3000両超え vs わずか数十両 新幹線で最も多く・最も少なく製造された車両とは?
最も多く製造された新幹線車両は?(イメージ)
新幹線、特に東海道新幹線の車両は、日本の大動脈における大量輸送を担うため、製造される車両数は多くなる方向にあります。
製造数歴代最多の新幹線は唯一「3000両超え」
3216両が製造された0系。後期に製造された車両は、初期に製造された0系を置き換えるための車両でした
歴代新幹線車両で最も多く製造されたのは、初代新幹線である0系。その数なんと3216両!現時点では唯一、3000両超えの製造数を記録する新幹線車両です。製造期間は1964年から1986年までの22年におよび、新しい0系が古い0系を置き換えるという現象も見られました。
2番目に多く製造されたのは、N700系。初期に登場した狭義のN700系のほか、小改良型であるN700Aを含めると、東海道・山陽新幹線を走る16両編成が計2752両、山陽・九州新幹線を走る8両編成が240両製造されており、合計で2992両の陣容となります。
N700系・N700Aの量産車製造期間は2007年~2020年の13年間(ただし先行試作車は2005年に登場)で、製造ペースは0系のそれを上回っていました。また、このグループは別形式の置き換えのために導入されており、0系のように、N700系(N700A)が古いN700系を置き換えることはありませんでした。なお、東海道新幹線の放火事案による損傷対応のために1両が代替新造されており、この車両を含めれば、N700系の製造数は計2993両となります。
最も製造数が少ない新幹線車両は?
新幹線の営業用車両では、製造数が最も少ない形式となるH5系
では、最も製造数が少ない新幹線車両は何でしょうか。「ドクターイエロー」やL0系といった特殊用途の車両を除き、営業用車両に限定すれば、JR北海道のH5系が最少となります。
H5系は、北海道新幹線の開業にあわせて導入された車両。10両編成4本の40両しか製造されていません。さらに、2022年の福島県沖地震で1本が被災し廃車となった結果、現在は3本30両しか運用に就いていません。ただしH5系は、JR東日本のE5系をベースとした車両で、両形式を同じグループとして扱うのであれば、総数は500両超となります。
オリジナル形式に限定するのであれば、JR九州の800系が最少形式。九州新幹線用に投入された形式で、製造数は6両編成9本54両のみ。さらに、2016年の熊本地震で1本が被災したため、現在は8本48両の稼働となっています。ちなみに、800系もJR東海の700系をベースとした形式ではあるのですが、JR九州オリジナルの仕様が多く、E5系・H5系とは異なり、完全に独立した形式であるといえます。
番台区分も基準に含めると、JR九州のN700S 8000番台が最少です。こちらは西九州新幹線「かもめ」用のグループで、6両編成5本30両の陣容です。なお、N700S自体は、JR東海・JR西日本により16両編成の導入が進められており、6月末時点ではJR東海が53本(非営業編成の確認試験車含む)、JR西日本が5本を導入済み。今後、両社ともさらなる導入を計画しています。