「自然吸気の吹け上がりはやっぱり最高!」いまなお“大排気量NAエンジン”を積む希少な「スポーツモデル」3選に注目が集まる理由とは
大排気量自然吸気エンジンを積んだ最新スポーツカー
電動化やダウンサイジングが進む今、大排気量自然吸気エンジンを積む新車はごくわずかとなりました。今回は、そんな時代でもなお新車で手に入る、希少な「大排気量NAエンジン」搭載モデルを紹介します。
シボレー新型「コルベットZ06」
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●シボレー「コルベット」
大排気量といえばアメリカ車を忘れるわけにはいきません。なかでも、日本で正規購入できる数少ない選択肢として注目したいのが、アメリカンスポーツの象徴「コルベット」です。
現行のC8型では、これまでのFRからミッドシップレイアウトへと刷新されましたが、伝統のOHV大排気量自然吸気エンジンは健在です。「クーペ2LT」や「コンバーチブル」などに搭載される6.2リッターOHV V型8気筒エンジンは、OHVとは思えない滑らかさをもち、力強く扱いやすいパワーデリバリーを実現。最高出力502馬力、最大トルク637Nmを発揮し、アメリカンV8らしい迫力のある走りを楽しめます。
また、ハイブリッド仕様の「E-Ray」も6.2リッターNA V8を採用し、前輪に電動モーターを組み合わせたAWDによって高い安定性とトラクション性能を両立。加えて、上位グレードの「Z06」には5.5リッターDOHC V8自然吸気エンジンが搭載され、646馬力の高出力とともに、最高回転数8550rpmという超高回転型の特性も魅力です。鋭いレスポンスと圧巻のエキゾーストノートは、まさに“今こそ乗っておくべきNA”と呼べる一台といえるでしょう。
消費税込みの車両価格は、「コルベット クーペ2LT」が1420万円、「E-Ray 3LZ」が2350万円、「Z06」が2580万円です。
ポルシェ「718ケイマンGTS 4.0」
●ポルシェ718ケイマンGTS 4.0
ポルシェのラインナップでも、もはや自然吸気エンジンを楽しめるモデルは限られています。そんな中にあって、純粋なドライビングプレジャーを味わえる存在として際立っているのが「718ケイマンGTS 4.0」です。
兄弟車「718ボクスター」とともにラインナップされるこのモデルは、4リッター水平対向6気筒NAエンジンを搭載。6速MT仕様では最高出力400馬力・最大トルク420Nm(PDK仕様では430Nm)を発揮します。踏み込むほどに高まるパワー感と、素早く反応するレスポンスは、まさにNAエンジンならではの魅力といえるでしょう。
俊敏なシャシとのマッチングも素晴らしく、PDK仕様であれば0-100km/h加速はわずか4.0秒。耳に響くサウンドも心地よく、走り好きにはたまらない1台です。
さらに、次世代のボクスター/ケイマンにはBEV(電気自動車)化の噂もあるため、この“自然吸気のフラット6”を新車で味わえるのは、もしかすると今回が最後のチャンスかもしれません。718ケイマンGTS 4.0の消費税込み車両価格は1262万円、オープンモデルの718ボクスターGTS 4.0は1301万円となっています。
“5リッターV8自然吸気×FRセダン”という貴重な選択肢
●レクサス「IS500」
続いて紹介するのは、希少な5リッターV8自然吸気エンジンを搭載した国産FRセダンのレクサス「IS500」です。
レクサス「IS500」ベースの特別仕様車「IS500 クライマックスエディション」
レクサスは今なお、大排気量の自然吸気エンジンをラインナップし続ける数少ないブランドのひとつです。「LC」「RC F」と並び、フラッグシップ級の5リッターV8自然吸気ユニット「2UR-GSE」を搭載するモデルとして知られるのが「IS500」です。
2025年6月には、特別仕様車「IS500 クライマックスエディション(Climax Edition)」が発表されました。その名から“最後の特別仕様車”と勘ぐってしまうかもしれませんが、実際には完成度の高さを意味するネーミングとされ、限定500台で同年8月から発売予定です。
搭載される5リッターV型8気筒NAエンジンは、最高出力481馬力・最大トルク535Nmを誇り、リニアなアクセルレスポンスやスムーズに伸びる加速フィール、重厚かつ官能的なサウンドを存分に堪能できます。
現在では、ターボ化が進むハイパフォーマンスセダンの中にあって、この「NA×FR」の組み合わせを味わえるのはIS500のみといっても過言ではありません。まさに“ラストピース”的な存在であり、消費税込みの車両価格は950万円です。
なお「IS500」は、2025年11月で生産終了が予定されています。受注は生産予定台数に達し次第終了となるため、購入を検討している場合は早めのチェックが推奨されます。
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すぐに内燃機関のスポーツカーが消えてしまうわけではないにせよ、大排気量自然吸気エンジンを積んだモデルは着実に数を減らしています。しかも、今回紹介したような比較的手が届く価格帯で新車購入できるモデルとなれば、その希少性はさらに際立ちます。大排気量NAならではの気持ちよさを味わうなら、今がラストチャンスかもしれません。
大排気量NAエンジンを積んだ注目のスポーツモデルに対して、SNSではどのような声が上がっているのでしょうか。
SNSでは「やっぱり自然吸気の吹け上がりは格別」と、多くの共感の声が寄せられました。「大排気量NAのアクセルレスポンスはハイブリッドとは別モノ」「税金は高いが、それでも乗る価値がある」といった意見が目立ち、実際にレクサス「IS-F」やポルシェ「ケイマン」を選んだという体験談も見られました。
一方で「日本では持て余す」「小排気量NA+MTの方が楽しい」といった冷静な視点もあり、性能の使いどころに対する課題も浮き彫りに。また「レクサスIS500はすでに生産枠が埋まっていて買えない」との報告もあり、大排気量NAモデルの人気と希少性を物語っていました。