【価格判明】新型N-ONE e:の価格は269万9400円から! サクラより買い得? 本命は「N-BOX e:」か
ホンダの軽EV「新型N-ONE e:」の価格と発売時期がディーラー(販売店)への取材で明らかになりました。 本記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、新型N-ONE e:の価格、補助金を考慮した実質価格、グレード選びを徹底解説。 さらにライバル「日産 サクラ」との比較はもちろん、その先に見える本命「N-BOX e:」の可能性についても考察しました。
ホンダ N-ONE e: ホンダ N-ONE e:G(シーベットブルー・パール)
ホンダの軽EV「新型N-ONE e:」とは?
ホンダ 新型N-ONE e:(e:G)
ホンダ 新型N-ONE e:は、同社の人気軽自動車「N-ONE」をベースにした、新型の電気自動車(EV)です。
丸目のヘッドライトが印象的なN-ONEのデザインコンセプトを受け継ぎながら、EV専用のフロントマスクやインテリアを採用しています。
日産 サクラに代表される軽EV市場において、より長い航続距離を武器に登場した注目のモデルです。
新型N-ONE e:のグレードと価格、実質価格
ディーラーへの取材で得られた新型N-ONE e:のグレード別の車両本体価格、そして補助金を考慮した実質価格を紹介します。まずはグレードについて解説します。
グレードは2種類
N-ONE e:のグレードは、ベーシックな「e:G」と、上級の「e:L」の2種類です。
e:G, e:L
e:G, e:L
e:Lには、e:Gの装備に加えて急速充電ポート、9インチホンダコネクトナビ、アルミホイール、オートリトラミラー(施錠・解錠に連動してドアミラーを自動で格納・展開する機能)、本革巻きステアリングホイールなどが標準装着されます。
グレード別の価格
N-ONE e:の車両本体価格は、「e:G」が269万9400円、「e:L」は319万8800円です。e:Lの価格はe:Gに比べて49万9400円高い設定です。
しかし、e:Gにオプションの急速充電ポート(11万円)を装着するだけでも価格差は縮まります。さらにナビやアルミホイールといった人気装備が標準で付くことを考えると、装備と価格のバランスではe:Lが割安と言えるでしょう。
補助金を考慮した実質価格
2024年度のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)を適用した場合、国から交付される補助金額は日産 サクラなどと同じ57万4000円です。
これを車両本体価格から差し引いた実質価格は、e:Gが約212万円、e:Lが約262万円となります。e:Gの実質価格は、ホンダの軽自動車ではN-BOXカスタムターボ(212万9600円)に近い水準です。
新型N-ONE e:の発売日はいつ? 試乗はいつから可能?
首都圏のホンダカーズ(販売店)へN-ONE e:の発売日について取材を実施しました。
担当者によると「N-ONE e:の正式な発表/発売は2025年の9月12日(金)ですが、販売店では8月1日(金)から先行予約受注を行っています。価格も分かっているため、見積書も作成できます。販売店に試乗車が入るのは、発表/発売の後ですから、9月下旬頃でしょう」とのことです。
日産 サクラとどっちが買い得?
日本のEV市場で人気を集める日産 サクラ。強力なライバルに対して、後発の新型 N-ONE e:はどのような強みを持っているのでしょうか。
両車の価格と性能を比較し、どちらが「お得」なのかを検証します。
ライバル「日産 サクラ」とは? 人気の理由
2024年度、国内で新車販売された乗用車のうち、ハイブリッド車が53%を占める一方で、EVの比率はわずか1.5%に留まっています。その理由の一つは、ユーザーが選びたいと思える車種が限られていることです。
日産 サクラ
その中でサクラは、国内で販売されたEV全体の36%を占める人気モデルとなっています。これは、EVの課題とされる航続距離が、街中での移動が中心の軽自動車なら問題になりにくいという「軽とEVの親和性」の高さによるものです。
このような市場背景で登場するN-ONE e:には、大きな期待が寄せられています。
新型N-ONE e:とサクラ、それぞれの強み
内外装のデザインや後席の居住性といった室内の質感ではサクラがやや上質です。
日産 サクラ 内装
しかし新型N-ONE e:にはそれを上回る明確な強みがあります。それは、1回の充電で走行できる距離が270kmと、サクラの180kmに比べて90kmも長いことです。
新型N-ONE e:とサクラの価格比較
新型N-ONE e:とサクラの価格を比較してみましょう。
サクラの主力グレード「X」が259万9300円に対し、新型N-ONE e:のベースグレード「e:G」は269万9400円です。
新型N-ONE e:は、より大きな駆動用リチウムイオン電池を搭載し、航続距離に大きなアドバンテージがあるにもかかわらず、価格差は約10万円に収まっています。
N-ONE e:とサクラ、どっちがお得?
この価格差であれば、サクラと比べて割高感はなく、日々の充電の手間や遠出の際の安心感を重視するユーザーにとっては、むしろ新型N-ONE e:が「買い得」と映るでしょう。
本命は「N-BOX e:」か? ホンダが描く軽EV戦略の未来
新型N-ONE e:の登場は、ホンダが描く軽EV戦略の序章かもしれません。次に期待されるのは、その電動ユニットを国内で圧倒的な販売台数を誇る王者「N-BOX」に搭載した、「N-BOX e:」の登場です。
ホンダ N-BOX
ホンダの戦略としては、まずパーソナルユースが中心の新型N-ONE e:を市場に投入し、実際の使われ方から得られるデータや改善点を収集。それを元に、軽自動車市場の本命ともいえるN-BOX e:を万全の体制で投入する、という二段構えの戦略が考えられます。
N-BOXの前席,N-BOXの荷室(後席格納時)
N-BOXの前席,N-BOXの荷室(後席格納時)
N-BOXの持つ広い室内空間と実用性はそのままに、EVならではの静かで滑らかな走りが加わった「N-BOX e:」が実現すれば、ファミリー層を含めた幅広いユーザーにとって魅力的な選択肢となり、日本のEV普及を牽引していく可能性を秘めています。
今回登場する新型N-ONE e:の市場での評価が、その未来を占う重要な試金石となるでしょう。ホンダの電動化戦略から、今後も目が離せません。