坂本勇人「誰もが思ってるけど(自分でも)前の打席で打てよと思った」…西舘勇陽6回2失点と踏ん張ったが好機に一本が出ず

 阪神2-1巨人(セ・リーグ=1日)――阪神が3連勝。一回に佐藤輝の適時二塁打で先制し、三回は森下の適時打で加点。継投で守り切った。巨人は2桁安打したが決定打が出ず、連勝は3で止まった。

力投する先発の西舘(1日)=泉祥平撮影

 リーグ戦再開直後のDeNA戦で3連勝し、勢いよく首位の阪神が待つ甲子園に乗り込んだ。巨人の阿部監督は「チャレンジャーだと思ってやるしかない」と、大事なカード頭の先発マウンドを西舘に託した。

3回1死3塁、森下(右)に適時打を浴びた西舘=大塚直樹撮影

 「いい流れに乗っていきたい」と気合十分だったが、その出はなをくじかれた。一回、1番近本への2球目、捕手の要求通りに高めのつり球を投じたが、左前にはじき返された。近本が犠打で二塁に進み、4番佐藤輝に右翼線への適時二塁打を許す。三回には近本に高めに浮いた変化球を二塁打とされた後、3番森下に左前適時打を浴びた。

 先頭打者は警戒していたポイントだっただけに、「自分の技術のなさ。攻撃につながるような(投球)内容ではなかった」と悔やんだ。それでも、いずれのイニングも最少失点でしのいで、6回2失点にまとめた。杉内投手チーフコーチは「いい投球だった。(カード頭の)緊張感の中で投げてくれたことは良かった」と前向きに評価した。

 2年目を迎えたドラフト1位右腕は、今季初先発に臨んだ6月11日のソフトバンク戦を含め、交流戦でチーム唯一の2勝を挙げた。改良してきた投球フォームが安定し、「悪すぎる球が減っている」と制球力を改善中。さらに、杉内コーチが「コントロールがいいに越したことはないけど、力強い真っすぐを(ストライク)ゾーンに投げるのが絶対」という出力も、十分に一軍レベルにある。

 「反省を生かしたい」と西舘。次こそは勝利に導くため、雪辱の機会に備える。(井上雄太)

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4回1死満塁、坂本が三振に倒れる(捕手・梅野)(1日)=大塚直樹撮影

 巨人の坂本が好機での凡退を悔いた。2点を追う四回一死満塁で打席が回ったが、空振り三振を喫し、後続も倒れた。続く六回の打席で1点差に迫る適時二塁打を放ったものの、チームは競り負け、「誰もが思ってると思うけど、(自分でも)前の打席で打てよと思った。(四回は)何かが起きるような打席にしなきゃいけなかった」と表情は厳しかった。

  巨人・阿部監督 「(七回に右前打のキャベッジが二塁を狙ってアウトになり)野球を知らないのとアグレッシブは紙一重かもしれないけど、それで済ませてほしくない。(好機に一本が出ず)永遠のテーマ」