【8月は年金支給月】年金の「平均月額」一覧表|60歳〜89歳の「厚生年金・国民年金」の平均受給額を1歳刻みで確認!
- 知っておきたい!日本の年金制度の「2階建て構造」
- 《1階部分》国民年金
- 《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
- 年金額改定の裏にある“実質目減り”の現実
- 2025年度の年金額例
- 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 年金額は人それぞれ!ライフコース別の年金水準を知ろう
- 多様なライフコースに応じた年金額
- 《男性》厚生年金期間中心
- 《男性》国民年金(第1号被保険者)期間中心
- 《女性》厚生年金期間中心
- 《女性》国民年金(第1号被保険者)期間中心
- 《女性》国民年金(第3号被保険者)期間中心
- 年金はいつもらえる?支給日と後払いのしくみを解説
- 【2025年】年金支給日カレンダー
- 支給日:支給対象月
- 【厚生年金・国民年金】60歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
- 【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 【国民年金一覧表】60歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 【厚生年金・国民年金】70歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
- 【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 【国民年金一覧表】70歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 【厚生年金・国民年金】80歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
- 【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 【国民年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
- 知っておきたい!老齢年金生活者支援給付金の要件と給付基準額
- 昭和31年4月2日以後生まれの方
- 昭和31年4月1日以前生まれの方
- 老後の安心は「収支の見える化」から!資産運用のすすめ
2025年度は年金が1.9%アップ!でも物価上昇で実質目減り?
【8月は年金支給月】年金の「平均月額」一覧表|60歳〜89歳の「厚生年金・国民年金」の平均受給額を1歳刻みで確認!
8月は冷房の使用が増えたり、水分補給のために飲料を買う機会が多くなったりと、日々の生活費がかさみがちです。年金で暮らす方にとっては、特に負担を感じやすい季節かもしれません。
そんな中、毎月の年金額がどの程度なのかを把握することは、生活設計を見直すうえで欠かせません。特に60歳代から80歳代の方々が受け取っている「厚生年金」と「国民年金」の平均月額は、世代ごとの生活実態を知る手がかりになります。
この記事では、年代別に年金の平均受給額を一覧表で紹介し、老後の暮らしに役立つ情報を整理しました。夏の家計管理の参考として、ぜひご覧ください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
知っておきたい!日本の年金制度の「2階建て構造」
日本の公的年金は「2階建て構造」と表現されることがあります。
これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と2階部分にあたる「厚生年金」から構成されるためです。
《1階部分》国民年金
・加入対象者:原則として日本に住む20歳以上から60歳未満のすべての人(職業・国籍は問わない)
・年金保険料:全員一律(※1)
・老後の受給額:全期間(480カ月)欠かさず納めれば満額(※2)が受け取れる
※1 国民年金保険料:2025年度の月額は1万7510円(年度ごとに改定あり)
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度の月額は6万9308円
《2階部分》厚生年金 ※国民年金に上乗せで加入
・加入対象者:会社員や公務員、またパートなど特定適用事業所(※3)に働き、一定要件を満たした人
・年金保険料:収入に応じて決まる(上限あり(※4))
・老後の受給額:加入期間や納めた保険料により個人差が出る
※3 特定適用事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金保険料:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算される
このように「国民年金」と「厚生年金」では、その加入対象者や保険料の仕組み、老後の受給額の決まり方などが異なります。
年金額改定の裏にある“実質目減り”の現実
公的年金は、賃金や物価の動きを見ながら年度ごとに見直しがおこなわれており、2025年度(令和7年度)の年金額は前年度より1.9%引き上げられています。
2025年度の年金額例
出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
・国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
・厚生年金(夫婦2人分):23万2784円(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
年金額が増えること自体は一見喜ばしいことにも思えますが、物価上昇率と比べてみると、必ずしもそうとは言えないかもしれません。
なぜなら、物価上昇率の方が年金額の増加率より大きいと、いくら年金受給額が増えたとしても、実際に購入できる商品やサービスの価格(質)は低下してしまうからです。
そのため、今年度の年金が増額改定されたとはいえ、実質的には目減りしていることになります。
年金額は人それぞれ!ライフコース別の年金水準を知ろう
2025年度の年金改定では、国民年金・厚生年金の年金額のほかに「多様なライフコースに応じた年金額」が公表されました。
これは、年金加入期間や収入によって、どのように年金額が変わるのかの見通しを示したものです。
「2025年度に65歳になる人の場合」の年金額の概算が、公的年金加入履歴の類型・男女別に提示されています。
多様なライフコースに応じた年金額
出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
《男性》厚生年金期間中心
年金月額:17万3457円
・平均厚生年金期間:39.8年
・平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
・基礎年金:6万8671円
・厚生年金:10万4786円
《男性》国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万2344円
・平均厚生年金期間:7.6年
・平均収入:36万4000円
・基礎年金:4万8008円
・厚生年金:1万4335円
《女性》厚生年金期間中心
年金月額:13万2117円
・平均厚生年金期間:33.4年
・平均収入:35万6000円
・基礎年金:7万566円
・厚生年金:6万1551円
《女性》国民年金(第1号被保険者)期間中心
年金月額:6万636円
・平均厚生年金期間:6.5年
・平均収入:25万1000円
・基礎年金:5万2151円
・厚生年金:8485円
《女性》国民年金(第3号被保険者)期間中心
年金月額:7万6810円
・平均厚生年金期間:6.7年
・平均収入:26万3000円
・基礎年金:6万7754円
・厚生年金:9056円
厚生年金の加入期間が長く、かつ収入が高いほど年金額が増加しています。
また、老後の年金水準が、現役時代の年金加入状況(国民年金が中心だったか、厚生年金が中心だったか)によって大きく変わってくることもわかりました。
老後の年金額は、現在の年金加入状況や収入で左右されます。国民年金と厚生年金の違いを理解した上で、今後の働き方や資産形成について考えていくことが大切です。
年金はいつもらえる?支給日と後払いのしくみを解説
年金は原則として「偶数月の15日」に支給され、前月までの2カ月分が合算で支払われる「後払い方式」となっています。
【2025年】年金支給日カレンダー
出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」をもとにLIMO編集部作成
支給日:支給対象月
・2025年4月15日(火) :2月・3月分
・2025年6月13日(金) :4月・5月分
・2025年8月15日(金) :6月・7月分
・2025年10月15日(水) :8月・9月分
・2025年12月15日(月) :10月・11月分
15日が土日・祝日の場合は直前の平日に前倒しとなるルールです。
たとえば、2025年6月15日は日曜日となるため、4月・5月分の年金は「6月13日(金)」に支給されています。
【厚生年金・国民年金】60歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
ここからは、年齢層ごとに「厚生年金」と「国民年金」の平均年金月額を確認します。
※なお、記事内で紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれています。
【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:厚生年金9万6492円
・61歳:厚生年金10万317円
・62歳:厚生年金6万3244円
・63歳:厚生年金6万5313円
・64歳:厚生年金8万1700円
・65歳:厚生年金14万5876円
・66歳:厚生年金14万8285円
・67歳:厚生年金14万9205円
・68歳:厚生年金14万7862円
・69歳:厚生年金14万5960円
【国民年金一覧表】60歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・60歳:国民年金4万3638円
・61歳:国民年金4万4663円
・62歳:国民年金4万3477円
・63歳:国民年金4万5035円
・64歳:国民年金4万6053円
・65歳:国民年金5万9599円
・66歳:国民年金5万9510円
・67歳:国民年金5万9475円
・68歳:国民年金5万9194円
・69歳:国民年金5万8972円
現在の公的年金制度においては、老齢年金の受給開始年齢は原則65歳からとなっています。65歳以降の各年齢の平均年金月額は、厚生年金が14万円台、国民年金が5万円台です。
64歳までは繰上げ受給を選択して年金を早めに受け取り始めた人や、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分のみを受給している人の年金額となっているため、65歳以降に受け取る年金額よりも低くなっています。
【厚生年金・国民年金】70歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
次は70歳代の各年齢の平均年金月額を見ていきます。
【厚生年金一覧表】70歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:厚生年金14万4773円
・71歳:厚生年金14万3521円
・72歳:厚生年金14万2248円
・73歳:厚生年金14万4251円
・74歳:厚生年金14万7684円
・75歳:厚生年金14万7455円
・76歳:厚生年金14万7152円
・77歳:厚生年金14万7070円
・78歳:厚生年金14万9232円
・79歳:厚生年金14万9883円
【国民年金一覧表】70歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・70歳:国民年金5万8956円
・71歳:国民年金5万8569円
・72歳:国民年金5万8429円
・73歳:国民年金5万8220円
・74歳:国民年金5万8070円
・75歳:国民年金5万7973円
・76歳:国民年金5万7774円
・77歳:国民年金5万7561円
・78歳:国民年金5万7119円
・79歳:国民年金5万7078円
70歳代の平均年金月額は、厚生年金が14万円台、国民年金が5万7000~8000円台でした。
【厚生年金・国民年金】80歳代の年金額はどう変わる?年齢別の平均月額をチェック
では、80歳代の各年齢の平均年金月額はどうなのか見ていきましょう。
【厚生年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:厚生年金15万1580円
・81歳:厚生年金15万3834円
・82歳:厚生年金15万6103円
・83歳:厚生年金15万8631円
・84歳:厚生年金16万59円
・85歳:厚生年金16万1684円
・86歳:厚生年金16万1870円
・87歳:厚生年金16万2514円
・88歳:厚生年金16万3198円
・89歳:厚生年金16万2841円
【国民年金一覧表】80歳代の平均月額《1歳刻みで見る》
出所:厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
・80歳:国民年金5万6736円
・81歳:国民年金5万6487円
・82歳:国民年金5万6351円
・83歳:国民年金5万8112円
・84歳:国民年金5万7879円
・85歳:国民年金5万7693円
・86歳:国民年金5万7685円
・87歳:国民年金5万7244円
・88歳:国民年金5万7076円
・89歳:国民年金5万6796円
80歳代の平均年金月額は、厚生年金が15万円~16万円台、国民年金が5万6000円~8000円台となっています。
いずれの年代においても、平均年金月額に大きな年齢差はありませんでした。
しかし、これはあくまでも平均的な数値となっており、実際の受給額は現役時代の年金加入状況によって個人差が生じるため注意が必要です。
老後にいくら年金がもらえるのか、ご自身の見込み額を知るために「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用するのもよいでしょう。
また、現役時代から知っておきたい公的年金の付随的な仕組みとして、繰上げ・繰下げ受給、加給年金、年金生活者支援給付金などもあります。
公的年金を最大限に活用していくためには、こうした制度に関心を寄せておくことも重要となってきます。
知っておきたい!老齢年金生活者支援給付金の要件と給付基準額
老齢基礎年金を受給しており、かつ同一世帯の全員が市町村民税非課税である人は、前年の公的年金等の収入金額(※)とその他の所得との合計額が次に当てはまる場合、「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金」の支給対象となります。
※障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれない
昭和31年4月2日以後生まれの方
・老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
・補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下
昭和31年4月1日以前生まれの方
・老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
・補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、年金に上乗せして年金支給日と同じ日に支払われます。
出所:日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
2025年度の給付基準額は5450円(月額)で、この基準額をもとに、保険料納付済期間等に応じて実際の給付金額が計算されます。
支給対象となった場合には、日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が届きます。これを提出して請求手続きをおこなわないと、年金生活者支援給付金を受け取ることはできません。所定事項を記載して必ず返送しましょう。
ただし、「日本国内に住所がないとき」「年金が全額支給停止のとき」「刑事施設等に拘禁されているとき」は、いくら支給要件を満たしていても支給されません。
老後の安心は「収支の見える化」から!資産運用のすすめ
ここまで、公的年金制度について詳しく見てきました。
少子高齢化や労働人口の減少といった背景もあり、将来の年金に不安を感じている方は少なくありません。
実際、筆者がファイナンシャルアドバイザーとして資産運用の相談を受ける中でも、「年金だけで生活できるのか」という声はよく耳にします。多くの方が、年金収入だけでは不安だと感じ、資産運用を検討するようになっています。
老後の生活を考えるうえでは、まず「収入」と「支出」を整理することが大切です。
年金を含めて毎月どれくらいの収入があるのか、生活費や医療費など、どれくらいの支出が見込まれるのかを試算してみましょう。そうすることで、必要な資金の目安が見えてきます。
そのうえで、資産運用を考える場合は、まず「どれくらいの資金を準備したいのか」という目標額を設定してみるのがおすすめです。目標がはっきりすると、どんな方法が自分に合っているかも見えやすくなるでしょう。
参考資料
・日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
・日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「ねんきんネット」とは?
・日本年金機構「年金Q&A(年金生活者支援給付金の支給要件)年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人ですか。」