ウクライナの子供たちをロシア人の養子にするため、「オンラインカタログ」を開設したロシア
ウクライナの子供たちをロシア化

ロシアの占領下にあるルハンシク州では、ロシア側が設置した地元当局によって、ウクライナ人の子供たちを強制的に養子に出すための「オンラインカタログ」が立ち上げられたという。ユーロニュース放送が報じている。
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どのような内容なのか?

ロシア独立系メディア「メドゥーザ」はこのデータベースについて、17歳未満の未成年者294人分のプロフィールが含まれていると報道。名前や写真のほか、性格や興味の対象について簡潔な説明がなされているという。
画像:Meduza
性別・眼の色・髪の色・年齢

同メディアいわく、ウクライナ人の養子を求めるユーザーは性別や年齢、目の色、髪の色、兄弟の有無などによって、プロフィールを選別することができる。
まるでネット販売

一方、ユーロニュース放送によれば、強制的に養子に出される子供たちのリストには、「穏やか」「素直」「礼儀正しい」「まじめ」などといった売り文句が並んでいるという。
画像:Meduza
「奴隷のカタログ」

ウクライナのNPO「Save Ukraine」を率いるミコラ・クレバ代表いわく:「ウクライナの子供たちの扱いはまるで奴隷のカタログです。現代における子供の人身売買であり、世界はこれを阻止しなくてはなりません」
。
ロシアが養子縁組を強制する背景

同代表はさらに、「これらの子供たちは親が占領当局によって殺害されていたり、連れ去りを正当化するためにロシアの身分証明書が発給されたりしています」とした。ユーロニュース放送が報じている。
連れ去られた子供は1万9,500人

『キーウ・インディペンデント』紙によれば、ウクライナ当局はロシアや被占領地域、ベラルーシに連れ去られた子供たち1万9,500人あまりの身元を確認したという。
家族のもとに帰されたのは1,350人

同紙いわく、カタールや南アフリカ、バチカンといった第三者の仲介によって、家族のもとに帰された子供もいるが、その数は1,350人に留まっている。
以前から行われていたが……

実は、ロシアはドンバス地域での紛争がはじまったころから、ウクライナ人の子供たちにロシア人の里親との養子縁組を強制してきた。前出のクレバ代表によれば、「これは新しい戦術ではありません。ウクライナの子供たちは2014年以来、ロシアの里親募集データベースに登録されていました。しかし、2022年以降は大々的かつ組織的に行われるようになったのです」とのこと。
堂々と人身売買

同代表はさらに、ロシア当局が養子縁組という建前を捨てさり、実質的な人身売買であることを隠そうともしなくなってしまったと指摘した。『キーウ・インディペンデント』紙が報じている。
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