ヤクルト・村上宗隆がサヨナラ弾「いやもう、最高です」 打った瞬間〝確信〟バックスクリーン、メジャースカウトにドヤッ!

村上が九回にサヨナラ2ランを放ち、喜ぶナインから水を浴びせられた(撮影・長尾みなみ)
(セ・リーグ、ヤクルト3x-1DeNA、17回戦、DeNA10勝6敗1分、12日、神宮)〝村神様〟のお目覚めだ!! ヤクルト・村上宗隆内野手(25)が12日、DeNA17回戦(神宮)の1-1の九回にサヨナラの5号2ランを放った。2試合連続アーチでチームも2連勝。米大リーグ、メッツのデービッド・スターンズ編成本部長らが視察する前で、今オフのメジャー挑戦を表明している主砲が、ド派手な一発で試合を締めくくった。

9回、サヨナラ本塁打を放つヤクルト・村上宗隆 =神宮球場(撮影・長尾みなみ)
神宮の夜空を真っ二つに切り裂いた。バックスクリーンへ伸びる弾道に誰もがスタンドインを確信する。1-1の九回無死1塁、村上が豪快に5号2ランをほうり込んだ。3年ぶり4度目となるサヨナラ本塁打。仲間からウオーターシャワーを浴びせられ、お立ち台では「いやもう、最高です」と屈託なく笑った。
九回表の満塁のピンチを大西が抑えた直後。先頭の内山が左前打で出塁し、丸山和が代走に送られた。「この回に決着をつけるというチームの意思を感じた」と村上。中川が初球に投じた真っすぐを完璧に捉え、歩き出さずに舞い上がる打球を見つめた。2試合連続アーチで接戦に終止符を打ち、悠々とダイヤモンドを一周。「投手も頑張ってくれていた。いい結果になった」とチームの2連勝を喜んだ。
一度目覚めた〝神〟はもう止められない。上半身のコンディション不良で今季は2度の長期離脱を余儀なくされたが、7月29日に復帰してからは14試合で5本塁打だ。2連覇に導いた2021、22年の試合前には体力回復のため仮眠していたが、今季はまだ取り入れていない。それほど状態は良く「結果が出ていることはいいこと。しっかりと野球に向き合えている証拠なので続けていければ」とうなずいた。

9回、サヨナラ本塁打を放つヤクルト・村上宗隆 =神宮球場(撮影・福島範和)
今オフにポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦する意向を表明している村上を見ようと、最近はスタンドにメジャースカウトの姿が目立つ。この日はメッツのスターンズ編成本部長が自ら足を運んだ。
移籍市場の目玉になるかもしれない左の和製大砲。2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ではメキシコとの準決勝で逆転サヨナラ打を放ったが、その勝負強さは健在だ。第1打席は左翼フェンス直撃の二塁打で逆方向へのパワーを見せつけ、スカウト陣は満足そうに球場を後にした。
村上が本塁打を放った試合は5戦4勝。高津監督は「彼がいるから『つないで』というより一振りで点を取れる打線になってきている。非常に頼もしい男」と賛辞を惜しまなかった。
地元の熊本県は10~11日に豪雨に見舞われ大きな被害が出ている。村上は「大変な思いをしている人たちがいる。僕の一打で少しでも元気をもらってくれたら」と故郷を思いやった。背番号55の夏本番はこれからだ。(樋口航)