リアム・ローソン、衝撃のレッドブル”2戦限り”の更迭をまだ消化しきれず「でも、自信を失ったとか、そういうことは決してない」

 レーシングブルズのドライバーを務めるリアム・ローソンは、今季のF1をレッドブルのドライバーとしてスタートしたものの、僅か2戦限りで角田裕毅にそのシートを奪われることになった。これについてはまだ消化しきれていないものの、自分の能力に関する自信は揺るいでいないと語った。

 昨年、一昨年と、シーズン途中からアルファタウリ/RBのドライバーをつとめ、その実力を見せつけたローソンは今季、セルジオ・ペレスの後任として、レッドブルのシートを射止めた。しかしそのレッドブルでローソンは、開幕から2戦連続で予選下位に沈んだことで、3戦目の日本GPから角田にシートを明け渡すことになり、レーシングブルズにいわば降格させられることになった。

 レーシングブルズに降格した直後はなかなか調子が上がらなかったローソン。しかし徐々にパフォーマンスを取り戻しつつあり、ここまで12ポイントを稼いだ。

 ローソンはF1公式サイトのインタビューで、レッドブルで苦労していた頃を振り返った。

「正直に言うと、完全には……まだだね。まだ完全には……夏休みには、少なくとも1週間くらいは、みんなが精神的にスイッチを切ることができる時間があると思うけど」

 今年起きたことを消化する時間はあったかと尋ねられたローソンは、そう説明した。

「それまでにはあと数戦残っている。まだこれまでに起きたこと、今後数戦でどう改善していくか、そして自分自身がどう成長していくか、そのことばかり考えている。とにかく、その渦中にいるんだ」

 ローソンのレッドブルでの2戦は、まさに悪夢のような2戦だった。開幕戦では予選18番手だったものの、雨の中クラッシュ。続く中国GPでは、スプリント予選でも通常の予選でも最下位に終わり、レースでもポイントには届かなかった。

 そして中国GPの後にドバイで行なわれたレッドブル経営陣の会合で、ローソンの降格が決められた。

「ひとつハッキリさせておきたいのは、最初の数戦からチームを移籍し、そして日本に行くまで、僕の精神的な面は何も変わらなかったということだ」

 そうローソンは語った。

「自信が失われたとか、そういう憶測がかなり飛び交っていたけど、全くの誤りだ。シーズンの初めから、いつもと変わらない気分だった」

「2レース、しかも初めて走るサーキットでのレースでは、自信をつけるのは十分じゃないと思う。シーズン始まって6ヵ月経ってもまだそのレベルにあり、結果も同じようなモノならば、何かを感じるだろうね。自信も損なわれていたかもしれない」

 夏休みに入る前に、数週間休みを取れたことで、ローソンは前を見据えている。

「少し息抜きができるのは良いことだ。でも、精神的には、今後控えているベルギーとハンガリーのことを考えている。良いレースを数戦戦ってから、休みに入りたいものだ」

 レーシングブルズは今季、非常に安定したパフォーマンスを発揮している。ドライバーとしては、レッドブルに残るよりも良い環境で戦えている……と言えるかもしれない。実際ローソンの代わりにレッドブル入りした角田は、まだ苦戦が続いている。

 しかしローソンは今季は非常に忙しく、ここまであっという間に過ぎ去ったと語る。

「3連戦を戦う時には、レースウィークエンドを終えると1日かけて何が起きたのかを考え、その後すぐに次のレースのことを考えなきゃいけない。この世界に迷い込んでしまったような気分だ」

 そうローソンは言う。

「それが健全なことなのか、そうでないのかは分からない。でも、F1のこと、パフォーマンスのこと、そして結果のことばかり考えてしまう。今ここに座っているけど、もう7月も半ばだ。今年はあっという間に過ぎ去ってしまった。12レースも戦ったなんて、信じられないくらいだ。あっという間に過ぎ去ってしまった」

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