伊藤園「1日分の野菜 900ml紙パック」地域限定→全国展開の確かな手応え
伊藤園「1日分の野菜 900ml紙パック」地域限定→全国展開の確かな手応え
伊藤園の「1日分の野菜」は、厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取目標量350gの野菜を使用した野菜100%飲料。おいしさと栄養を補える商品設計が評価され、多くのユーザーから支持を得ている。これまで地域限定で展開していた大容量の900ml紙パック(チルド専用)が好調だったことを受け、24年3月から全国販売を開始。大容量タイプの投入により、継続飲用につなげていく。
野菜の栄養価値に加えて味わいでも高い評価
30種類の野菜350g分をぎゅっと濃縮した「1日分の野菜」。野菜本来のおいしさが味わえる 200mlと900ml
健康志向の高まりを背景に、手軽に野菜の栄養が摂取できる野菜飲料市場はこれまで堅調に推移してきたが、コロナ禍を経て乳酸菌飲料などの他の健康訴求型商品への需要流出が続き、数量ベースで市場は微減傾向となっている。
こうした厳しい市場環境においても、根強い人気を維持しているのが伊藤園の「1日分の野菜」シリーズ。同シリーズは、厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取目標量350g分のビタミンやミネラルなど5つの主栄養成分しっかり摂取できる設計で、健康意識の高い40~50代の男女を中心に支持を獲得。朝食代わりやランチ時に1本をプラスするだけで、不足しがちな野菜の栄養を手軽に補える点が評価されている。加えてにんじんベースの甘みを活かした飲みやすい味わいも高く評価されており、リピート購入につながっている。
ライフスタイルの変化による家庭内需要の高まりを受け、24年3月に地域限定で発売していた900ml紙パック(チルド専用)を全国に拡大。コストパフォーマンスの高い大容量タイプを投入することで、継続飲用を促進する。
「1日分の野菜」シリーズでは機能性表示食品「栄養強化型 1日分の野菜」を展開。食後の中性脂肪・血糖値の上昇を抑え、血圧が高めの方の血圧を下げるトリプルヘルスクレームで、中高年層の男性を中心に支持を集めている。
また、24年夏季限定品として発売し、女性から好評だった「1日分の野菜 濃厚トマトMix」を通年商品として発売。トマトを中心に、セロリやパセリなど30種類の野菜を使用し、トマト4個分のリコピンやカリウム、ビタミンC、ビタミンEの栄養を補える商品設計で、濃厚ながらもすっきりとした後味を実現した。
季節限定商品で若年女性層にアプローチ
定番3品に加え、24年春からは旬の味わいを届ける季節限定商品も展開。6月からは「1日分の野菜 夏の彩り トマト&しそMIX」を発売。トマトやしそなどの31種類の野菜を使用したトマトミックスジュースで、1本(200ml)当たり、1日分のビタミンC100mgを補える商品設計に加え、しその香りをアクセントにすることで夏に適したさっぱりとした味わいに仕上げた。こうした季節限定商品は若年女性層を中心に支持を集め、「1日分の野菜」のレギュラー品への新規ユーザー獲得のきっかけとなっていることから、今後も季節限定品の投入でブランドの底上げを図っていく。
また、野菜飲料市場のなかで伸長傾向にあるのが、単一素材を活用した商品。伊藤園は「充実野菜」ブランドから「理想のトマト」に加え、25年4月に「理想のにんじん」を発売。伊藤園専用人参「朱衣」を使用し、高い糖度と豊富な栄養価を特長とした商品で、「血圧が高めの方の血圧を下げる」「仕事や勉強などによる一時的な精神的ストレスや疲労感を軽減する」2つの機能を持つ機能性表示食品だ。
伊藤園は今後も多様化する消費者ニーズに対応した商品開発を進め、野菜飲料市場の活性化をめざす。
左から中性脂肪、血糖値、血圧が気になる人におすすめの「栄養強化型 1日分の野菜」、トマト4個分をはじめ30種の野菜を使用した「1日分の野菜 濃厚トマトMix」、濃厚で甘みのある完熟トマトを使用した機能性表示食品「充実野菜 理想のトマト」、伊藤園専用人参「朱衣」を使用した機能性表示食品「充実野菜 理想のにんじん」