楽天、インターネット・フィンテック・モバイル増収

楽天、インターネット・フィンテック・モバイル増収

楽天グループは8日、2025年第2四半期の連結決算を発表した。連結でNon-GAAP営業利益が2019年度以来初黒字化した。また、「楽天モバイル」単体で56億円のEBITDA四半期黒字化となった。

全体では、「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントにおいて前年同期比で増収。連結売上収益は第2四半期として過去最高の5,964億円(前年同期比11%増)。「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天カード」「楽天銀行」「楽天モバイル」「楽天シンフォニー」など主要事業の好調が貢献した。

2025年12月期第2四半期(中間期)の連結業績は売上収益が前年同期比10.2%増の1兆1,590億円、営業利益は66億円の赤字。純利益は1,244億円の赤字となる。

楽天モバイルの収益改善により、連結Non-GAAP営業利益は、2019年度第2四半期以来初の黒字化。前年同期比319億円改善し、201億円となった。IFRS営業利益も2020年以来初の第2四半期黒字化の88億円(前年同期比272億円改善)。連結EBITDAは第2四半期で過去最高額となる1,032億円(前年同期比54.5%増)となった。

インターネットサービスの売上収益は3,245億円(前年同期比6.8%増)、Non-GAAP営業利益は、一部銘柄の評価損を計上した結果141億円(前年同期比10.5%減)。同事業を除くNon-GAAP営業利益は191億円(前年同期比8%増)。

国内ECにおける流通総額は、1兆4,877億円(前年同期比4.7%増)。「楽天市場」「楽天リーベイツ」などショッピングECの流通総額が拡大したほか、トラベル事業も成長した。Non-GAAP営業利益は、コア事業に加え、物流事業における料金改定による損益改善が寄与し、231億円(前年同期比7.5%増)。

フィンテックセグメントの売上収益は2,327億円(前年同期比14.8%増)、Non-GAAP営業利益は434億円(前年同期比12.2%増)で増収増益。

「楽天カード」の会員基盤と客単価の拡大に伴い、ショッピング取扱高は6.5兆円(前年同期比10.2%増)となりセグメント増収に貢献。金融費用などの増加で減益だが、増収と一般経費のコントロールにより通期では前年並みの利益水準とする。

楽天ペイメントは、「楽天ペイ」アプリの取扱高の増加により増収増益が継続。Non-GAAP営業利益は18億円(前年同期比57.2%増)で、営業黒字が拡大した。

「楽天証券」の証券総合口座数は、6月末時点で1,256万口座(前年同期比10.9%増)となり、多様化した収益構造により四半期としての最高収益となる356億円(前年同期比7.9%増)となった。

「楽天銀行」の単体口座数は、2025年6月末時点で1,707万口座(前年同期比7.5%増)と顧客基盤が堅調に拡大。メイン口座化・生活口座化進展に伴い預金残高も増加し、単体預金残高は11.7兆円(前年同期比7.1%増)。運用資産の積み上げに加えて日銀の政策金利の引き上げにより金利収益が大きく伸長し、四半期として経常収益、経常利益のいずれも過去最高を更新した。

モバイルセグメントにおける売上収益は1,121億円(前年同期比18.1%増)で増収。「楽天モバイル」の契約回線数および正味ARPU上昇、「楽天シンフォニー」におけるメイン顧客へのソフトウェア納入による増収に伴い、Non-GAAP営業損失は前年同期比169億円の改善となる370億円。

「楽天モバイル」単体の売上収益は906億円(前年同期比33.5%増)で増収。Non-GAAP営業損失は前年同期比139億円の改善となる389億円。契約回線数増加とARPU向上により、EBITDAは56億円(前年同期比191億円増)で、2025年通期EBITDA黒字化へ順調としている。

楽天モバイル全契約回線数は897万回線で、前四半期比39万回線の純増。7月31日時点では、908万回線に到達した。開通数が前四半期比で増加したほか、一部キャリアの料金改定の影響もあり解約率が減少した。