レッドブル角田裕毅、グリップ不足解消できず17位。マシン損傷が追い打ちに「チームとして問題を理解できていない」本拠地での原因究明急ぐ

 F1ハンガリーGPの決勝レースでレッドブルの角田裕毅は、手も足も出ず17位。サマーブレイク期間を利用して、何が足かせになっているのか、原因究明に努めたいと口にした。

 レッドブルは低速・中速コーナーで構成されるハンガロリンクで、事前の予想通り大いに苦戦。4度の世界チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンを持ってしも、予選8番手から9位フィニッシュで辛うじてポイント獲得……角田は初日から通して、バランスそのモノは問題ない一方で「本来あるべきグリップが感じられない」症状を訴え、その問題が決勝レースまで尾を引いた。

 角田としては予選順位が16番手だったこともあり、ピットレーンスタートを選んでマシンに変更を加えて、さらにシーズン後半に備えて新たしいパワーユニットを投入して臨んだ決勝レースだったが、レース中盤から後半にかけてマシンにダメージを負ったこともありペースが伸び悩んだ。

「ベースとなるペース自体、既にチームとして苦しんでいて、その上ダメージを負ったので、理想的だとはまったくもって言えません。それで僕のレースは終わってしまったようなものです」

 ハンガリーGPを終えてそう語った角田。サマーブレイク明けの次戦オランダGPに向けて、月曜日には早速イギリス・ミルトンキーンズにあるファクトリーへ戻り、シミュレータで振り返り分析を行なう予定だと明かした。

「色々と変えるチャンスがあったので、今日はもっと良いペースを刻めたはずですが、僕らは問題が何なのか、ハッキリと理解できていないと思います。そのため明日はファクトリーのシミュレータに乗って、何が原因なのかより深く調べてみようと思います」と角田は言う。

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing Team

「それで原因を発見できることを願っています。オランダ(ザントフールト・サーキット)は似たようなダウンフォースレベルになりますし、今回みたいなレース週末にはしたくありませんからね」

 角田にとって、何かポジティブな点をこのハンガリーGPから挙げるならば、フェルスタッペンとのタイム差が接近したことだろう。

 ハンガリーGPの予選で角田はQ1落ちこそ喫したものの、フェルスタッペンとの差はおよそ0.1秒。セカンドカーに乗ってきた前任者たちよりも、その差を縮めることができているという点を角田は評価した。

「それはポジティブなことですし、僕の進歩を示していると思います」と角田は言う。

「正直に言って(前戦ベルギーGPで)パッケージを投じた後は、マックスに接近できています。ショートランのデータを見てみると、マックスとの差を縮められているというのはかなり明確です」

「昨日は直近4〜8年で最も(チームメイト間が)接近していた予選のひとつだと思います。チームはそれを誇りに思っていたと思いますし、僕もそれを誇りに思います。だから、自分のやっていることを続けるつもりです」

「チームとしては、今週末は苦戦を強いられました。(フェルスタッペンから)0.1秒差でも僕はQ1敗退でQ2に進めず、リザルト上ではあまり良い結果には見えませんが、同時に、ここまでやってきたことはポジティブなことだと思います」

 そしてサマーブレイク明けのシーズン後半10戦に向けて、角田は休みを活かしてチームを不振に陥れる原因を洗い出したいと語った。

 シーズン後半の展望を尋ねられた角田は次のように答えた。

「どうなるか見てみましょう。もちろん、あまり休む時間はありません。シーズン前半の最後の方はペースの無さに驚かされましたからね」

「しかし同時に、競争は非常に激しく、レッドブルがここまで持ってきたパッケージは、シーズン前半にチームがやってきた量といい、信じられないほど良いモノだと思います。それを続けていきたいですね」

「正直なところ、ここで苦戦したのはマシンペースというよりも、コース特有のモノだと思います。とは言え、もちろん調べる必要があります」

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