3ペダルでこそ味わえる“操る歓び”! いま選びたい希少なMTモデルの「ハイパワースポーツカー」4選
直6+FRの“純血Mモデル”と“現代の古典”が味わえる国産スポーツカー
DCTやATといった2ペダルのトランスミッションが主流となった今もなお、3ペダルのMT(マニュアルトランスミッション)でハイパワーを操れるモデルは存在しています。今回は、そんな“操る歓び”を味わえる希少なMTのハイパワースポーツカー4台を紹介します。
日産「フェアレディZ」
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●日産「フェアレディZ」
現在、日本が誇るハイパワーMTスポーツとして外せないのが日産「フェアレディZ」です。搭載される3リッターV型6気筒ツインターボエンジンは最高出力405馬力を発生し、6速MT(ATも設定)を介して後輪に駆動力を伝えます。実際に運転すると、良い意味でクラシカルな“スポーツカーらしさ”を味わえるのが特徴です。
とはいえ、現代的に仕上げられたターボエンジンはターボラグも少なく、アクセル操作に対して素早くトルクが立ち上がります。また、マニュアルトランスミッションにはシンクロレブコントロール機能も搭載されており、ONにすれば自動でエンジン回転数を合わせてくれるので扱いやすさも両立。伝統と現代性を融合させた、まさにいま選ぶ価値のあるMT車です。
フェアレディZの車両価格(消費税込)は549万7800円から930万2700円です。
BMW「M2」
●BMW「M2」
次に紹介するのは、日本で購入できるBMWのMモデルの中で、唯一MT(マニュアルトランスミッション)を選択できる「M2」です。トランスミッションは8速ATと6速MTの2種類が用意されます。搭載される3リッター直列6気筒ターボエンジンは最高出力480馬力を発生し、そのパワーを後輪のみで受け止めます。
また、「M4」の現行モデルが4WDの「M4コンペティションM xDriveクーペ」のみに絞られた今、M2は日本で販売されるMモデルの中で唯一の後輪駆動(FR)モデルでもあります。直列6気筒×FR×MTという純血のMらしさを体現する存在として、M2に注目が集まるのも当然といえるでしょう。
M2の車両価格(消費税込)は1018万円です。
ミッドシップとリアエンジン、2台の欧州勢が誇る“MTの魅力”
3ペダルMTという希少な選択肢を、現代のハイパワースポーツカーでいまだに提供し続けているのは、じつは欧州勢の方が積極的かもしれません。続く2台は、そんな哲学と走りへのこだわりを色濃く反映した欧州メーカーの注目モデルです。
ロータス「エミーラ」
●ロータス「エミーラ」
ロータスの新時代を切り拓くモデルとして登場した「エミーラ」は、登場時に「エミーラ V6 ファーストエディション」として、3.5リッターV型6気筒スーパーチャージャーエンジンと6速MTを組み合わせた仕様で販売されました。
その後、直列4気筒ターボエンジン×8速DCTの構成なども加わり、ラインナップは拡充されましたが、2025年モデルでもMT仕様は継続。現在は「エミーラ V6」と名称を改め、406馬力を発生するハイパワーミッドシップを3ペダルで操るという、非常に貴重な選択肢となっています。さらに、MT仕様には専用LSDが装備され、運転そのものを深く楽しめる仕様となっている点も魅力です。
エミーラの車両価格(消費税込)は1573万円から1823万1400円です。
ポルシェ「911 GT3」
●ポルシェ「911 GT3」
そして、ポルシェ「911」シリーズの中でも特別な位置づけにあるのが「911 GT3」です。ポルシェは今なおMTの選択肢を残している稀有なメーカーであり、その象徴がこのGT3だと言えるでしょう。スパルタンな走りを追求したGT3は、当初はMT専用でしたが、現在は7速PDKも主流に。ただし6速MTも選択可能で、「GT3とはこういうクルマだ」というポルシェの哲学を体現する存在として愛されています。
搭載されるのは、4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンで、最高出力は510馬力。0-100km/h加速はPDKで3.4秒、MTでは3.9秒と数値上は劣るものの、最高速度はMT仕様の方が313km/hと上回り、車両重量も20kg軽量に仕上げられています。こうした部分からも、単なる“選択肢”ではなく、MTにこだわる価値をしっかりと示している点がポルシェらしいポイントです。
911 GT3の車両価格(消費税込)は2868万円です。
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いまやハイパワーモデルは2ペダルのAT車が主流となっていますが、今回紹介したように、3ペダルMT車を選べるモデルも確かに存在します。決して楽なモデルではありませんが、スポーツカーという一種の贅沢を楽しむなら、速さではなくクルマとの一体感にこそ魅力がある。そんな思いを、いまも体現してくれるのがMTのハイパワースポーツカーという選択肢です。