メルセデスの18歳F1ルーキー、アントネッリの不調は全く心配じゃない? 「成長曲線の一部」とチーム受け止め

 メルセデスF1の新人アンドレア・キミ・アントネッリは、好調なスタートを切ったシーズン序盤から一時的に調子を落としているが、チーム代表のトト・ウルフは全く心配していないと語った。

 アントネッリはデビュー戦のオーストラリアGPで4位に入り、その後マイアミGPで初のスプリント予選ポールポジションを獲得。さらに第10戦カナダGPでは3位表彰台と好結果を記録し、大注目のルーキーに相応しい結果を残してきた。

 しかしカナダGPの後、アントネッリは調子を落としてしまった。これにはチームが投入したアップグレードが今季マシンW16の方向性を誤った方向に導いてしまったことも関係している。

 アントネッリの成績はカナダGP以降、オーストリアGPとイギリスGPで連続リタイア、ベルギーGPでは16位に沈んだ。しかしウルフ代表はアントネッリの調子について、懸念は抱いていないという。

「キミは非常に力強くシーズンをスタートさせた。特にウェットコンディションでのレースは素晴らしく、日曜日には見事なオーバーテイクも見せた」

 ウルフ代表はメルセデスの公開したデブリーフィング映像でそう語った。

「我々は彼のパフォーマンスを疑ったことは一度もない。浮き沈みがあることは分かっていたし、それは成長曲線の一部だ」

「マイアミのスプリント予選では、完全に実力で初ポールを獲得し、次のハイライトとしてモントリオールでの表彰台があった。忘れてはならないのは、彼がまだ18歳であり、これから多くを学びもすれば、ミスもするし、別の日には素晴らしい走りも見せるということだ。長期的に見れば、それは全く普通のことだ」

Toto Wolff, Mercedes

 夏休み前最後の第14戦ハンガリーGPに向けてメルセデスがマシンを改良した結果、ラッセルはマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリに続く3位表彰台を獲得し、アントネッリは10位でヨーロッパラウンド初のポイントを持ち帰った。

 アントネッリはハンガリーGP後にこう語った。

「タフだった、本当にタフだった。もともとは1ストップ戦略の予定ではなかったんだ。自分たちのポジションを考慮すると、ペースがまずまず良かったのもあって、そのまま走り続けることにした」

「特にフリーエアの状態ではタイムを改善できたし、安定して走れた。ただ、それでもタフだったけどね。ヨーロッパラウンドで初めてポイントを持ち帰れたのは嬉しいよ」

 そしてアントネッリはマシンへの自信が戻ってきたこと、この状態で後半戦を迎えられることが楽しみだと話した。

「この週末でマシンに対する自信が戻ったのは本当に嬉しい。リヤサスペンションを以前の仕様に戻してから、ブダペストをかなり快適な気分で後にすることができた。予選では本当にペースがあっただけに残念だった」

「この感触をシーズン後半に持ち越していくのを、今は楽しみに待っているよ」

関連ニュース:
  • F1メルセデスF1がリヤサスペンションを旧仕様に戻した理由……シーズン途中での開発には、妥協が避けられない??

友だち追加

Follow @MotorsportJP