怪しい発明品を少年に勧める博士…シュールギャグと思いきや「ラストがホラーだった」【漫画】
数々の発明品を生み出す博士と少年のケンタ君
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回注目するのは、X(旧Twitter)に創作漫画を投稿している由良木えんそさんの『わくわく!!ハカセの発明品紹介』だ。
同作は、数々の発明品を生み出す博士と少年のケンタ君による物語が描かれたショート漫画。以前由良木さんのXにポストされると、約3000もの「いいね」が寄せられている。そこで作者の由良木さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
怪しい発明品を勧める博士と不信感を募らせるケンタ君

『わくわく!!ハカセの発明品紹介』(1/8)
ある日、博士はケンタ君に「身動きがとれなくなる椅子」「ケンタ君を女の子にする銃」「タイムマシン」といった数々の発明品を紹介する。
そして、発明品を使うように勧めるも、怪しいと感じてすべて断るケンタ君。すると、博士は大声を上げながら激怒し、ケンタ君に襲いかかったが、空手を習っているケンタ君は強力なパンチで応戦する。力で敵わないと思った博士は、ケンタ君が空手を習う前に向かうため、タイムマシンに乗り始め…。
読者からは「シュールなギャグ展開かと思ったら、ラストがホラーだった」「怪しさ満点の博士が面白い」などの声が寄せられている。
作者・由良木えんそさん「思いついた物語は型にとらわれず、とにかく形にする」

『わくわく!!ハカセの発明品紹介』(4/8)
――『わくわく!!ハカセの発明品紹介』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
この話を考えた時期は仕事などですごくストレスがたまっていた時期でした。なので、作品として面白いかは気にせず、とにかく自分が今書きたいもの(「怖いおじさん」や「改造人間」、「暴力」など)を詰め込んで、ストレス発散のために描き始めた作品になります。結果的に、そこがかえって状況がころころ変わるような、良いように言えば先が読めないような作品に仕上がったのかなと思いました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
こだわりというほどでもないのですが、やはり博士が「少年にはタイムマシンで過去に戻らないと絶対に勝てない」というタイムマシンを使う動機を作る必要があったので、少年のパンチ力はなるべく強力に描くように意識しました。なので、タイムマシンで転送されるまで博士の鼻からは血があふれ続けています。
――他の作品も拝見すると、独特な世界観が印象的でした。物語を考えるうえで意識しているポイントをぜひお聞かせください。
物語を考える上で、特にこれといった決まったルールや意識していることはありません。ただ、作品づくりの方針としては「思いついたら描く」ということを大切にしています。
以前は、せっかく思いついた物語でも「これはあんまり面白くないかも」と自分で判断して、描かずに終わることも多くありました。でも、ある時、妻が私の自信のない作品を「面白い」と言ってくれ、逆に自信のある作品を「あんまり好きじゃない」と言ってくれたことがありました。
それを機に「面白いかどうかは人によって違うので、どんな作品でも誰か1人は気に入ってくれるだろう」と思えるようになり、思いついた物語は型にとらわれず、とにかく形にするようにしています。
この博士の話も、本当は公開する前に「これ、面白いのか?」と不安になっていましたが、今回このような機会をいただくこともできて、やはり描いてよかったなと思いました。
――今後の展望や目標をお教えください。
今後何巻も続くような壮大な話も作ろうかと考えていますが、気軽に読んで気持ちが少しだけ明るくなるようなスナック菓子感覚の漫画はこれからもずっと生産し続けていきたいです。
――読者へメッセージをお願いします。
眠れない夜、起きれない朝、病気や仮病で休んだ平日、通学通勤、帰り道、休日、暇な時間、由良木えんそのアカウントに漫画を描いて置いておくので、気が向いたら覗きにきてください。