【65歳以上】いまどきシニアの老後生活「みんなの家計収支・平均貯蓄額・平均年金月額」をチェック!

【夫婦のみの無職世帯】ひと月の生活費は毎月赤字or黒字、どっち?

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【65歳以上】いまどきシニアの老後生活「みんなの家計収支・平均貯蓄額・平均年金月額」をチェック!

8月に入り、全国的に猛暑日が続いています。電気代の高騰や野菜の値上がりといったニュースも目にするようになり、年金で暮らすシニア世帯にとっては気になる話題です。

冷房をつけっぱなしにする日が増える中、限られた収入でどうやってやりくりしているのか、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、シニア世帯はどのくらいの年金を受け取り、どれくらいの貯蓄を持っているのでしょうか。

この記事では、シニア世帯の平均的な貯蓄額や年金受給額をわかりやすく紹介します。

家計の実情を知ることで、自分の生活を見直すきっかけにもなるかもしれません。暑い夏の日、一息つきながら、老後の暮らしについて考えてみませんか。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

【65歳以上】夫婦のみの無職世帯、ひと月の家計収支

働き盛りの現役世代にとって、老後のお金まわりを具体的にイメージすることは大切です。そこで、今のシニア世代の標準的な家計収支のデータを見てみましょう。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」から、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」における家計収支の内容を確認していきます。

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出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の収入

・収入合計:25万2818円

・うち社会保障給付(主に年金):22万5182円

65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月の支出

・消費支出:25万6521円

・非消費支出:3万356円

支出合計28万6877円

この世帯の場合ひと月の収入は25万2818円、その約9割の22万5182円を公的年金などの社会保障給付が占めます。

一方で支出の合計は28万6877円。そのうち社会保険料や税などの「非消費支出」が3万356円、いわゆる「生活費」にあたる消費支出が25万6521円でした。

この夫婦世帯の場合、毎月約3万円の赤字となり、貯蓄の取り崩しなどでカバーすることになるでしょう。

【65歳以上】無職の二人以上世帯の「平均貯蓄額」はいくら?

総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-」から、65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の貯蓄額の推移などを見ていきます。

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出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

「世帯主が65歳以上の無職世帯」の貯蓄の平均貯蓄額は、2560万円でした。

その推移をみると、2019年 2218万円→2020年 2292万円→2021年 2342万円→2022年 2359万円→2023年 2504万円→2024年 2560万円と、直近5年は右肩上がりの状態が続いています。

貯蓄の種類別に見ていくと、最も多いのは定期性預貯金の859万円。次いで通貨性預貯金が801万円、有価証券(※1)が501万円、生命保険などが394万円、金融機関外(※2)が6万円です。

また、前年からの増え幅を見ると、通貨性預貯金が+47万円(+6.2%)、有価証券が+21万円(+4.4%)などとなっています。

※1 有価証券:株式、債券、株式投資信託、公社債投資信託、貸付信託、金銭信託など(いずれも時価)

※2 金融機関外:金融機関以外への貯蓄のことで、社内預金、勤め先の共済組合への預金など

【65歳以上】勤労世帯込みの「平均貯蓄額」はいくら?

同じく「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、勤労世帯も含めた世帯主が65歳以上世帯全体の貯蓄額を見ていきます。

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出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

・平均:2509万円

・貯蓄保有世帯の中央値(※):1658万円

勤労世帯も含めた「世帯主が65歳以上の二人以上世帯」の平均貯蓄額は2509万円でした。ただし、貯蓄保有世帯の中央値(※)を見ると1658万円にまで下がります。

※貯蓄保有世帯の中央値:貯蓄が0円の世帯を除いた世帯を、貯蓄現在高の少ない方から順番に並べたときに真ん中に位置する世帯の貯蓄現在高

【2025年度】年金額は国民年金・厚生年金それぞれいくらになった?

公的年金額は、物価や現役世代の賃金を考慮して年度ごとに改定されます。2025年度分は前年度より1.9%増額となり、3年度連続のプラス改定となりました。

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出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)

・厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※2)

ただし上記はあくまでも「年金例」です。実際に支給される年金額は、現役時代の年金加入状況により個人差が出ます。

なお、年金額自体は1.9%増えますが、マクロ経済スライド(※3)の発動により、実質的には目減りしている点には留意が必要です。

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。

※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

※3 「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ

【国民年金・厚生年金】年金の「平均月額・男女差」まとめ

厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、国民年金・厚生年金(※)の平均年金月額や個人差を見ることができます。

2023年度末現在の平均年金月額は以下の通りです。

※厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」(以下記事内では「厚生年金」と表記)の年金月額を紹介します。また、厚生年金の月額には国民年金(老齢基礎年金)部分が含まれています。

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出所:厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

国民年金(老齢基礎年金):平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:5万7584円

・〈男性〉平均年金月額:5万9965円

・〈女性〉平均年金月額:5万5777円

厚生年金(国民年金部分を含む):平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万6429円

・〈男性〉平均年金月額:16万6606円

・〈女性〉平均年金月額:10万7200円

平均年金月額は、国民年金のみを受け取る場合で男女ともに5万円台。厚生年金(国民年金部分を含む)を受け取る場合で、男性16万円台、女性10万円台です。

ただしグラフでもわかるように、国民年金、厚生年金それぞれの受給権者どうしでも年金額には大きな個人差があります。

老後の年金額は、現役時代の働き方や収入が反映されます。ご自身の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認が可能です。

年金世代が「年金にゆとりがない」と感じる理由は?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2024年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査 2024」では、60歳代・70歳代の二人以上世帯において、60歳代の32.6%、70歳代の30.6%が「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と回答。

年金にゆとりがない理由として「物価上昇」「医療費・介護費負担の増加」などが上位に挙がっています。

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出所:金融経済教育推進機構(J-FLEC)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

完全リタイア後の老齢年金世帯では、現役時代と比較して収入が減少するのが一般的です。そのため、家計への負担感は今後も増していくことが予想されます。

また、現役世代には毎月給料日がありましたが、老後の年金支給は2カ月に一度となるため、家計管理のサイクルも変わってきます。

年金支給スケジュールに合わせ、日ごろの生活費のやりくりに工夫を加えていく必要があるでしょう。

【ご参考】2025年「年金支給日カレンダー」

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出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」などをもとにLIMO編集部作成

資産形成は早めの行動がカギ

ここまで、シニア世帯の貯蓄事情や年金の平均額などを見てきました。

シニア世帯の貯蓄額の中央値は約1600万円とされていますが、かつて話題となった「老後2000万円問題」も記憶に新しい方が多いのではないでしょうか。

実際、筆者が資産運用の相談を受けるなかでも、最近では若い世代から「将来の生活に対する漠然とした不安」を抱えているという声をよく耳にします。

公的年金制度があるのは心強いものの、それだけに頼るのはリスクも伴います。

将来に備えて、早いうちから資産形成や家計の見直しを始めておくことが、安心につながる大きな一歩となるでしょう。

参考資料

・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」

・総務省統計局「第3 家計調査の貯蓄・負債編の見方」

・総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2024年(令和6年)平均結果-(二人以上の世帯)」

・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」

・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」

・日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」