巨人・阿部慎之助監督、ズバズバ神采配で12点大勝翌日、1点差勝ち〝呼んだ〟 代打・坂本勇人が六回勝ち越し二塁打!代打・大城卓三が八回勝ち越し犠飛!

六回に適時二塁打を放ち、喜ぶ坂本(撮影・福島範和)

(セ・リーグ、DeNA3-4巨人、18回戦、巨人12勝5敗1分、9日、横浜)采配ズバッ!! セ・リーグ2位の巨人は9日、DeNA18回戦(横浜)に4-3で競り勝ち、2連勝を飾った。六回に代打、坂本勇人内野手(36)が一時勝ち越しの適時二塁打を放つと、追い付かれて迎えた八回にはまたも代打、大城卓三捕手(32)が勝ち越しの犠飛。阿部慎之助監督(46)の采配が冴え渡り、3位DeNAとのゲーム差を2・5に広げた。

選手を信頼して繰り出した策がズバズバと的中した。阿部監督は決死のタクトに応えたナインをほめ続けた。まずは決勝点をもたらした大城卓をねぎらった。

「大事なところで行ってもらわないといけない選手。最低限の仕事をしてくれたので勝ちにつながった」

勝ち越し点はいずれも代打で刻んだ。泉口のソロで追いついた六回には1死一、三塁で、2打席連続三振の増田陸に代えて〝切り札〟坂本を代打起用。現役時代にオフの自主トレをともにしたまな弟子は、左翼線への適時二塁打で応えた。

再び同点となった八回は無死一、二塁で5番岸田にバントを指示し、2度ファウルとなって追い込まれた。「バントって難しいけど、絶対に決めてほしい場面だった」と指揮官。強い意思をスリーバントのサインに込め、岸田が成功。1死満塁となり、3打数無安打だったリチャードに代えて大城卓を送り、左犠飛で勝ち越した。大城卓は「阿部監督がいい場面で送り出してくれた」と感謝した。

DeNAに連勝し、笑顔の巨人・阿部慎之助監督(左)=横浜スタジアム(撮影・荒木孝雄)

勝利後の会見でも硬い表情だった阿部監督の表情が緩んだのは、キャベッジの積極走塁だ。同点の六回1死一、二塁で二塁走者のキャベッジが意表を突く三盗を決め、代打・坂本の勝ち越し打での生還につなげた。指揮官は助っ人の独断と明かし、「絶対にアウトになっちゃいけない場面でアグレッシブにいってくれた」とたたえつつ、「これ以上はあまり調子に乗らせないように」と積極性が裏目に出た暴走が少なくない助っ人にくぎを刺し、苦笑いした。

8回、犠飛を放つ巨人・大城卓三 =横浜スタジアム(撮影・福島範和)

「みんな頑張ってくれた」と阿部監督。18安打12得点の豪快な攻撃で勝った8日とは対照的な緻密な攻撃で2連勝。7月12日以来となる貯金1とした。2位DeNAとの差を2・5ゲームに広げ、10日の第3戦で6月27―29日のDeNA戦(横浜)以来の同一カード3連勝を狙う。(谷川直之)