カズレーザー 増加する高齢ドライバーの事故…しかし運転を辞めることで健康リスクは約8倍に?決断の難しい問題に解決策はあるのか
カズレーザー 増加する高齢ドライバーの事故…しかし運転を辞めることで健康リスクは約8倍に?決断の難しい問題に解決策はあるのか
カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が19日に放送された。今回のテーマは『芸能人が提言 令和の新法律SP』。放送のたびに大きな反響を呼んでいるこの企画も、今回で第4弾。出演者たちがオリジナルの法案を持ち寄り、日常に潜む問題や違和感に光を当てる。高橋真麻は、『高齢者運転免許取り消し法』を提案した。
「2019年の池袋の暴走事故や、高齢者の運転する車が児童の列に突っ込むなど、痛ましい事故がいまだに多発している」とプレゼンを開始した高橋。運転免許を保有できる年齢に上限を設けることで、問題を解決できるのではないかと話す。認知機能の低下を考慮し、80~85歳あたりを線引きのラインとして想定するとしたが、他出演者たちの反応は賛成と反対とで割れた。
「私反対です」と、ゆうちゃみがまず口火を切った。80代であっても認知機能の低下には個人差があるといい、田舎に住む人にとって車の運転は必須と主張する。またサバンナ・高橋茂雄は、早くに認知機能の低下が始まった人も、制限年齢まで車の運転を続けてしまうと懸念する。一方、古市憲寿は賛成の立場。免許取得可能年齢が現在18歳であることから、「下限があるのであれば上限をつけてもいいのでは」と意見を述べた。
議論は賛成2、反対4で開始されたが、ここから専門家たちもデータや知見を共有する。
山梨大学大学院総合研究部工学域機械工学系教授の伊藤安海氏は、今年度の上半期に都内で発生した交通事故のうち、20%が65歳以上の高齢者によるものと説明。さらに高齢者の事故が増加傾向であるにもかかわらず、免許の返納数は池袋の暴走事故が発生した2019年がピークで、減少しているという。番組が調査した結果によれば、高齢者の方が運転に自信があると考える傾向があり、島崎遥香は「(運転能力の可否が)自己判断っていうのは怖い」とコメントした。
高齢者の運転リスクについて解説される一方、高齢ドライバーにも免許を手放せない事情があった。運転できない高齢者の足となるべき路線バスの本数は、昨今のドライバー不足によって年々減少。そもそもバス路線が通っていない地域もあり、運転ができなくなったことで社会から孤立してしまうケースも存在するという。加えて、運転を辞めた高齢者の抱える健康リスクも問題。普段の活動量が低下することで心身機能の衰えも進み、要介護状態になるリスクは運転をする高齢者に比べ、約8倍にもなるのだとか。
さまざまなデータが出そろい、出演者たちに改めて意見を聞くと、運転免許に年齢制限を設けることに反対であった出演者に変化が生じた。サバンナ・高橋は「急に免許を返納することになったら、急に生活を変えるのは難しい」とし、運転できなくなる年齢が明確になることで心構えや準備をする時間ができ、生活の急な変化によるデメリットを抑えることができるのではとコメント。同じく反対派だったINIの許豊凡(シュウ フェンファン)からは、運転をするにあたって条件をつけるのはどうか、といったアイデアが出た。
伊藤氏によると、実際に他国では運転に条件をつける免許制度があるそう。オーストラリア・ニューサウスウェールズ州では、自宅から5~15km圏内のみといった場所限定免許がり、85歳以上になると、場所を限定して運転するならば実車試験が免除されるという。他にも、アメリカ・イリノイ州では高齢者は昼まで運転ができる時間限定免許、ドイツでは高速道路以外なら運転できる場所限定免許といった例がある。
ここで、文京湯島法律事務所の代表弁護士・小野章子氏は、法律家の立場から賛成の立場を表明。自動車の運転免許は、法律上“許可”を意味するものであり、そもそも非常に危険な行為である自動車運転を“特別に許可する”ものである、という点を強調した。
さらに、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ社会研究所の特任教授・青木宏文氏は、75歳以上の高齢者が免許更新時に受ける検査について疑問を呈す。例えば『認知機能講習』では、認知症の検査に用いられる検査を2つ受けるのみで、平均97.6%という高い合格率になっていることから、運転能力を試すものになっていないのではないかと指摘した。
ここまでの議論をふまえ、反対派であったカズレーザーも、「もっと若い時から運転基準や検査があるようにして、常に能力があるかどうかを確認する方がいいのかな」と、何らかの規制や条件が必要として賛成派に転じた。
高齢者の運転についてさまざまな議論が交わされたが、すでに実施可能な方法として、車に安全機能を取り付けるという選択肢もある。後付けでアクセルの踏み間違えによる急発進を抑制する装置を、地方自治体によっては補助金を利用して購入することができるとのこと。運転に伴う危険を意識し、免許を返納することも含め、より安全を高める選択をすることが強調された。
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