元ウイリアムズF1サージェントがレース復帰。IMSAのLMP2クラス参戦へ……その先には長期的なプロジェクトも?
元F1ドライバーのローガン・サージェントは、ヒョンデ・ジェネシス・チームと提携を結ぶIDECスポーツ・レーシングを離脱してから6ヵ月を経て、IMSAのスポーツカー選手権のLMP2クラスにサプライズ復帰を果たす。
アメリカ出身の24歳であるサージェントは、PR1マティアセン・モータースポーツから残るふたつのIMSA耐久ラウンドに参戦。9月21日にインディアナポリス・モータースピードウェイで開催される6時間レースと、10月11日にロード・アトランタで開催される10時間レースのプチ・ル・マンで52号車オレカ07ギブソンを駆ることとなった。
サージェントの突然のレース復帰は、IDECスポーツが2月に発表した公式見解とは対照的だ。
当初サージェントは将来的にジェネシスから世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに参戦すべく、IDECスポーツからヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)のLMP2クラスを戦う予定だった。しかし「ローガン・サージェントが他の興味を追求するために、このスポーツから離れると決めた」と、チーム側が発表。その後サージェントに関する音沙汰はなかった。
“スポーツから離れる”という表現は様々な解釈ができ、レーシングドライバーを引退することを選んだのではとみられる向きもあった。しかし今回IMSA参戦が決まったことで、レーサーとしての炎が消えていなかったということが明確に示された。
8月13日にサージェントは、ル・マンウィナーであるオリバー・ギャバン率いるマネジメントグループに加入しており、今回の復帰は長期的な計画の一部であるとも考えられる。
PR1マティアセンでサージェントは、元インディカードライバーのベンジャミン・ペダーセン、ブロンズドライバーのナヴィーン・ラオとトリオを組む。

#52 PR1 Mathiasen Motorsports, ORECA LMP2 07: Rodrigo Sales, Benjamin Pedersen, Mathias Beche
「PR1マティアセン・モータースポーツでIMSAの残り2戦のLMP2レースに参戦することとなり、とても興奮している」とサージェントは語った。
「インディアナポリスとロード・アトランタというふたつの特別なサーキットを走り、チームメイトのベンとナヴィーンと共に良い結果を出すためにプッシュする手助けをする絶好の機会だ」
「チームのために2レースで成功を収め、僕の知識と経験を関係者全員にもたらすことができるように貢献したいと思う。サーキットで会おう」
チーム代表のボビー・オアゲルは、サージェントとの契約を歓迎した。
「PR1マティアセン・モータースポーツにいる私を含むクルー全員が、ローガンが今季最後のふたつの耐久イベントに参加してくれることに非常にワクワクしている」
「ローガンのペースは一流で、全てが上手くいくと確信している。彼をスムーズかつ順調に迎え入れたい。インディでのレースに先駆けてテストを実施するのは、まさにそのためだ」
サージェントはキャリアの中で、世界カート選手権のタイトル、FIA F3でのランキング3位、FIA F2でのランキング4位といった成績を残して2023年にウイリアムズからF1デビュー。ルーキーイヤーのアメリカGPでは10位入賞。アメリカ人ドライバーが母国で入賞するのは、実に30年ぶりのことだった。
しかしサージェントの全体的なパフォーマンスは期待されたほどではなく、2024年のオランダGPを最後にF1シートを失うことになった。入賞したのも、前述の母国での1回のみだった。
その後まもなくジェネシスのハイパーカープログラムに参加したものの突如離脱し、半年が経って今回IMSA参戦という運びとなった。激動の約2年半を経て、サージェントはキャリアを立て直すことができるだろうか?
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