【2025年最新】住民税非課税世帯への現金給付、いくらもらえる? もらえる条件や対象者の特徴なども解説

住民税の「均等割・所得割」って何?制度のしくみと給付の受け取り条件をやさしく解説

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【2025年最新】住民税非課税世帯への現金給付、いくらもらえる? もらえる条件や対象者の特徴なども解説

2025年も夏本番を迎え、物価高は依然として家計に重くのしかかっています。特に食料品の値上げは生活に直結するため、日々のやりくりに苦慮している方も多いのではないでしょうか。

こうした状況下で注目されるのが、物価高騰対策として国や自治体がおこなう給付金などの支援策です。しかし、これらの支援策は所得制限が設けられていることが多く、その基準として頻繁に登場するのが「住民税非課税世帯」という言葉です。

ご自身の世帯が該当するかどうか、また、どのような仕組みで判定されるのか、詳しく把握できていますか。

本記事では、過去におこなわれた物価高騰対策の給付金も参考にしつつ、「住民税非課税世帯」の定義や要件、そしてどのような世帯が該当しやすいのかについて、具体的な例を交えながらわかりやすく解説します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

住民税非課税世帯・3万円給付金(2024年度補正予算)

住民税非課税世帯などを対象とする「現金給付」により、家計を支援する施策は、コロナ禍以降しばしばおこなわれてきました。

これらの支援策は、物価高騰の影響を特に受けやすい世帯の生活を下支えするもので、多くの場合「1世帯あたり数万円」の給付に加え、子育て世帯には子ども1人あたりの加算がおこなわれるといった内容になっています。

直近の例を挙げると、2024年度補正予算に盛り込まれた、特に物価高の影響を受けやすい「住民税非課税世帯」を対象とする給付金です。

このように、各種公的支援の対象基準としてよく挙がるのが「住民税非課税世帯」という区分です。

【ご注意】「住民税非課税世帯」を対象とする「3万円給付金」は、2025年1月以降、各自治体で順次給付作業がスタートし、7月現在、多くの市区町村ですでに申請期限を迎えています。

給付金の申請方法や給付までのスケジュール、細かい支給要件などは市区町村により異なります。お住まいの自治体の最新情報を、ホームページや広報誌などでご確認ください。LIMOでは個別のお問い合わせへのお答えはいたしかねます。

住民税非課税世帯とは?

まずは住民税の仕組みを確認し、住民税非課税世帯となる要件を見ていきましょう。

住民税の基本

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住民税は「均等割」と「所得割」の2層構造

住民税は、住んでいる都道府県や市区町村に支払う地方税です。地方自治体の重要な財源であり、公共サービスやインフラ整備に使われます。

個人住民税は、均等割と所得割の2つの部分から成り立っています。

・均等割:所得に関係なく一律に課税される部分

・所得割:所得に応じて税額が決まる部分

均等割・所得割ともに免除になることを「住民税非課税」と言います。「住民税非課税世帯」は、世帯全員が住民税非課税となる世帯を指します。

なお、「住民税の所得割のみ非課税」となる区分もあります。ただし今回の給付金の対象となるかどうかは自治体により異なるため、必ずお住まいの市区町村などの基準をご確認ください。

住民税が非課税となる<3つの要件>を確認する

では、住民税が非課税となる要件を詳しく見てみましょう。

以下のいずれかに該当した場合、住民税が非課税となります。

・生活保護を受けている

・障害者、未成年者、寡婦(夫)、ひとり親で、前年の所得が135万円以下である

前年の所得が各市区町村の基準を下回る

1と2の要件は全ての市区町村で共通ですが、3の所得要件は市区町村ごとに異なる基準があります。

住民税非課税世帯の所得要件【神戸市】

「住民税非課税世帯」となる所得基準を、兵庫県神戸市の例を見てみましょう。

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出所:神戸市「住民税(市県民税)が課税されない所得額はいくらですか?」

35万円×(本人+同一生計配偶者(※)+扶養親族数)+10万円+21万円

ただし、21万円は同一生計配偶者(※)または扶養親族がいる場合のみ加算

※同一生計配偶者とは、納税義務者と生計を一にする配偶者で、前年の合計所得金額が48万円以下の人

住民税非課税世帯の収入目安【神戸市】

住民税が非課税となる所得の基準は、上述の「同一生計配偶者や扶養親族数」の他、収入の種類によっても変動します。

所得は収入から各種控除額を差し引いた金額となるため、神戸市の基準を「収入金額に換算」して確認しましょう。

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出所:神戸市「住民税(市県民税)が課税されない所得額はいくらですか?」

単身世帯

合計所得金額が45万円以下になる方

・給与収入のみで収入金額が100万円以下

・年金収入のみで収入金額が155万円以下(65歳以上)

・年金収入のみで収入金額が105万円以下(65歳未満)

同一生計配偶者か扶養家族が1名いる場合

合計所得金額が101万円以下になる方

・給与収入のみで収入金額が156万円以下の方

・年金収入のみで収入金額が211万円以下の方(65歳以上)

・年金収入のみで収入金額が171万3333円以下の方(65歳未満)

単身世帯の場合、給与収入のみであれば100万円以下、65歳以上の年金収入のみであれば155万円以下で住民税が非課税となります。

同一生計配偶者や扶養親族がいる場合、非課税となる収入目安は引き上げられます。

とくに65歳以上の年金収入のみの世帯では211万円以下と、単身世帯より大幅に緩和されていることが分かります。

このように、世帯構成や収入源によって、住民税の負担が変わってくるのです。

住民税非課税世帯になりやすい世帯の特徴

厚生労働省の「令和6年国民生活基礎調査」の資料から、年齢層別に住民税が「課税される世帯」の割合を見てみましょう。

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出所:厚生労働省「令和6年国民生活基礎調査」(第131表)をもとにLIMO編集部作成

・29歳以下:63.0%

・30〜39歳:87.5%

・40~49歳:88.2%

・50~59歳:87.3%

・60~69歳:79.8%

・70~79歳:61.3%

・80歳以上:52.4%

・65歳以上(再掲):61.1%

・75歳以上(再掲):54.4%

※ 全世帯数には、非課税世帯及び課税の有無不詳の世帯を含む

※ 総数には、年齢不詳の世帯を含む

※ 住民税課税世帯には、住民税額不詳の世帯を含む

住民税が課税される世帯の割合は、30~50歳代では90%弱でしたが、60歳代で79.8%となります。その後65歳以上は61.1%、75歳以上は54.4%となっています。

年齢が高くなるにつれて、住民税が課税される世帯の割合は低くなっています。

一般的に年金生活に入ると現役時代よりも収入が減少し、それに加えて65歳以上の方には公的年金に対する所得控除が大きく、また遺族年金は課税対象とはなりません。

こうしたことからも、年金受給中のシニアは「住民税非課税世帯」に該当しやすい傾向があると言えるでしょう。

公的年金だけに頼るシニア世帯の割合とは

公的年金のみの収入で暮らすシニア世帯、公的年金以外の収入があるシニア世帯、その比率はどのようになっているのでしょうか。

厚生労働省が公表した「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の収入の実態を見ていきましょう。

まず、高齢者世帯全体の平均的な所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めており、次いで仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%となっています。

しかし、これはあくまで全体の平均値です。

「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ると、収入のすべてが「公的年金・恩給」である世帯が43.4%にものぼることがわかっています。

※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯

【総所得に占める公的年金・恩給の割合別 世帯構成】

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出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%

・公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%

・公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%

・公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%

・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%

・公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%

このようにシニア全体で見れば稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金受給世帯に絞ると、その半数近くが公的年金収入のみに頼って生活しているという実態が浮き彫りとなっています。

まとめ

物価上昇の影響を受け、政府も様々な対策を講じていますね。住民税非課税世帯を対象とした現金給付もその一つですね。

多くの世帯で生活費の見直しや将来資金の準備など様々な工夫をされています。物価上昇の弱まりがなかなか見えてこない今、各世帯での「自助努力」が必須となってきています。

特に最近ではNISAやiDeCoを活用される方も増えてきました。比較的投資初心者の方であっても始めやすい制度ですね。

しかし資産運用は銀行預金とは異なり様々なリスクがあります。まずは自分のリスク許容度をしっかり理解した上で活用していくことをお勧めします。

参考資料

・内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」

・総務省「個人住民税」

・札幌市「個人市民税」

・厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」

・金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」

・日本年金機構「年金Q&A (年金の受給)」

・東広島市「公的年金からの特別徴収(年金特別徴収)について」