【65歳以上シニア世帯】貯蓄4000万円以上が20%!いまどきシニアの年金受給額(厚生年金+国民年金)は月いくら?
働くシニアの33.5%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答
【65歳以上シニア世帯】貯蓄4000万円以上が20%!いまどきシニアの年金受給額(厚生年金+国民年金)は月いくら?
退職後のシニア世帯の家計は、年金収入を中心に成り立っています。しかし、現役時代より収入が大きく減少する一方で、医療費や生活費の負担は続くため、貯蓄の状況や年金額は老後の安心度に直結します。
本記事では、65歳以上世帯の貯蓄額の実態、シニアの就業率の変化、厚生年金・国民年金の平均月額などを紹介します。
さらに、公的年金だけで生活している世帯の割合も知り、老後資金づくりの重要性を考えていきましょう。
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「65歳以上のシニア世帯」貯蓄4000万円以上の世帯は20.0%
世帯主が65歳以上の世帯(働くシニアも含む)における貯蓄額を見てみましょう。
世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高階級別世帯分布 (二人以上の世帯)
・100万円未満:8.1%
・100万円以上~200万円未満:3.6%
・200万円以上~300万円未満:3.1%
・300万円以上~400万円未満:3.6%
・400万円以上~500万円未満:3.3%
・500万円以上~600万円未満:3.3%
・600万円以上~700万円未満:2.9%
・700万円以上~800万円未満:2.8%
・800万円以上~900万円未満:3.3%
・900万円以上~1000万円未満:2.5%
・1000万円以上~1200万円未満:4.8%
・1200万円以上~1400万円未満:4.6%
・1400万円以上~1600万円未満:5.1%
・1600万円以上~1800万円未満:3.3%
・1800万円以上~2000万円未満:3.3%
・2000万円以上~2500万円未満:7.4%
・2500万円以上~3000万円未満:5.8%
・3000万円以上~4000万円未満:9.4%
・4000万円以上:20.0%
・平均値:2509万円
・中央値:1658万円
働いている方も含めた65歳以上の世帯の貯蓄額は、平均で2509万円、中央値で1658万円となっています。
また、貯蓄額が4000万円以上ある世帯は全体の20.0%にのぼり、老後の生活資金を十分に確保できている方も一定数いることがわかります。
一方で、生活に不安を感じる場合には、老後も働いて収入を得ることが大切な選択肢となります。
では、現代のシニア世代は、就労についてどのように考えているのでしょうか。
シニアの就業率は上昇傾向に。何歳まで働きたいと考えているのか?
2025年6月10日に内閣府が公表した「令和7年版高齢社会白書」によると、シニア世代の就業率は年々上昇しています。
年齢階級別就業者数及び就業率の推移
65~69歳の就業率は、2014年の40.1%から、2024年には53.6%まで上昇しています。
人手不足の深刻化を背景に、シニア世代の雇用を拡大する企業が増えていることも、こうした傾向の一因といえるでしょう。
また、「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか」を尋ねた調査では、次のような結果が示されています。
何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか(択一回答)
【全体】
・65歳くらいまで:23.7%
・70歳くらいまで:20.0%
・75歳くらいまで:13.7%
・80歳くらいまで:5.3%
・働けるうちはいつまでも:22.4%
・仕事をしたいとは思わない:11.3%
・不明・無回答:3.6%
最も多かったのは「65歳くらいまで」とする回答ですが、次いで「働けるうちはいつまでも」と考える人も多くなっています。
特に、現在すでに収入を伴う仕事をしている人に限ると、「働けるうちはいつまでも」と答えた割合は33.5%にのぼり、シニア世代の高い就業意欲がうかがえます。
背景には、年金だけでは生活費をまかなうのが難しい世帯も多いことがあると考えられます。老後も収入源を確保し、生活の安定を図ろうとする方が少なくないのでしょう。
厚生年金と国民年金の平均月額
厚生労働省年金局が公表する「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の男女全体の平均月額は「14万6429円」です。
平均値は上記のようになっていますが、実際にどのくらいの金額を受け取っているのか、受給額ごとの受給権者数も確認しましょう。
厚生年金・受給額ごとの受給権者数
厚生年金の受給額ごとの受給権者数
厚生年金のボリュームゾーンは10~11万円前後となっています。
続いて、国民年金における受給額ごとの受給権者数も見てみましょう。
国民年金・受給額ごとの受給権者数
国民年金の受給額ごとの受給権者数
国民年金のボリュームゾーンは6~7万円未満となっており、2025年度に満額を受給する場合は6万9308円となります。
まとめ|公的年金だけで生活している人は43.4%
今回は、現代シニアの貯蓄額や就業率、年金受給額をご紹介しました。
特に、老後の主な収入源となる年金受給額は個人差が大きく、貯蓄を取り崩しながら生活する必要がある世帯は少なくありません。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況によると、公的年金や恩給のみに頼って生活しているシニア世帯は、全体の43.4%にとどまっています。
公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%
・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%
ゆとりある老後を迎えるためには、できるだけ早い段階から資産形成を始め、長期的なマネープランを立てることが重要です。
参考資料
・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)貯蓄の状況」
・内閣府「令和7年版高齢社会白書」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」