メルセデスの低迷は、マシンに加えた変更が原因? 経験浅いアントネッリがその影響を大きく受け苦労

 メルセデスはここ数戦、相対的なパフォーマンスを落としているように見える。同チームのトラックサイド・エンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンによればこの不調は、最近マシンに施された変更が原因になっている可能性があると語った。そして特に、ルーキーであるアンドレア・キミ・アントネッリが、これに悩まされているようだ。

 カナダGPではジョージ・ラッセルが優勝、アントネッリが3位と、ダブル表彰台を獲得したメルセデス。しかしそれ以降は苦戦を強いられる状況に陥り、ラッセルは3戦で21ポイントの獲得、アントネッリにいたっては3戦連続で無得点となっている。特にベルギーGPでアントネッリは、スプリント予選最下位、予選18番手と下位に沈み、大いに苦戦した。

 ショブリンは、メルセデスの今季マシンW16は、現時点では非常に扱いにくくなっており、チームとしてより扱いやすくできるよう、より自然なベースラインを再発見する必要があると指摘した。

 ショブリンによれば、ラッセルもW16を乗りこなすのに手を焼いているものの、豊富な経験によりなんとか対処できているのだという。

「最近の予選でも見られたように、ジョージは長年のF1マシンでの経験を活かし、難しいマシンを最大限に活用できていたと思う」

 ショブリンはそうベルギーGP後に語った。

「キミにはその経験が足りず、それが彼の最近のリザルトに少し変化が見られた理由と言えるだろう」

「しかし繰り返しにはなるが、今年はまだ多くのグランプリが残っている。そのため、この問題を解決しなければいけない。マシンに加えた変更が影響している可能性が高い。より正常に機能するベースラインに戻す必要がある」

「キミは厳しい週末を何度か経験した。しかし、ボノ(ピーター・ボニントン/レースエンジニア)やガレージにいるエンジニアたちから、多大なサポートを受けている」

「チームとして我々が集中すべきことは、マシンの弱点を解消することだ」

「ジョージはこれまでの経験……特に難しいマシンをドライブしてきた経験を頼りに、予選でタイムを出している。我々はセッション中にタイムを縮めることができている」

「ジョージはいつどこでマシンを信頼できるのか、そのタイミングを学んでいる最中だ。しかし、マシンから本来のフィーリングを得られているわけではない」

 ショブリンは、今後アントネッリが調子を取り戻すことを確信しており、マシンの問題を軽減するための策を講じることで、そのパフォーマンスに大きな変化が生じるはずだと語った。そして、次のハンガリーGPまでの間にも、マシンに変更を加えることは可能だという。

「キミは急速に学んでおり、ドライバーとしてさらに成長していくだろう」

 そうショブリンは語った。

「彼の初期のパフォーマンスが今よりも優れていたという事実は、今のマシンの競争力が、以前ほど高くないことを示しているいるのはほぼ間違いない。それは、ジョージの成績にも表れている」

「我々はこれまでにも、何度も同じことを見てきた。若いドライバーが参戦し、非常に良いマシンに乗っていると、彼らはしばし本当に感銘を与えることができるんだ」

「若いドライバーが参戦し、扱いにくいマシンに乗ると、毎週調子を整えるのは非常に難しい。しかしキミの走りを見れば、彼の才能の高さは十分に分かる」

「しかしジョージの助けになることは、キミの助けにもなるはず。おそらく、キミの方がその恩恵を受けるだろう」

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