ラッセル、ベルギーGPの赤旗中断を擁護「あんな中でレースするなんて、単なる愚行だ」
メルセデスのジョージ・ラッセルは、F1ベルギーGPの決勝レースが1時間20分中断されたことについて、レースディレクターの判断を擁護した。
ラッセルは、「あんな雨の中、スパ・フランコルシャン・サーキットでレースをするのは単に愚かだ」と主張した。これはメディアに対し、「前が見えないなら、アクセルを緩めればいい」と話したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と異なる意見だ。
日曜日午前に行なわれたF3のレースが不成立となるなど、不安定な天候となったスパ・フランコルシャン。F1の決勝レースも、セーフティカー(SC)先導で各車がフォーメーションラップに出ていったものの、厳しいコースコンディションや大雨の接近を考慮して、赤旗が振られてスタート手順が一度中断された。
1時間20分という長い赤旗中断を挟んだ後、SC先導で4周走り、ようやくグリーンフラッグが振られた。
レースディレクターの決定についてF1パドックの意見は分かれており、一部は安全上の理由からレースの延期が必要だったと同意している。ただ、「もっと早くスタートできたはずだ」と主張しているドライバーもいる。
GPDA(グランプリドライバーズ・アソシエーション)の理事でもあるラッセルは、レース後にメディアに対し次のように説明した。
「レーサーとしては、常に走りたがるものだ。雨の中を走るのは大好きなんだ。しかし事実として、オー・ルージュを時速300kmを超える速度で通過する際は、文字通り何も見えない。目隠しをしているのと同じだ。そんなのはレースではなく、単なる愚行だ」

George Russell, Mercedes
一部のドライバーは、雨で波乱のレースとなったイギリスGP後にFIAに懸念を表明し、激しい雨で視界が極端に悪かったと指摘していただけに、レースディレクターとしても慎重な判断が必要だっただろう。
ただ、フェルスタッペンの意見は違った。
「ターン1から5の間にはかなりの水たまりがあったが、セーフティカーの後ろで2周走れば、ずっとクリアになっていた。コースの他の部分は走行可能だった」
そうフェルスタッペンは主張した。
「走れば走るほど良くなる。見えなければアクセルを緩めればいい。いずれ見えるようになる……」
「それなら、こう言った方がいい。『ねえ、完全に乾くまで待って、それからスリックタイヤで走り始めよう』って。だって、これは僕にとって本当のウエットレースじゃないからね」
「結局、彼らはやりたいようにやるだけだけど、みんなにとって少し残念なことだと思う。これでは、クラシックなウエットレースはもう見られなくなるだろう」
レッドブルはスプリントレースの後、フェルスタッペンのマシンを変更し、ダウンフォースを引き上げていただけに路面の水量が減るのは困る状況だった。
フェルスタッペンのそうした”ポジショントーク”を抜きにしても、以前見られていたような雨中のレースが少なくなっているのは確かだ。一方でラッセルの安全性を重視した発言を否定できる者はいないだろう。
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