80~90年代 “国産名車”プレイバック「2代目シャレード・デ・トマソ」編 【バック・トゥ・ザ・モーターズ】
中古車はほとんど流通していないが、1993年に発売された4代目シャレード・デ・トマソは僅かに見られる。価格は90~140万円だ。
日本の自動車業界がもっとも華やかだった80~90年代。俺たちが“乗った・乗りたかった”あの一台をプレイバック!
■スーパーカーの「デ・トマソ」を名乗る小さな高性能車
ダイハツは昔から軽自動車や小型車の得意なメーカーだ。1977年に発売されたシャレードは人気車になり、1983年に2代目に刷新され、スポーティなデ・トマソが追加された。「デ・トマソ」はかつて存在したイタリアの小規模メーカーで、エンジンなどは既存のメーカーから供給を受け、独自のボディに搭載していた。
1984年に、2代目シャレードに追加された前期型のデ・トマソ。フロントマスクがシンプルなデザインで、直列3気筒1Lターボの最高出力は80馬力だった。
■一流の造り込みを味わえるコンパクトカー
シャレード・デ・トマソは、ダイハツとデ・トマソの提携で開発され、直列3気筒1Lガソリンターボエンジンを搭載する。軽いボディ、吹き上がりの良いターボエンジン、適度に引き締められた足まわりの相乗効果で峠道を軽快に走れた。カーブを曲がっている最中にアクセルペダルを戻すと、車両の進行方向が緩やかに内側を向き、素早く回り込む運転もできた。専用設計のエアロパーツ、カンパニョーロ製マグネシウムホイールなども標準装着され、コンパクトカーながら一流の造り込みを満喫できた。
1985年にはシャレードがマイナーチェンジを実施して、デ・トマソも外観に変更を施した。ヘッドランプを横長にデザインして、ワイド感を強調している。
全長が3600mmの小さなボディは、狭く曲がりくねった峠道でも運転しやすい。多くの若いユーザーが、運転の楽しさを覚えて立派なクルマ好きに成長した。
■名車のDNAを継承!! ミライースGRスポーツ
価格:未定
今後、ダイハツは、ミライースGRスポーツを発売する可能性が高い。軽自動車のミライースにターボエンジンを搭載して、足まわりも硬めに設定する。軽いボディとの相乗効果により、機敏な運転感覚を満喫できる。市販化に期待したい。
渡辺陽一郎(わたなべ・よういちろう)
1961年生まれ。大学卒業後、自動車雑誌の編集部に入社。数々の媒体を手掛けた後、カーライフジャーナリストとして独立。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。