レッドブルのドライバー人事を握るマルコ博士は、オランダGPでのハジャーの表彰台、そして角田裕毅の9位をどう評価しているのか?
F1オランダGPでは、レッドブルの姉妹チームであるレーシングブルズに所属するアイザック・ハジャーがF1デビュー1年目ながら予選4番手から3位表彰台を獲得した。一方で長く無得点が続いていたレッドブルの角田裕毅は、久々のポイント獲得となる9位となった。
角田にとっては、5月のエミリア・ロマーニャGP以来の入賞は喜ばしいこと。またハジャーの大活躍は来季のレッドブルのドライバーを決定する上でも、大きなアピールとなったことは間違いないだろう。
ではレッドブルのドライバー人事権を握る同社のモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコ博士は、それぞれの結果をどう評価しているのだろうか?
「アイザックは本当に必死に戦わねばならなかった。ラッセル(ジョージ・ラッセル/メルセデス)が何度も彼にアタックするのを見たよ。ルクレール(シャルル・ルクレール/フェラーリ)も、アタックを仕掛けてきた。彼らは真剣だったね」
マルコ博士はハジャーのレースをそう振り返った。
「それでも彼(ハジャー)は、冷静さを保っていた。何のミスも犯さなかった」
「メルセデスとフェラーリは、簡単に後ろに近付いてきた。彼は苦労を強いられたけど、後ろに抑え込んだのだ」
マルコ博士曰く、予選の時点からハジャーは良いレースができると分かっていたという。しかしミスなく戦い抜いたことを賞賛した。
「予選の時点で、彼らが非常に良いマシンを持っていることは分かっていた。しかしレースペースでは、アイザックは何もミスを犯さなかった。完璧なドライビングをしたし、タイヤも使いこなしていた」
「アイザックは、金曜日にパワーユニットのトラブルを抱え、1セッション(FP2)を全く走れなかった。それでも、彼は心配していなかった。その時から『スピードはある。予選トップ5くらいには入れるだろう』と言っていたんだ」
マルコ博士はSkyスポーツのインタビューで、次のようにも語っていた。
「今後彼が続けなければいけないのは、まさにこういうことだ。Q3でのパフォーマンス、ポイント獲得、そして昇格のチャンスとビッグチームのシートを獲得できるかどうか……我々は今後、それを決めることになる」
またマルコ博士はORFに「来季のフェルスタッペンのチームメイトは彼かもしれないですね? 今日彼は、その立場を強固なモノにしました」と尋ねられると、決断を急ぐことはないとして次のように語った。
「その点については、年内に判断するよ」

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing
マルコ博士はオランダGPの土曜日の時点で、10月末のメキシコシティGPまでに来季のレッドブルのドライバーラインアップを決める予定だと語っていた。そんな中で今回のハジャーの結果は、レッドブル昇格に向けて大きな後押しになるのは間違いない。
一方で角田としては、レッドブルに残留するため今回3位に入ったハジャーよりも優れているところを見せなければいけないわけだ。
判断を下す上で、角田にはどんなことを期待するのか? そう尋ねるとマルコ博士は次のように語った。
「スピード面での一貫性と、パフォーマンスだ」
そう語るマルコ博士。ただハジャーの3位を褒め称えつつも、角田の9位も十分に評価しているようだ。
「ユウキは今回、セーフティカーの不運に見舞われた。タイヤ交換を済ませた直後に、セーフティカーが入ったんだ。そのために彼は、最後尾付近まで落ちてしまった」
「彼自身は、何も悪いことはしていないよ」
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