ポーランド空軍、防空体制強化 F-16全機を最新型「F-16V」に改修

フェアフォード空軍基地 2018年7月16日撮影 ロッキード・マーティン F-16CJ ファイティング・ファルコン ポーランド空軍

ポーランド政府は、保有するすべてのF-16C/D戦闘機を最新鋭の「F-16V(Viper)」仕様に改修する契約を米国政府と正式に締結しました。同国はロシアのウクライナ侵攻を受けて防衛力強化を急いでおり、今後導入されるF-35Aと共に、防空体制の中核となることが期待されます。

この近代化改修では、機首に搭載されるレーダーが、最新の「APG-83」アクティブ電子走査式アレイ(AESA)レーダーに換装されることで、敵をより遠くから、より正確に探知できるようになります。また、コックピットに最新の高解像「センター・ぺデスタル・ディスプレイ」を採用することにより、パイロットの状況認識能力が向上。あわせて電子戦システムの強化による自己防御能力の向上や、ヘルメットマウントディスプレイ、最新のターゲティング装置(スナイパーポッド)の搭載も行われます。

© ロッキードマーチンF-16V Block70/72 コックピットイメージ

ポーランド空軍は、F-16戦闘機に加え、冷戦時代にソ連から導入したMiG-29、Su-22を運用。現在はNATO加盟国として、加盟国間の相互運用性向上を目的に、アメリカ製など西側装備への移行を進めています。MiG-29は一部がウクライナに供与され保有数が減少しており、F-35Aの導入に伴い退役する見通しです。

© FlyTeam Echo-Kiloさんカウハバ飛行場 2006年6月23日撮影 ミグ MiG-29A ポーランド空軍