「お釣りで貰った500円玉がレアモノだった」なぜ?その価値は?「昭和六十四年」の硬貨
「さっきお釣りで貰った500円玉がレアモノだった」
「Masa」(@Japhistory_Life)さんがゲットしたのは今から34年前の昭和64年に発行された500円硬貨です。発行から30数年が経過しているにも関わらず、保存状態がよくピカピカの500円玉に驚く声が続出したほか、硬貨に刻まれた「昭和六十四年」に感動を覚える人も現れました。
「きれい!最近まで使わずに保管されてたのかも」
「市場価値ありますね」
「昭和64年が存在してた証」
「昭和64年は1週間しかなかったもんね」
昭和の硬貨が現在も流通していることに驚く声も多い一方で、なぜ「昭和64年」という単語にも注目が集まったのでしょうか。
この昭和64年は西暦に直すと1989年。年明けの1月7日に当時の昭和天皇が崩御されたため、たった1週間ほどしかなかった非常に貴重な年号です。そのため、昭和の終焉を迎えた当時を知る人の感動を呼んだものと思われます。
この年における500円玉の製造枚数は1億枚以上発行された前年に比べて9分の1程度しかなかったのですが、製造自体は前年の秋ごろから行われているため、最終的な発行枚数は約1600万枚にも及びました。ちなみに、これよりもレア度が高いとされているのが昭和62年製の500円硬貨。発行数が約277万枚と昭和64年のものよりもさらに少ないため、こちらも古銭マニア垂涎の硬貨だと言えます。
今ではすっかり見かけなくなった昭和製の硬貨について、投稿者であるMasaさんに硬貨を入手した経緯やお好きな日本史についてお話を伺いました。
「昭和六十四年」の文字がまぶしく見える…!(提供:Masaさん)
ーーこの500円硬貨はどこで入手されましたか?
「コンビニのお釣りです」
ーーすぐに昭和64年製の500円硬貨だと気が付いたのでしょうか?
「はい。昭和期の500円玉自体最近では珍しいので、しまう前に何気なくふと見て気づきました。昭和64年という年号がとにかく嬉しかったです」
ーー入手された500円硬貨は保管されているのでしょうか?
「もちろん保存しております!」
ーーこの硬貨は現在の価値だとどのくらいなのか、調べたりされましたか?
「以前より古物には興味があったので、もともと価値などは把握しておりました」
ーー日本史がお好きとのことですが、お仕事も?
「仕事は日本史とは全く関係ないことをしております」
ーー日本史を好きになったきっかけは?
「もともと日本史に興味を持ったのは、小学校の時に休み時間に教室にあった『日本の歴史』をよく読んでいたこと、また父が大河ドラマをよく観ていたのを横で一緒に観ていたことからハマっていきました。なお、日本史関連の資格は今のところ特にはまだ持っていません」
ーー愛知県にお住まいのMasaさんがおすすめする、県内の歴史スポットは?
「県内で言えばやはり現存天守の犬山城や当時の記録から正確に再現をした名古屋城本丸御殿でしょうか。他にも、重要文化財に指定されている名古屋市市政資料館は大正時代の建築様式に触れることができ、また様々なドラマのロケ地にもされていることからオススメをよくしております」
Masaさんがおすすめする愛知の歴史スポット、「名古屋城本丸御殿」(提供:Masaさん)
こちらもMasaさんおすすめのスポット、「名古屋市市政資料館」(提供:Masaさん)
昭和64年の500円硬貨の価値は
この昭和64年製の500円硬貨の価値について調べると、一般的には600円〜800円程度(使用済み・美品の場合)とされています。さらに詳しいお話を伺うべく、総合リユースサービス「バイセル」の運営元である「株式会社BuySell Technologies」の担当者にも話を聞きました。が、「硬貨の製造数は少なくないことから、エラー鋳造などの付加価値がなければ査定の対象にならない」といった回答。年ごとにおける製造枚数によって価値は変動するようです。
しかし、興味深いのは金銭的な価値よりもたった1週間で終わってしまった「昭和64年」という年が確かに存在していた証です。60年余り続いた昭和に突然終止符が打たれたこの年ですが、硬貨として目に見える形で残っていることで当時の情緒をわずかながら感じることもできるのではないでしょうか。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・行橋 友)