特色ある「小さな町の味覚」を世界の食卓へ 中国天津市

天津市宝坻区で栽培されている天鷹トウガラシ。(天津=新華社配信)

 【新華社天津8月21日】中国天津市はここ数年、宝坻(ほうてい)区新安鎮のトウガラシ産業、静海区王口鎮の「炒貨」(ローストナッツやいり豆類)産業、寧河区岳竜鎮のサツマイモ産業の振興に力を注いでいる。これら「小さな町の味覚」が山や海を越え、農村から世界の食卓へ羽ばたこうとしている。

 宝坻区の天鷹トウガラシは辛みが強く、香りも豊かで、消費者から高い人気を博している。同区では今年のトウガラシ作付面積が1万6千ムー(約1067ヘクタール)に上り、予想収量は4800トン、輸出比率は21%になると見込まれる。トウガラシは韓国のキムチ工場や日本の調味料工場に運ばれ、世界の食卓で「辛味担当」を務めることになる。

天津市宝坻区の天鷹トウガラシ栽培地。(天津=新華社配信)

 静海区王口鎮には炒貨企業が約300社あり、年間売上高は約100億元(1元=約21円)に上り、製品は世界12カ国・地域に輸出されている。今年1~7月、王口鎮産炒貨の輸出量は7800トン余り、輸出額は約1億4千万元だった。同鎮の企業は製品と味の革新にも力を入れており、特に「世界味覚探検」シリーズのポップコーンは、発売直後から若者の新たな人気商品となった。

天津市静海区王口鎮の「炒貨」メーカーが開発したポップコーンの新商品。(天津=新華社配信)

 2024年、寧河区岳竜鎮のサツマイモ「紅瑤」の作付面積は1万8千ムー(1200ヘクタール)に拡大し、生産量は4万5千トンを超え、生産高は1億9千万元を上回った。岳竜鎮は「紅瑤」の高付加価値加工品の市場開拓にも積極的で、調理不要の厚切りサツマイモ、サツマイモチップス、サツマイモでん粉などの加工品を打ち出し、産業チェーンをさらに拡充している。今年、同鎮の「紅瑤」の輸出量は2千トンを超える見通しとなっている。(記者/尹思源、馮娟)

左:天津市寧河区岳竜鎮で収穫したサツマイモ「紅瑤」を見せる農家の人。右:天津市寧河区岳竜鎮で栽培されたサツマイモ「紅瑤」。(天津=新華社配信)

天津市寧河区岳竜鎮で開発されたサツマイモ「紅瑤」の高付加価値加工品。(天津=新華社配信)