【富裕層】日本に「お金持ち」はどれくらいいる?純金融資産1億円以上の資産家の割合をチェック

富裕層が日本で増えている背景&「資産運用でお金をつくる」ポイントを3つ紹介

【富裕層】ってどんな世帯?, 《富裕層の定義》, 《日本に「富裕層」はどれくらいいるのか》, 【富裕層・超富裕層】日本の資産家は増えている, 【富裕層】なぜ日本で増えている?3つの背景, 【背景1】国内外の株価上昇, 【背景2】非課税投資制度の拡充による資産形成機会の拡大, 【背景3】相続や贈与によるもの, 【資産運用初心者必見】資産を増やす3つのポイント, 小さく始める(積立投資や少額投資), 分散投資でリスクを減らす, 長期目線でコツコツ続ける, 【おわりに】資産運用を始めるなら「守り」と「攻め」のバランスを意識して

【富裕層】日本に「お金持ち」はどれくらいいる?純金融資産1億円以上の資産家の割合をチェック

8月の厳しい残暑が続く中、物価の上昇や家計のやりくりに頭を悩ませている方も多いかもしれません。

その一方で、資産をしっかり築き「富裕層」と呼ばれる層に属する人々の割合は、近年少しずつ増えてきています。

では、日本における富裕層はどのくらい存在するのでしょうか。今回の記事では、最新のデータをもとに富裕層の割合を確認しつつ、なぜ増えているのかという背景についてもあわせて解説していきます。

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【富裕層】ってどんな世帯?

「富裕層」と呼ばれる資産家は、具体的にはどのような世帯なのでしょうか。野村総合研究所のレポートをもとに「富裕層」の定義について見ていきましょう。

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出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」

《富裕層の定義》

野村総合研究所のレポートでは、全世帯を純金融資産保有額の規模によって「富裕層」から「マス層」までの5つの階層に分類。

1億円以上保有している世帯を「富裕層」、さらに5億円以上保有する世帯を「超富裕層」と定義しています。

《日本に「富裕層」はどれくらいいるのか》

富裕層・超富裕層を合わせた資産家世帯は日本に165万3000世帯。これは、全世帯の約3%に相当します。

超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円

富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円

準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円

アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円

マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円

なお、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は469兆円。

全世帯の保有資産額(1795兆円)の約26%が、上位約3%のトップ層に集中していることが分かります。

【富裕層・超富裕層】日本の資産家は増えている

「富裕層」「超富裕層」2005年からの保有資産規模と世帯数の推移を見てみると、リーマンショックや東日本大震災の影響による一時的な落ち込みはありますが、長期的に見ると上昇傾向にあります。

とくに2011年以降は一貫して増加が続いています。

上がらぬ賃金や、止まらぬ物価上昇などにより苦しい暮らしを強いられている人が多い中、富裕層が増え続けているのはなぜなのでしょうか。

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出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計

富裕層と超富裕層の「純金融資産保有額の合計」の推移をみてみましょう。

・2011年:188兆円

・2013年:241兆円

・2015年:272兆円

・2017年:299兆円

・2019年:333兆円

・2021年:364兆円

・2023年:469兆円

直近10年(2013⇒2023年)を比較すると、この2つの層が保有する純金融資産の総額は実に約72%も増加しています。

【富裕層】なぜ日本で増えている?3つの背景

なぜ日本で富裕層が増え続けているのでしょうか。その背景について、考えられるいくつかの要因を挙げていきます。

【背景1】国内外の株価上昇

1つ目に挙げられるのが「国内外の株価上昇」です。

米国の株式市場は「ダウ工業株30種平均」や「S&P500」といった主要指数が示すように、短期的な変動はありながらも長期的な上昇トレンドを維持してきました。

この株高は米国に限らず世界的な傾向です。

富裕層は一般世帯に比べ、株式の保有額や、株式が総資産に占める割合が高い傾向があります。

そのため、こうした世界的な株高が、彼らの資産を大きく押し上げる主な要因となってきたと言えるでしょう。

【背景2】非課税投資制度の拡充による資産形成機会の拡大

2つ目に挙げられるのが「非課税投資制度の拡充による資産形成機会の拡大」です。

具体的には「NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)」「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」といった税制優遇制度によるものです。

NISA制度は2014年にスタートしたのち、2024年からは「新しいNISA(新NISA)」として展開されています。

このように、非課税枠のある投資制度が拡充されてきたことにより、個人が資産形成に関わる機会は増えてきました。

10年前には投資に興味がなかった人でも、NISAの登場をきっかけに資産運用を始めた人もいるでしょう。

早い段階でスタートした人であれば、相応の利益が出ていることが推測できます。

【背景3】相続や贈与によるもの

3つ目に挙げられるのが、相続や贈与による資産承継です。

日本では、少子高齢化の進行を背景に、一人ひとりの相続人が受け取る遺産額が大きくなる傾向にあります。

そのため、これまで富裕層ではなかった一般的な家庭においても、親や祖父母からの遺産相続により多額の資産が入り、結果として富裕層となるケースは珍しくありません。

このように、好調な株式市場、資産形成の機会拡大、資産承継といった複数の要因が重なり、富裕層の増加に繋がっていると考えることができます。

本人の意図とは関わらず、こうした環境の変化により結果として富裕層になった人々も含まれているでしょう。

【資産運用初心者必見】資産を増やす3つのポイント

小さく始める(積立投資や少額投資)

資産運用を始めるにあたって大切なのは、無理をせず継続できる方法を選ぶことです。

たとえば、いきなり大きな金額を投資する必要はありません。まずは毎月5000円や1万円など、無理のない範囲で積立投資をスタートするのがおすすめです。新NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用すれば、効率的に資産を増やすことが期待できます。

分散投資でリスクを減らす

投資先を一つに絞るのではなく、複数の資産に分散させることも重要です。株式や債券、不動産、投資信託などを組み合わせることでリスクを抑えられます。

特に初心者の場合は、世界中に幅広く分散投資できるインデックスファンドから始めてみるのも一案です。

長期目線でコツコツ続ける

資産運用は短期間で大きな利益を狙うものではなく、長期的にコツコツと続けることが成功のカギになります。

富裕層の多くも「守りの運用」を意識しながら、長期目線で資産を育てています。

10年、20年と時間をかけることで、複利の効果がより大きく働き、着実に資産を形成していけるでしょう。

【おわりに】資産運用を始めるなら「守り」と「攻め」のバランスを意識して

ここまで日本の富裕層について見てきました。

昨今の物価上昇で、現金の価値は少しずつ目減りしています。そんな中、自分の資産を守るために「資産運用」を取り入れることはとても有効です。

資産運用には、大きく分けて「守りの運用」と「攻めの運用」があります。富裕層の多くは、資産を大きく増やすよりも、価値を守る「守りの運用」を重視する傾向があります。

これから資産運用を始める方も、守りと攻めのバランスを意識しながら、まずは少額から取り組んでみるのがおすすめです。

参考資料

・株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」