ホンダとヤマハ、2025後半戦も開発優遇の最下位カテゴリーから抜け出せず……来季には汚名返上の可能性?

 現在MotoGPには5つのメーカーが参戦しているが、開発優遇措置(コンセッション)は2025年シーズン後半戦もこれまでと変わらない区分けとなる。

 2024年から新しくMotoGPが導入した優遇措置のルールはコンストラクターズポイントを基準に、総獲得可能ポイントに対する割合でA~Dの4つのカテゴリーに各メーカーが別けられることになった。

 この区分けでは最下位のDクラス勢に、レギュラーライダーによるプライベートテスト許可やテスト用タイヤの本数増加、エンジン開発の自由など様々な恩恵が与えられることになっている。

 そしてこの優遇措置は一定の期間毎に見直されることになっており、夏休みがその区分けのひとつとなっている。つまり、今年で言えば第12戦チェコGP後がそうなる。

 では、2025年夏時点での区分けはどうなったのか?

■Aカテゴリー(基準85%):ドゥカティ

 分かりきっていることだが、ドゥカティは最も開発が制限されるAカテゴリーの地位が継続となる。同陣営は圧倒的な強さで、実に98.35%のポイントを獲得しており、基準となる85%を楽々達成した。

■Bカテゴリー(基準60%)

 無し

Fabio Quartararo, Yamaha Factory Racing

■Cカテゴリー:アプリリア、KTM

 ドゥカティが圧倒的な強さを見せたことで、割りを食ってしまったのがアプリリアとKTMだ。どちらもBカテゴリーへ上がることができず、Cカテゴリーのままとなった。

 アプリリアはホルヘ・マルティンが怪我で長期離脱するというアクシデントがありつつ、最終的に36.9%のポイントを獲得し、ギリギリでDカテゴリー落ちを免れた。同陣営がCカテゴリー残留を決めたのは、第12戦チェコGPでマルコ・ベッツェッキが2位に入ったことが大きかった。なお2024年の同時期には40.81%のポイント獲得だった。

 KTMもドゥカティによる上位独占の煽りを受けており、去年よりも獲得ポイントが減少。39.9%(前年比-4.59%)の獲得ポイントで、Cカテゴリー残留となった。

■Dカテゴリー:ホンダ、ヤマハ

 日本メーカーの低迷は、この新しい優遇措置制度導入のきっかけにもなった。しかしまだ2メーカーとも優遇措置の大きいDカテゴリーから抜け出すことはできていない。

 とはいえ、2025年シーズンは共に前年から改善傾向が顕著になっている。ヤマハは24.56%、ホンダは22.91%のポイントを獲得したが、前年がそれぞれ16%と10%だったことを考えれば、これは大きな進歩だと言っていいだろう。

 また2024年の悲惨な成績が、足を引っ張っている面もある。2025年シーズンのみの成績では、ホンダが33%、ヤマハ29%のポイントとなっているのだ。そのため後半戦で両メーカーが改善を進められれば、次の優遇措置見直し時期(2025年シーズン終了時)にはDクラスを抜けられる可能性は考えられる。

 MotoGPは今週でサマーブレイクは実質的に終わり、8月15日にオーストリアでシーズン後半戦がスタートする。

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