アストンマーティン、ハンガリーGP躍進の鍵はフロントウイング? チームの自信にも繋がる重要な一歩

 アストンマーティンは、F1ハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが5位、ランス・ストロールが7位を記録。この好パフォーマンスの要因は何だったのだろうか。

 背中の怪我でFP1を欠場しながら、今季べストリザルトを残したアロンソ自身もその好調ぶりに困惑しており、その原因を詳しく分析し、把握しておかなければならないと強調していた。

 スカイスポーツF1のアナリスト、バーニー・コリンズもアストンマーティンについて「驚異的」と評し、その原因について考察した。

「パドックでは、彼らは古いフロアに新しいフロントウィングを採用していると話題になっています」

 かつてアストンマーティンのストラテジストを務めていたコリンズはスカイスポーツのポッドキャストでそう論じた。

「その一部はサーキット特有のモノでしょうが、今年これまでダウンフォースの高いサーキットが多かったものの、この週末のようにマシンが素晴らしいパフォーマンスを発揮することはなかったことを考えると、この変化は驚異的です」

「つまり、新しいフロントウィングに何かがあるということです。おそらく、ひとつの部品やひとつのアセンブリがクルマの性能に大きな影響を与えることを理解するのが難しいかもしれません。しかしフロントウイングの場合、そのウイングから流れる空気の流れがクルマの残りの部分に影響を与えるという点が重要です」

Fernando Alonso, Aston Martin Racing

「古いフロントウィングがフロアのコンポーネントの機能を妨げていたような場合、ひとつのコンポーネントを改善することで、クルマの残りの部分への空気の流れがより良くなる可能性があるんです」

「すると突然、フロア全体の性能が向上し、ディフューザーの性能も向上し、リヤウィングの性能も向上します。つまりひとつのアセンブリ、特にフロントウイングやフロントブレーキダクトなど、クルマの後部の空気の流れに大きな影響を与える部分をひとつ正しく調整するだけで、パフォーマンスを非常に迅速に改善することができるのです」

「様々なダウンフォースレベルでそれが当てはまるかどうかを確認するには、より多くのサーキットを走らなければなりません。しかし、アストンマーティンにとっては、そうした前向きな兆しが見られます」

 コリンズはさらに、このハンガリーGPが今後のチームにとってもポジティブな影響を与えるはずだと語った。

「彼らは、クルマが機能しなかったため、そのシーズンを諦めてきたチームだったと思います。アロンソは非常に不満を抱えていました」

「しかしこれは、彼らにとって非常に前向きなことです。風洞での作業、流体力学の研究、シミュレータでの作業など、今後の取り組みに前向きな姿勢をもたらすでしょう」

「今回、クルマが機能した理由を理解できれば、今後の設計作業に大きな自信につながるでしょう」

 2026年からは、ホンダのワークスパワーユニットを使用するアストンマーティン。チャンピオンシップ制覇を目指して人材確保や施設投資にリソースを費やしてきたが、その成果が出ているのか……。シーズン後半のパフォーマンスにも注目だ。

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