店先で倒れた男性は「大動脈解離の手術後」だった…命を救った「店長と従業員」の連携プレイとは

店長さん→従業員さん→警備員さん, 「救急の電話番号って…」, 不幸中の幸いが重なった奇跡, まずは「人命」を優先して, 救命は1人ではできない。必ず誰かを頼ること

閉店間際のタイミングで、男性客が倒れた!

大正三年創業「御漬物屋の丸越」のアピタ名古屋南店の店長、めいなん(@054758373)さん。

7月のある週末の閉店間際、店の後方から「ドサッ」と、何かが落ちるような音が聞こえたという。めいなんさんはその際の緊迫した様子をX(旧Twitter)に投稿した。

店長さん→従業員さん→警備員さん

「金曜日の閉店間際、店の後ろでドサッと何か落ちる音が聞こえたので、振り向いたら男性が尻もちを付いていた。『大丈夫ですか?』と尋ねても返事が出来ない感じ。手を貸そうと肩に手を乗せるとかなり震えているというか、痙攣に近い感じ。店の中から椅子を出して座らせようとしたんだけども、腰が支えられない感じだったので、床に座ってもらって、背中を支える感じで楽にしてもらう」

「(倒れた男性の)奥様が真横に来たので、(男性には)持病があるかを聞いたら、先日大動脈解離の手術をしたばかりだということで、緊急だから仕方ないから、横向きに寝てもらって、僕が付けてたエプロンを脱いで折り畳んで、首の後ろに置いて気道確保。その間にヨコさん(※めいなんさんの妻で、アピタ名古屋南店の従業員さん)に警備を呼んでもらいに走ってもらう」

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倒れた男性は「大動脈解離の手術」を受けたばかりだったという

「救急の電話番号って…」

「胸は動いているけど、白目を剥きそうだったから、声を掛けながら(男性の)奥様に救急車を呼んでもらう。人は慌てると119がわからなくなるのはホントなんだなと思った。白目から黒目に戻ってきたので、電話を代わって、大動脈解離の手術後と伝えた時に、警備と副店長が丁度現着」

「その場で副店長に伝えてバトンタッチ。すぐに救急車が駆けつけてくださって、ストレッチャーで搬送。昨日、『無事でした』と奥様から聞かされたので、やっと気が楽になった。そして、支えて寝かせている時に大動脈解離と聞いたので、ゆっくり寝させようと抱えていたので、ワシの腰がめっちゃ痛いw」

<めいなんさんのXの投稿より>

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「119」が思い出せなくなるなど、とっさの時は焦ってしまいがち

不幸中の幸いが重なった奇跡

男性の奥様から無事の知らせがあったことについて、「とりあえず大事に至らなくてよかった。倒れられた時に上手く頭を打たなかったのがホント幸いでした」と、ポストしていためいなんさん。

当日の状況について詳しく聞いたところ、通常であれば、店長のめいなんさんか、もしくは、すぐに警備員さんを呼びに走ってくれた従業員のヨコさん(※めいなんさんの妻)のどちらかが、すでに仕事を終えている時間だったという。

しかし、この日はお店のリフレッシュオープン日だったため、最後の営業時間までご夫妻が共に仕事をしていたことも、今回の迅速な対応に繋がったようだ。

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すぐに救急隊がかけつけてくれたという

まずは「人命」を優先して

「実はヨコさんと結婚する前の旅行中に、2人で『阪神淡路大震災』を神戸のど真ん中で体験していることもあり、こういう時は身体が自然に動きます。そして、僕の場合は幼少期に静岡市で育ったため、当時の学校教育のカリキュラムにあった『救命救急』の最低限の訓練を何度も繰り返し経験しています。

僕の世代にはなかったのですが、現在の自動車学校では、人命救助、心肺蘇生や人工呼吸などが必須だったと思います。『女性にはAEDを使わない』といったトラブルがあるというニュース記事を見ましたが、僕自身は、『まずは人命が優先』だと思っていますので、どんなことがあっても行動はしてほしいなと思っています」(めいなんさん)

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まずは「人命」の優先を

救命は1人ではできない。必ず誰かを頼ること

今回のような事態に遭遇した際は、「まずは周囲に助けを求めることが大事」と、めいなんさんは言う。

「自分1人で対応できないと思ったら、大声で『手伝ってください!』と叫ぶことです。僕らが幼少期に習ったのも、『救命は1人ではできない。必ず誰かを頼る』ということでした。あと、すぐに体が動けるように、訓練や講習を受けた後も、何度も繰り返し練習することが大事です」(めいなんさん)

なお、男性を救助する際にダメージを受けたという、めいなんさんの「腰」だが、その後、御漬物屋の丸越さんが開催する、年2回の「全品3割引セール」の多忙も重なり、「案の定ダメダメになってしまいました。今もコルセットを装着中です」とのことだ。

◼︎御漬物「まるこし」

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御漬物屋「まるこし」さんが年2回開催する「全品3割引セール」は、愛知県あま市にある萱津神社で毎年8月21日に行われる日本で唯一の漬物の祭礼「香乃物祭」が由来となって始まったそう(画像提供:めいなん さん)

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)