BMW R 1300 R試乗レポート|国際試乗会で体感した最新ネイキッドバイクの進化
2025年6月上旬、ドイツで開催された新型車試乗会「BMW MOTORRAD BOXER DAYS 2025」。この国際試乗会にはR 1300 R、R 1300 RT、R 12 G/Sの最新モデル3台が用意され、3日間の日程でドイツ国内で試乗を行いました。今回はそのなかでもスポーツモデルとして注目のR 1300 Rについてご紹介しましょう。
BMW R 1300 R試乗レポート|国際試乗会で体感した最新ネイキッドバイクの進化
スタイリングの変化に注目!R 1300 Rの印象は“ストリートファイター”
3日間の試乗会で最初に試乗したのがR 1300 Rでした。ドイツ・ミュンヘン市内にあるBMWグループの施設をスタート、初日午前中にR 1300 Rを、午後にR 1300 RTに乗り換えて2日目の拠点となるヘヒリンゲンへと向かい、2日目は丸一日R 12 G/Sに試乗。3日目にR 1300 RTでスタート地点に戻るというもの。
ということで筆者は初日メインでR 1300 Rに試乗しました。
まず初対面の印象ですが、以前のモデルに比べるとデザインが超スポーティ! R 1300 Rはカウルなしのネイキッド、いわゆる「ロードスター」とBMWが呼ぶモデルなのですが、それまでのR 1250 R、以前のR 1200 Rについては「落ち着いたスタイルを楽しむ大人のネイキッド」そんな印象でした。
それがどうでしょう。今回のR 1300 Rは完全にストリートファイターと呼べるアグレッシブなデザインです。S 1000 RやM 1000 Rのような、見るからに速そうなネイキッド、そんな印象が車体の各部から漂ってきます。
空力デザインと新型1300ccエンジンの組み合わせ
大きく湾曲した形状のLEDヘッドライトからメーターにかけてのシェイプは、かなり攻めたデザインで、空力に関してもしっかり考えられた形状です。R 1300 Rの心臓部は現行の1300cc水冷ボクサーです。このエンジンはR 1300 GSで最初に採用されて、その後R 1300 GSアドベンチャーが採用。今回紹介する2025年にデビューするR 1300 R、R 1300 RT、R 1300RSにも搭載されたことで、ついに水冷ボクサーモデルはすべて1300ccエンジンへとアップデートされたことになります。
アグレッシブな形状の燃料タンクの真下に搭載されるボクサーエンジンは最大出力145馬力を発生するもので、もちろんこれまでの水冷ボクサーでは最強と言えるスペックです。前後の足周りを含めてアップデートされた車体との組み合わせは想像するだけでワクワクするもの。実際に試乗に出かけると、その印象はよりクリアになりました。
鋭いピックアップが楽しいエンジン
試乗コースはミュンヘン市内を数km走ったのち、アウトバーンへ向かうものでした。ただ、天気はあいにく小雨が降りしきる状況でした。雨が強くなければ良いなぁと思いながらBMWグループの施設をスタート。その時点では路面は乾いていたのでエンジンのライディングモードはROADを選択。R 1250 Rにも昨年試乗していましたが、エンジンのピックアップはかなり鋭くなった印象です。それでいて低速トルクもしっかりあるので、4-5-6速で多少ギアチェンジをさぼろうとも、ひとたびスロットルを開ければグイグイ加速してくれるタフな一面もあります。
エンジンのフィーリングを確かめて、スロットルレスポンスやブレーキのタッチなど、ひと通りの挙動を確かめたのちにライディングモードをダイナミックへと変更。スロットルレスポンスがよりシャープになり、高回転まで一気にどーん!と加速するかなりスポーティなモードです。その感触を確かめたあたりでアウトバーンへ。
アウトバーンで200km/hオーバーの世界を体感
ご存知の通り、一部で速度無制限区間のあるアウトバーン。基本的には120km/hの速度制限ですが、一部区間では上限なし!3車線のうち追い越し車線を流れる車のスピードは日本では想像できないほど速いんです。ドイツのドライバーはほんとにしっかり踏むんですよね。見た目に200km/h近く出している車もしょちゅう見かけるような道路、それがアウトバーンです。
もちろん筆者もタイミングを見てアウトバーンの追い越し車線へ。前方クリア、後方からも速い車なし、さぁフルスロットル! 6速120km/h巡行状態から一気にスロットルを全開にしてみました。メーター表示はあっという間に200km/h over!そりゃーもう速いのなんの。1300系エンジンはR 1300 GSでは体験済みですが、車重がより軽く、ロードスポーツとしての車体を持つR 1300 Rの加速感はGSとは別物です。馬力は同じなのにこんなに違うのかというほど。車の流れもあって、全開のまま走行というわけにはいきませんでしたが、何度か訪れた全開加速のチャンスではすべてトライ。むちゃくちゃ速いエンジンです、これ……。
アウトバーンを走行したあとはドイツの典型的なカントリーロードへ。
日本の郊外の道と違って80-100km/h程度で流れる道はとてもエキサイティング。## 高速巡航でも疲れない空力設計とサスペンション性能
200km/h超のアタックの際に感心したのは空力の良さでした。ヘッドライトはスラントしながら前に伸びた独特の形状でそこからメーター部分まで一体化するようなデザインを採用しています。180km/h-210km/hくらいの領域であれば、軽い前傾姿勢のままでも上半身や首はキツくないんです。これはヘッドライトからメーターまでの形状がカウルとしての役割を果たしているから。実際、230km/hくらいまでトライしましたが、タンクに伏せるように上半身を折りたたんでしまえば、ヘルメットが大きく振られることもなく、かなり快適に高速走行ができました。カウルなしのネイキッド=ロードスターとはいえ、R 1300 Rは高速巡行能力もかなり高いマシンであると実感したのでした。
アウトバーンで感心したのはサスペンションです。200km/h超の領域でもサスペンションはバタつくこともなく、しっかりと路面を捉えています。フロントフォークはR1250 Rと同様のテレスコピックフォークですが、最新のダンピングやバネレートをモードに応じで電子制御でコントロールするとあって、ダイナミックモードでアウトバーンを走るときには足周りはさらに引き締まる印象。路面のギャップやレーンチェンジでも足周りに不安はまったくありませんでした。
雨のワインディングも安心!ニュートラルなハンドリング
特に高速道路をハイスピードで走行する場合は、ちょっとした挙動の乱れが恐怖心につながるりますよね。時折現れる継ぎ目のギャップや舗装の荒れ。特にフロント周りのバタつきは怖く感じるのですが、R 1300 Rは超高速域でも乗り心地が極端に硬いわけではないのにしっかりとサスが動く感触もあり、さらに路面に吸い付くような印象。BMWといえば、GSでもお馴染みのテレレバーという独自機構のサスペンションが有名です。ノーズダイブを抑制してフロント周りの剛性が高いテレレバーは高速走行では抜群の威力を発揮します。過去にはK1300Rなどにも搭載されており、特に高速道路での直進安定性には心底驚いたものです。今回のR 1300 Rはテレスコピックフォークにも関わらず、テレレバーに近い安定感を覚えるほど。先進の電子制御によってテレスコピックフォークであっても、そうした走行フィールを得られるのだと今回のR 1300 Rで改めて実感したのであります。
ドライ路面で真価発揮!シートとライディングポジションの完成度
高速道路を小一時間ほど走ったあとは田舎道へ。おまちかねのワインディングロード!といいたいところでしたが、アウトバーンを降りたあたりから雨が激しくなってきました。やむなくレインモードに切り替えてワインディングへ。市街地の走行でもすでに感じていたのですが、ハンドリングは超がつくニュートラル。17インチのストリートファイター的ネイキッドだとどうしてもクイックなハンドリング特性を想像しますが、思った以上に乗りやすい。筆者は普段フロント19インチのR nineT Uraban G/Sに乗っています。じつはフロント17インチのネイキッドモデルがまあまあ苦手だったりするのですが、そんな苦手意識もどこへやら。近年のBMWの17インチロードモデルは本当に乗りやすい! 交差点やコーナーで思った以上に切れ込んだりすることもありません。
特に筆者がこれまで苦手だと思っていたのはギャップでフロントが振られた時のフロント周りから突き上げられるような挙動だったのですが、最新の電子制御サスは見た目のサスペンションストローク以上にしっかりとショックを吸収。フロント周りの挙動に不快な印象は皆無です。それを知るとコーナーももっと楽しくなるわけです。初日は完全ウェットでのワインディング走行となってしまいましたが、思った以上にコーナーリングを楽しめました。
オートシフターが生む快適さと集中力の持続
実は2日目の夕方にも小一時間ほどR 1300 Rに試乗できました。この時は天気も良く路面は完全ドライ。ここぞとばかりにモードをダイナミックに切り替えてワインディングを走行しましたが、むちゃくちゃ楽しい! サーキット経験もなくハングオンもできないレベルの筆者ですが、リーンウィズのままそれなりのスピードでコーナーを駆けぬけられる! 極端にシート高が高いわけでもないので、倒し込んでいく恐怖心もありません。
ドライ路面で感心したのはシートです。見た目には薄いアンコにも関わらず、クッション性も素晴らしく、さらに両端がうまく削ぎ落とされているので、少しお尻をずらすような動作でも動きやすい。またシート前方のタンク上面にも樹脂素材が貼られているのできつい下り坂で身体を前にうごかすようなときでも車体との一体感を常に把握できます。ステップはそれなりのバックステップですが、小柄な筆者でもハンドル、ステップ、シートの位置関係は違和感のないもので、優れた人間工学(エルゴノミクス)を体感することができました。
そして個人的に気に入った装備がシフトアシスタントPro、いわゆるオートシフターです。クラッチ操作をせず、シフトペダルだけで変速できるシフトアシスタントProは、特に初日の雨のワインディングでも便利でした。クラッチを切れば一瞬ですが駆動力が途切れますが、シフトアシスタントProはスロットルを戻さずに変速が可能なので常にトラクションを与えながら加速することができます。
雨の日だと常にリアホイールのトラクションやスリップに意識を向けますが、レインモードではスロットルレスポンスが穏やかなことはもちろん、スリップに対する挙動も濡れた路面に特化しているので安心感は抜群。さらにクラッチ操作もいらずに走行できるので、ラインどりとブレーキングに集中できるんですよね。濡れた路面など集中力が必要な状況で左手の操作がひとつ減るだけでも精神的にはかなり楽。結果、数時間の走行では疲労度も下がるのです。今回は残念ながら雨の中での走行が大半となってしまいましたが、思った以上に走りを楽しめたのは事実です。車両が日本に入ってきたら快晴のワインディングであらためてテストしてみたいと考えています。
写真で見るR 1300 Rの詳細
印象的なフロントマスクは新形状のLEDヘッドライトからメーターパネルまで一体化したようなデザイン。燃料タンク、シート、にかけてのボディラインはとても洗練された印象です。後ろに映るグレーのモデルはR 1300 RSで、カウル以外は基本的には同様のデザインです。
エンジン上部にはラジエーターを装備しています。そのラジエーター後方には電動ファンを装備。水温が一定以上になると作動します。ラジエーターの前方と後方には赤い樹脂パーツがセットされているのもデザイン的には面白いポイント。ラジエーターという地味なパーツを視覚的に面白く見せてくれています。
マフラーはブラッククロームメッキを施しています。クロームメッキとは異なる渋めの印象です。
前後ホイールの写真はR 1300 RSのものですが、R 1300 Rも同様の仕様です。新採用のホイールはスポーティな5本スポーク。試乗車はリムに「1300」の文字入りデカールが貼られているのも印象的。最新世代のABS Proのフィーリングは土砂降りの状況でも安心してフルブレーキできました。
最新のABS Proとライディングモード(走行モード)、トラクションコントロールのおかげでリアホイールの挙動も常に安定しており、濡れた路面でスロットルを開ける時でもバイク任せにしちゃってOK。ライダーはラインどりとスロットル操作、ブレーキ操作に集中できます。こうした電子制御について「走行条件がシビアな時ほど、その真価を発揮する」そんなふうに筆者は考えています。
ラジエーターシュラウド内の赤い樹脂パーツは走行風を効果的にラジエーターへと導くとともに、フロントマスクをより印象的に。LEDヘッドライトとライトカウルの形状ともあいまって、前衛的な印象です。S 1000 R やM 1000 Rなど4気筒ロードスターにも通じるデザインながら、R 1300 Rの佇まいは独自の個性を放っています。
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