フェルスタッペンはF1新時代迎える来季もレッドブル残留? 元ハース代表が指摘、土壇場移籍は「非常にリスキー」

 クリスチャン・ホーナー代表兼CEOの突然の退団で揺れるレッドブル・レーシングだが、現時点でチームのエースである4度のF1世界チャンピオン、マックス・フェルスタッペンが他陣営へ移るというのは非常にリスキーなのかもしれない。かつてハースF1を率いたギュンター・シュタイナーはそう考えている。

 フェルスタッペンは2028年までレッドブル・レーシングと契約を結んでいる。ただメルセデスのトト・ウルフ代表がフェルスタッペンと契約について交渉していることを認めたことで、チームでの未来について疑問符がついた。

 ウルフ代表は2026年からフェルスタッペンがメルセデスに加わる可能性は非常に低いと認めたものの、現在のレギュラードライバーであるジョージ・ラッセルとアンドレア・キミ・アントネッリとはまだ来季以降の契約を結んでいない。

 レッドブルとしても、状況が芳しくないのは確か。昨年ホーナー代表の女性問題を発端とした権力闘争がレッドブル陣営内で勃発し、親会社による調査実施によって事態が沈静化するかとも思われたが、その後リーク情報が出回るなどくすぶり続けてきた。

 また、伝説的なF1マシンデザイナーであるエイドリアン・ニューウェイをはじめレッドブル・レーシングの重鎮たちが次々に離散し、マシンはパフォーマンス追求の弊害としてフェルスタッペンでも手に負えないほどピーキーになった。

 そしてマクラーレンを筆頭にライバルが台頭しレッドブルは劣勢に立たされたことで、フェルスタッペンが他陣営に移籍することを選ぶのではないか、という噂も加速。そうした中で、ホーナー代表が電撃解任となった。

 このようにレッドブル陣営は大きく揺らいでいるが、今からフェルスタッペンが動くのには、大きなリスクが伴うとシュタイナーは見ている。そして実際に移籍するなら2027年だと示唆した。

「マックスは間違いなくレッドブルに残る。2026年に向けては確実に残ると思う」

 シュタイナーはSport.de.に対してそう語った。

Guenther Steiner, Miami Grand Prix Ambassador

 F1は2026年から新たなテクニカルレギュレーションを導入予定。レッドブルはフォードと共に、初めて独自のパワーユニットを開発して臨むこととなり、その競争力は不透明だ。しかし同時に、他9チームがどれだけのパッケージを用意できるか、という点も現時点では分からないというのも確かだ。

「彼は来年、誰が強く、誰が弱く、どのチームが強いのかを見て回るだろう。現時点での移籍と、誰であれ長期契約締結は非常にリスキーだ」

「もし来年上手く行かなかったとしても移籍が可能な契約だから、彼は今いるところに残留すると私は考えている。最高のチームは常に最高のドライバーを求め、最高のドライバーは常に最高のチームにいたいと思っている。だからこそ、来年はまさに彼にチャンスがあると思う。だが、現時点での移籍はリスクだ」

「彼が何を言おうとも、私の考えはブレない」とシュタイナーは言う。

「2026年まで待つつもりだ。状況がどうなっているか、新しいレギュレーションでチームがどうなっているかを注視している。それから2027年のことを決めるだろう。たった1年の契約を彼に与える人はいないと思うし、今すぐ移籍するのはリスキーだ」

「1年だけ別のチームにいて、次の年はまた別のチームというのは、彼にとっても良いことではない。それは良くない。だから彼は『今いるところに留まって、次を探すよ!』と言っているんだ」

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