西武・今井達也「そんなのはどうでもいいです」 稲尾和久の球団記録に並ぶもチームは逆転負け

味方の好守を称える西武先発の今井達也 =ベルーナドーム(撮影・尾崎修二)

(パ・リーグ、西武2-6オリックス=延長十回、4回戦、2勝2敗、25日、ベルーナD)伝説のエースに肩を並べた。西武・今井達也投手(26)が7回を9奪三振、無失点に抑える好投。救援陣が打たれて白星こそならなかったが、4月は30イニングで自責点はわずか1。月間防御率は0・30となって、1961年6月に稲尾和久が記録した球団記録に並んだ。

全投球の8割超を占める直球とスライダーのコンビネーションがさえた。唯一、得点圏に走者を背負ったのは六回2死一、二塁だったが、頓宮を155キロの直球で3球三振に切って9つ目の三振。三塁すら踏ませず、七回限りで降板した。

しかし、試合は2-0の九回に暗転する。守護神の平良が連続二塁打を浴びて1点差。なお1死二塁から暴投、捕手・古賀悠の三塁悪送球が重なって同点に。今井の3勝目が消えると、延長十回には4番手の佐藤隼が若月に勝ち越し弾を浴びるなど4失点。記念すべきゲームはぶち壊しになった。

「首位チームなので、先制点を与えないように意識していた。結果的にゼロで終えたのは良かった。球数が増えてしまっても、粘って投げられたのは良かった」と今井。NPB史上最多のシーズン42勝を挙げた稲尾に並んだもののチームが敗れただけに「そんなのはどうでもいいです」と取り合わなかったが、エースとして君臨した4月を文句のない投球で締めた。(片岡将)