アロンソ&アストンマーティン、ハンガリーで大復活「理由は分からないから探らないと……でも風洞の相関性は抜群だ」

 アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、F1ハンガリーGPの決勝レースを5位でフィニッシュした。チームメイトのランス・ストロールも7位。前戦ベルギーGPでは予選最後尾に沈んだチームが、驚きの復活劇を遂げた。

 アロンソはこの結果には満足しつつも、なぜこれだけ浮き沈みがあるのか、その理由が分かっていないことを不安視した。

 ベルギーGPの予選でアストンマーティン勢は、アロンソ19番手、ストロール20番手と、最も遅いマシンだった。決勝でも大きく順位を上げることはできず、無得点であった。しかしそこから1週間後のハンガリーGP予選では、アロンソ5番手&ストロール6番手と大躍進。決勝でも5位と7位とダブル入賞を果たした。稀に見る、大復活劇であった。

 アロンソとストロールは、いずれも決勝レースを1ストップで走り切った。これも、抜きにくいハンガロリンクで功を奏したと言えよう。

「これ以上うまくいくはずがない。マクラーレンの2台が接近戦を繰り広げていると、誰かが言っていた。そこで何かが起きれば、もっと良くなるはずだったけど……残念ながらそうははらなかったけどね」

 アロンソはそうレースを振り返った。

「でも昨日の予選と今日の決勝で、マシンのパフォーマンスを最大限に発揮できたと思う。僕らとしてできることは、それほど多くはない。最大の脅威は、2ストップのドライバーたちだったけど、結局彼らにはトラフィックが絡んだので、最終的には少しリラックスできた」

 ベルギーGPの最悪とも言える結果からの復活には、アロンソ自身も驚いているという。

「驚きだよ。間違いなくね。嬉しい驚きだ」

「良い点は、競争力があり、速かったことだ。一方で懸念されるのは、その理由がまだ分かっていないことだ。今週はファクトリーで、スパとハンガリーの違い、マシンの違い、セットアップ、そしてレースで使った空力デバイスの違いなどを、正確に分析する必要がある」

「言うまでもなく僕らにとって最大のテーマは、今週末に新しくなったフロントウイングだ。もしこのフロントウイングがパフォーマンス向上に大きく貢献してくれるのであればそれは非常に良いニュースだけど、まずは現時点で理解する必要があるということだ」

 昨年のアストンマーティンは、サーキットに合わせて使うフロアを変え、最適化していた。しかし今年はそういうことはしたくないと、アロンソは語る。また、投入した新パーツの風洞実験と実際の走行データが軒並み一致していることも、今後の開発において有益になりそうだ。

「フロアは変えたくないね。シルバーストンでそういう兆候があり、今回それが確認できたんだ」

「良い点は、サーキットに持ち込んだモノ全てが、風洞実験の結果と全く同じ結果を示していることだ。非常に良好な相関関係があるから、どんな週末にどんなマシンを持ち込んでも、どんなパフォーマンスを発揮するかが分かるんだ」

 今回の結果は、シーズン後半に向けて大いに励みになったようだ。アロンソは続ける。

「この1週間、スパの後の1週間で大きく変化したんだ」

「正直に言って、シーズン後半に向けては不安がいっぱいだった。チーム全員のモチベーションが、少し下がっていたんだ。でも、この7日間で、状況は180度変わったと思う」

「残り10戦を楽しみにしているけど、同時になぜ我々が今回、競争力を発揮できたのかを理解するために、まだやるべきことがある」

「(次のオランダGPの舞台である)ザントフールトは、再び最大のダウンフォース量が必要になる。ここ数年、そこでは良いパフォーマンスを発揮できたから、今年も2台揃ってポイント圏内にいられることを願っている」

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