田中将大「色んな部分を見つめ直しながら」3か月で修正、堂々の104球粘投「春先とは違う手応え」

 ヤクルト3―2巨人(セ・リーグ=7日)――ヤクルトが逆転勝ち。四回にオスナ、六回は中村悠の適時打で2度追いつき、八回にオスナが決勝ソロを放った。巨人は田中将の粘投実らず、3連勝でストップ。

5回2死満塁、内山を空振り三振に仕留めほえる田中将(7日)=片岡航希撮影

 5月1日以来の一軍登板となった巨人の田中将。東京ドームのマウンドに堂々と立つ姿は、約3か月前とは明らかに変わっていた。「春先とは違う手応えは、当然感じて投げていた。やってきたことの積み重ねが出せた」。白星には届かなかったが、今後に期待を抱かせる内容だった。

6回途中2失点の田中将(7日)=片岡航希撮影

 四回二死まで完全投球。そこから2者連続で四球を与え、オスナに適時打を浴びた。ただ、四球は徹底して低めのコースに集めた結果で、最少失点でしのいだ。五回二死から満塁のピンチを招いたが、内山を鋭く落ちるスプリットで空振り三振に仕留めた。

初回を三者凡退に抑えベンチに戻る田中将(7日)=大石健登撮影

 「全部が足りないから、二軍に降格した。投球フォーム、自分の考え方、色んな部分を見つめ直しながらやってきた」。常時セットポジションで投げたり、この日のように左脚を一塁方向に引いた状態から上げてみたりと試行錯誤を重ねた。落差が小さかったスプリットは桑田二軍監督から握りについて助言を受けながら修正してきた。

5回2死満塁、内山を空振り三振に仕留めた田中将=片岡航希撮影

 六回、味方の失策と四球が絡み、二死一、二塁となったところで交代を告げられ、その後、船迫が同点打を許して勝利投手の権利を失った。「四球に行き着くまでのカウントの作り方で自分の投球を苦しくしてしまった。走者を残してマウンドを降りてしまい、悔しい」と振り返る。

 それでも、一、二軍を通じて今季最多の104球を投げた右腕に、完全復活を心待ちにするファンから大きな拍手が送られた。

 「声援はもちろん耳に入っていた」。控えめに帽子のつばを触って応えた田中将。次こそチームを勝利へ導くつもりだ。(井上雄太)

  巨人・阿部監督 「(田中将は)四球が多かった。慎重に投げてるのは分かったんだけどね。だけど、頑張ってくれた。(六回に増田大の失策から追いつかれ)ミスが出たら負けますから」