岩佐歩夢、スーパーフォーミュラ初優勝もココがはじまり……目標のチャンピオンへ「あとは全力プッシュしていくだけ」

 スポーツランドSUGOで行なわれたスーパーフォーミュラ第8戦東北大会で、TEAM MUGENの岩佐歩夢がついにシリーズ初優勝を遂げた。遂に辿り着いた表彰台の頂点だが、この勝利から「本番の戦いが始まる」と気を引き締めた。

 昨年からスーパーフォーミュラへの参戦をスタートさせた岩佐。前戦富士までに2年間で16戦を戦い、8回の表彰台登壇を果たしているものの、優勝には届いていなかった。優勝まであと一歩に迫ったこともあったが、ほんの僅かに足りなかったり、トラブルに見舞われたりと、ことごとく退けられた。

 しかし今回のSUGO戦では予選から圧倒的な速さを見せ、後続に0.25秒の差をつけてポールポジションを獲得。雨が降り、コンディションがガラリと変わった決勝レースでも速さを見せ、VANTELIN TEAM TOM’Sのサッシャ・フェネストラズの追撃を抑え切ってトップチェッカー。ついに1勝目を挙げた。

 これで岩佐の今季の獲得ポイントは90。ランキング首位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)に5ポイント差にまで迫った。

「やっと優勝できて、嬉しいのひとことですね」

 レース後、岩佐はそう語った。

「嬉しいですが、逆にここまで時間がかかってしまって本当に申し訳ないという気持ちでいっぱいです。ここまで優勝できなかった期間でも、応援してくださったファンの方々だったり、スポンサーの方々、チームの面々……本当に皆さんに感謝したいです」

 ただ岩佐は、これで安堵するわけではない。狙うはタイトル。残り4戦が非常に重要だ。

「ここからやっと、本番の戦いが始まると思います。ここからは、今週僕らが見せたスピードや強さを見せていくタイミングだと思います。今日は喜んで、明日からは切り替えて、次戦に向けてしっかりと準備していきたいと思います」

「この1勝に対する重みは、実は全然感じていないというのが正直なところです。去年からスピードがあったり、足りなかったりということもあって、色々とトラブルもありました。今年は基本的にスピードはあるけど、トラブルで落としてしまうレースがいくつかあって……それでまとめきれなかったのが、優勝までここまで時間がかかってしまった要因だと思います」

「僕らには勝てるということを今回明確に、自分たちで確認できたので、あとはそれを引き続き、さらにベースというか、パフォーマンスを上げていきながら、引き続き全力に戦っていくだけです」

 残り4戦。タイトル獲得に向けて全力でプッシュしていくと、岩佐は語る。

「やっと戦える道に戻ってきたというか、ここからが勝負になると思います。簡単にはいかない……それは身に沁みて感じているので、単純に全力プッシュしていくだけかなと思っています」

 TEAM MUGENの田中洋克監督も、岩佐の初勝利に安堵した。

「今まではチームのミスなどで、勝てるレースも勝てないということが繰り返しありました。でも今日は優勝できて本当に嬉しいですし、岩佐が本当に頑張ってくれて、優勝をもぎ取ってくれた。チームメンバー全体が嬉しくで、いろいろ込み上げてきます」

「速さはいつもある程度持っていると思います。そうは言っても、他のライバルも本当に速いので、ひとつもミスが許されない状況です。チーム一丸となって、ミスをしないで岩佐をサポートできるような体制を、緊張感を持って整えていきたいと思います」

「そうすれば、結果はついてくると思っています」

 なお岩佐は今回のレース中、序盤からタイヤをマネジメントしていたと明かす。

「フリー走行の時から、タイヤの面では結構キツくなるのは分かっていました。ですのでレースの序盤から、結構マネジメントしていました」

 そう岩佐は説明する。

「そこは特に海外の時の経験を活かして、本当にやり切った感じです」

「海外での経験が、結構活きたんですよね。実際レースが終わってみれば、最終的なペースはそんなに悪くなかったです。そこまで、ドライバーとしてできること、最大限のパフォーマンスを見せることができたのは、自分の経験的には良かったと思います」

関連ニュース:
  • スーパーフォーミュラ岩佐歩夢、雨中のレース制しSF初優勝。逆転王座に向けランキング2位に浮上|スーパーフォーミュラ第8戦SUGO決勝レポート
  • F1岩佐歩夢、レッドブル初走行「貴重な経験を手にすることができた」
  • F1岩佐歩夢が自身プロデュースのイベントを開催する理由……認知度拡大がF1シート獲得の”重要な要素”「レッドブルからのタスクのひとつです」

友だち追加

Follow @MotorsportJP