カラスに狙われた子猫を緊急保護→今では「油断しきった家猫」に育った4匹の物語

 雨の中、待ったなしの保護活動,  社内での“大運動会”の日々,  12匹の“社員猫”と歩む会社,  SNSで伝える「終生幸せにする」重み,  命がつながる瞬間を、次へ

【ビフォー写真】カラスに狙われ、隙間に身を寄せていた子猫たち(「ねこ大家」さん提供)

大阪市鶴見区で「猫と幸せに暮らせる家」の施工を手掛ける建設会社「ねこ大家」さん(@neko_fudosan)がX(旧Twitter)に投稿した一枚の写真が、多くの猫好きの心をつかんでいます。

写っていたのは、かつてカラスに狙われ、隙間に身を寄せていた子猫たち。保護され、会社で可愛がられるうちに、すっかり「油断しきった家猫」に成長したといいます。

 雨の中、待ったなしの保護活動

発端は、以前保護依頼があった方からの連絡でした。

「隣の空き地で子猫を4匹見つけたが、空き地の上空にはたくさんのカラスがいる。急いで保護してほしい」

現場に駆けつけると、4匹のうち2匹は目が塞がり、全員が猫風邪をひいていたとのこと。しかも雨が降っており、放置すれば命に関わる状態でした。長時間かけて全員を無事保護したといいます。

 雨の中、待ったなしの保護活動,  社内での“大運動会”の日々,  12匹の“社員猫”と歩む会社,  SNSで伝える「終生幸せにする」重み,  命がつながる瞬間を、次へ

すっかり「油断しきった家猫」に成長(「ねこ大家」さん提供)

 社内での“大運動会”の日々

保護後、子猫たちは「そら豆」と「どんぐり」が同じ家へ、「しらす」と「がんも」がそれぞれ先住猫のいる家庭へと譲渡されました。

当時の社内は、子猫たちが次々やってきては追いかけっこや“にゃんプロレス”を繰り広げる毎日。午後には遊び疲れてぐっすりお昼寝。その隙に社員が仕事をこなす――そんな微笑ましい光景が繰り返されていたそうです。

 12匹の“社員猫”と歩む会社

現在も「ねこ大家」さんには12匹の社員猫が在籍。出勤組と在宅組に分かれ、それぞれがのびのびと過ごしています。看板猫の「にゃん吉」くんは施工チェックのプロで、気に入らないキャットウォークはやり直しになることも。職人泣かせでありながら、猫にとっての安全と快適さを守る重要な存在です。

 雨の中、待ったなしの保護活動,  社内での“大運動会”の日々,  12匹の“社員猫”と歩む会社,  SNSで伝える「終生幸せにする」重み,  命がつながる瞬間を、次へ

保護時の子猫たち(「ねこ大家」さん提供)

 SNSで伝える「終生幸せにする」重み

同社のSNS発信には、保護猫団体をサポートし、猫にとっての本当の幸せを考えるきっかけを届けたいという思いが込められています。「猫を終生幸せにするという言葉の重みを、これからも発信していきたい」と話します。

 命がつながる瞬間を、次へ

カラスから必死に身を守っていた子猫たちが、今ではのびのび暮らす姿。その背景には、迷わず手を差し伸べた人々の行動と、「猫ファースト」の家づくりを貫く会社の信念がありました。

命がつながる瞬間を、多くの人が目にし、次の行動につなげていく――そんなメッセージが、この小さな物語には込められています。

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)