ウクライナ軍、渡河中のロシア軍に砲撃を浴びせ多大な被害を与える
渡河中のロシア軍に砲撃

7月末、ドネツィク州リマン付近で渡河中のロシア軍がウクライナ軍の砲撃を受けて大きな被害を出したようだ。ウクライナの兵士がSNS上で写真とともに報告している。
X上で報告

報告したのはX上で「Kriegsforscher」という名前で活動しているアカウントだ。当該アカウントは2022年にウクライナ軍に参加したと称しており、海兵隊の活動などを日々報告している。投稿される画像などからは、このアカウントが戦闘に参加していることは確かなようだ。
画像:X @OSINTua
リマン付近で渡河中のロシア軍を攻撃

そのアカウントが7月28日、4枚の画像を投稿。そこにはドネツィク州リマン付近で浮橋を渡ろうとしたロシア軍が受けた被害が写っており、ウクライナ軍によって破壊された装備などが確認できた。
画像:X @OSINTua
砲兵が活躍か

ウクライナの軍事メディア「Militarnyi」によると、写真に写ったクレーターから、これらの装備はウクライナ軍の砲撃によって破壊されたとみられるという。ただし、攻撃にはドローンも参加していた可能性も同様に指摘されている。
複数の高価値目標の破壊に成功

画像では複数の高価値目標が破壊されていることが確認できる。たとえばBM-21 Grad 自走多連装ロケット砲や2A65「ムスタB」152mm榴弾砲、およびそれを牽引していたトラクターもしくは装甲車両などだ。
画像:X @OSINTua / Edited by The Daily Digest
兵員輸送車やトラックも破壊

「Militarnyi」によると、渡河中に破壊された車両には装甲兵員輸送車BTR-82Aや全地形対応車(4輪バギー)、トラック各一両も含まれていたという。渡ろうとしていた川について具体的な情報はなかったが、同メディアではゼレベツ川ではないかと指摘されている。
画像:X @OSINTua / Edited by The Daily Digest
ゼレベツ川とは

ゼレベツ川はザリチネやトルスケなど、ドネツィク州の前線地帯付近を流れている。同地域には、ロシアの第169及び第164自動車化狙撃旅団や、第31及び第37自動車化狙撃連隊が攻撃を仕掛けている。
画像:DeepStateMap/ Edited by The Daily Digest
守備の要となったトルスケ

2022年10月、ウクライナ軍は同地域に奇襲を仕掛け、トルスケを解放。ほかにも侵攻初期にロシア支配下に置かれた地域の多くを取り返した。以来、トルスケは守備の要となっている。
リマンも「兵站上のハブ」に

『キーウ・インデペンデント』紙によると、トルスケは同じく戦略的に重要な都市であるリマンから15kmほどしか離れていないという。リマンも同様に2022年10月の攻撃で取り返された街で、「地域における兵站上のハブ」となっているという。
戦闘が続く地域

それ以来、ウクライナ軍はロシア軍とトルスケをめぐって争い続けている。だが、ウクライナの戦況を追跡している「DeepStateMap」を見る限り、7月29日時点ではウクライナ軍が支配権を握り、守備にも成功しているようだ。
画像:X @OSINTua
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