2日間のハースF1富士テストが終了。坪井翔はマッサのF1コースレコードにあと0.183秒届かず……モリゾウがハースのウエア姿で登場
8月6日に富士スピードウェイでスタートしたハースF1の旧車テスト(TPC)が、2日間の全行程を終了した。平日にもかかわらず2日間延べ6,200人が来場したこのテストでは、同チームと提携するトヨタのドライバー、平川亮と坪井翔がステアリングを握り、両日100周以上を走り込んだ。
テスト初日はハースのリザーブドライバーでもある平川が担当し、灼熱のコンディションの中を走ったが、2日目は坪井が待望のF1初走行を経験した。曇りで初日よりも随分と涼しくなり、タイムの出やすい状況となった中、坪井は午前中から平川を上回る1分17秒台のタイムをマーク。周囲の注目は、2008年にフェラーリのフェリペ・マッサによって記録されたF1のコースレコード、1分17秒287を超えられるか……その一点に集まったと言っていい。
午後もミディアムタイヤでのショートランを行なった坪井は順調にタイムを縮めていき、17周目に1分17秒470というベストタイムを刻んだ。その後もう一度同じタイヤでアタックしたが更新はならず、以降はハードタイヤでの連続周回に切り替えた。レコードタイムには、わずか0.183秒届かなかった。
坪井は午前に45周、午後に59周の計104周を走ってテストプログラムをほぼ予定通りに遂行。充実のF1初走行を終えた。
なお、今回のTPCではWEC(世界耐久選手権)チーム代表兼ドライバーの小林可夢偉、加地雅哉グローバルモータースポーツディレクター、育成ドライバーの中村仁など、TOYOTA GAZOO Racingの関係者が数多くガレージに姿を見せたが、中でも印象的だったのが、モリゾウこと豊田章男トヨタ自動車会長がハースのチームウエアを着て姿を見せたことだ。

“アルバイト”でTPCに参加したという元ウイリアムズ白幡勝広メカニック(中央)と談笑するモリゾウ(左)
昨年の提携発表の際には「“トヨタF1復帰”ではない」と強調した豊田会長だが、彼がF1テストの現場に、F1チームのウエア姿で登場したことは、ハースとTGRが一枚岩で協力していることの証左としてある意味象徴的なシーンだったと言える。
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