝を含む10レース連続のトップ6入賞(1レースは出走せず)の記録に終止符が打たれた。
しかしクロフォードはこうした状況を過度に心配しているわけではない。
「たった1回の週末だからね。悪い週末は避けたいけど、チャンピオンシップではまだ近いところにいる」
「この後、まだ5ラウンドある。特に、このシリーズでは何が起こるか分からない。もちろん、今回良いポイントを取れなかったのは最悪だけど、心配することはない」
「もっと強くなれると信じている」
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