「謎すぎて、意味わからん」上位のスコアに怯まず 渋野日向子は2アンダー

渋野日向子は2アンダー42位で滑り出した

◇米国女子◇ブラックデザート選手権 初日(1日)◇ブラックデザート・リゾートGC(ユタ州)◇6629yd(パー72)

影が伸び始めた後半13番(パー5)、渋野日向子のセカンドショットにグリーンサイドが沸いた。強い下り傾斜のフェアウェイから、3つのバンカーの向こうにピンが見える。左足下がりから5UTでかち上げたボールは奥のスロープを伝って2オンに成功。ギャラリーからの歓声に思わず手を挙げて応えた。

直前の12番、3パットボギーが痛かったからこそ「流れが悪くなりそうなことろでしっかり(2パット)バーディが獲れて良かった」。続く14番もグリーン奥から手前に下る傾斜を利用し、ピンそば1m以内につけて2連続。6バーディ、4ボギーと出入りの激しい展開を「70」でまとめた。

高地にあるトリッキーなコースと向き合う

正午過ぎのスタート時点で、午前組の選手たちがロースコアをマークしていた。ユ・ヘラン(韓国)は9アンダー、ウェイリン・スー(台湾)とアリヤ・ジュタヌガン(タイ)は8アンダー。リーダーボードを眺め、「『えー!』って。『謎すぎて、マジで意味わからん』って、ブツブツ言いながら回っていた」という。

渋野はその出だし1番から2連続ボギーが先行。3番(パー3)ですぐにバーディを取り返しながら、「(1Wを)振れてはいるんですけど、ちょっとタイミングが合ってない」と修正を施そうと必死だった。コースがあるのは標高が1900mに達する高地。普段よりボールが飛びやすく、フェアウェイウッドも効果的に使えるトリッキーなコースと向き合った。

今季2回目の初日アンダーパー

この日はパターに変化を加え、オデッセイの「Ai-ONE MILLED ONE WIDE T」を初投入。難しい午後のラウンドをしのぎ、2アンダー42位での滑り出しに、「1番、2番のスタートで言えば、この数字で回ってこられるとも思っていなかった。(15番終了時に)3アンダーまで行きましたし、まだ行けると思ったのはすごく良いこと」と及第点を付けた。

自らを「スロースターター」と自虐的に表現する。2月「HSBC女子選手権」以来、今季2回目の初日アンダーパーをマークしたが、「(きょうは)ボギー、ボギーのスタートなので、ある意味、スロー…」とまだ慎重。「あしたは朝(午前スタート)ですから、ちょっと寒いと思う。きょうは休んで朝に備えます」。2日目のスタート時刻は全体2組目の午前7時11分。きれいなグリーンで、ロースコアを目指す。(ユタ州アイビンス/桂川洋一)