JR九州「年内の復旧は困難」――肥薩線(吉松-隼人)、記録的大雨で線路支える土台崩壊 5年前豪雨では八代-吉松が被害、全線不通は長期化へ〈交通規制図あり〉

JR肥薩線の表木山-日当山で発生した築堤崩壊(8日、JR九州提供)

 JR九州は17日、8日の記録的大雨の影響により、一部区間で運休が続く肥薩線の吉松-隼人(鹿児島県)について「年内復旧は難しい」と明らかにした。表木山(霧島市隼人町嘉例川)-日当山(同市隼人町内)で約50メートルにわたり線路を支える土砂の土台(築堤)が崩壊したため。

 JR九州によると、9月1日から吉松-隼人で代替バスを走らせる。肥薩線では2020年7月の熊本豪雨で不通となった八代-吉松のうち、人吉-吉松間の通称「山線」の復旧見通しは立っていない。鹿児島、宮崎、熊本の沿線3県は復旧を目指し協議している。

 日豊線は鹿児島-国分が8月21日、西都城-霧島神宮が26日の運行再開を見込む。霧島神宮-国分は26日から代替バスを運行し、9月下旬の運行再開を目指す。

 県などによると、大雨の影響で、道路は国道10号など県内16カ所で通行止め、2カ所で片側通行規制となっている。国道10号は、姶良市加治木町日木山が片側交互通行、同市加治木の網掛橋は全面通行止め。これに伴い東九州自動車道の隼人東インターチェンジ(IC)-加治木ICが無料開放されている。

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