佐久間朱莉、小祝さくら、三十路、ルーキー… 国内女子ツアー真夏の“通信簿”

佐久間朱莉がトップを走る(写真は2025年資生堂・JAL レディス)
今季36試合を予定する国内女子ツアーはシーズンを折り返し、ここまで19試合を消化した。シード権やリランキングなどの基準となるメルセデスランキングから、“ほぼ前半戦”を「通信簿」として振り返る。
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◇好調

今季1勝の小祝さくらは2位
プロ5年目の佐久間朱莉がツアーをけん引している。4月「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を遂げるなど、ここまで唯一の複数回Vとなる3勝をあげてランキング1位を走る。トータルドライビング(飛距離と方向性の指標)は7位とショットが安定し、バーディ数は1位(242個)と攻撃的なゴルフが実を結んでいる。
小祝さくらが2位につける。7月「明治安田レディス」で7年(6シーズン)連続優勝となる今季初Vを飾り、年間トップ10は11回(1位)と持ち味の安定したプレーは健在。前週「大東建託・いい部屋ネットレディス」でツアー通算271試合目の初棄権の原因となった左手首痛は懸念されるが、後半戦も“国内ツアー第一人者”としての活躍が期待される。
プロ2年目の菅楓華が7位と健闘し、3月の開幕戦から4試合連続でトップ10に入るなど上位の常連となっている。60台のラウンド数で1位タイ(23回)につけるなど、ツアー初優勝が期待される一人だ。

32歳で初優勝を手にした工藤遥加
なお、昨季ツアー37試合で16勝したランクトップ5のうち4人(竹田麗央、山下美夢有、岩井千怜、岩井明愛)が米国ツアーに移ったこともあってか、今季の初優勝者は佐久間のほか工藤遥加、稲垣那奈子、高野愛姫、入谷響、内田ことこの6人(前年8人)。優勝者数も総勢17人(前年19人)と、早くも昨季の数字に迫っている。
また、30歳以上の優勝者が昨季は10月「マスターズGCレディース」のイ・ミニョン(韓国、当時32歳)だけだったが、今季は3月「アクサレディス」の工藤(32歳)、4月「ヤマハレディース」の穴井詩(37歳)、5月「ワールドレディース」の申ジエ(韓国、37歳)、7月「資生堂・JALレディース」の永峰咲希(30歳)、「大東建託―」の渡邉彩香(31歳)とすでに5人。優勝者の平均年齢も昨季の22.8歳から現時点で25.7歳と2.9歳上昇するなど中堅・ベテランの健闘が目立っている。
◇不調

巻き返したい川崎春花(写真は2025年大東建託・いい部屋ネットレディス)
昨季3勝の川崎春花は開幕から5試合を欠場するなどの出遅れが響いている。今季は14試合に出場して予選落ち6回、トップ10はなく前年9位から76位に低迷している。
尾関彩美悠も今季全19試合に出場して予選落ち11回(棄権1回)と不振。昨季10位だった平均パット数(パーオンホール)が98位(1.8876)とグリーン上で結果が出ておらず、前年16位から98位に沈んでいる。
天本ハルカも前年14位から65位と苦戦が続く。トータルドライビング48位、平均パット数(パーオンホール)が78位(1.8524)とショット、パットともに苦しんでいる。
◇ルーキー

ルーキー荒木優奈は初優勝の期待がかかる(写真は2025年明治安田レディス)
昨年プロテスト合格を果たした26人のルーキーたちで最上位10位につけるのが荒木優奈だ。優勝こそないものの、首位発進4回でトップ10フィニッシュは6回 (8位)を数える。3パット率(3.7919)が68位とグリーン上での安定感が初優勝の鍵となりそうだ。
6月「ニチレイレディス」で初優勝をあげた入谷が、荒木に続く11位につける。ドライビングディスタンス3位(259.64yd)のダイナミックなスイングが武器だ。
都玲華はシード圏内(50位以内)の47位。ここまで13試合に出場し、予選落ちは3試合にとどめている。
また、こちらも後半戦に折り返した下部ステップアップツアーでは水木春花、青木香奈子、前田羚菜、加藤麗奈の4人がプロ初優勝。ルーキー勢が存在感を高めている。