【レビュー】カワサキ「Z900RS」インプレ(2025年)|優美なフォルムと力強い走りに凝縮された“Z”の魅力
2018年のデビューから常にクラスをリードしてきた人気モデルと言えばZ900RS。往年のZ1を思わせるスタイリングに、パワフルな948ccの4気筒エンジンを組み合わせ、最新のパフォーマンスを優雅に楽しめる1台となっている。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/ライダー:太田安治/写真:南 孝幸
▶▶▶写真はこちら|カワサキ「Z900RS」全体・各部・走行シーン

カワサキ「Z900RS」インプレ(宮崎敬一郎)

Kawasaki Z900RS 2025年モデル総排気量:948cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:800mm 車両重量:215kg税込価格:148万5000円
上質でクラシカルでも走りの実力は最新のZ
Z900RSはかつてのZ1・Z2をオマージュして、その雰囲気を外観にまとった、クラシカル風味の最新テクノロジーでつくられた最新モデル。
ベースとなったモデルはZ900。車体の造りを見ればわかるが、かつてのZ1を彷彿させる乗り味を期待するようなクラシカルな造りでは一切ない。Z900自体アッパーミドルのスタンダードスポーツで、身軽さと自然なハンドリングが魅力。そんなスポーツネイキッドから誕生しているモデルだ。
キャラクターをはっきりさせるために、エンジンは低中速域を補強した性格にしてトルクを重視している。Z900の124PSから111PSにピークパワーを落したが、代わりにずっとフラットな性格になっている。

画像: カワサキ「Z900RS」インプレ(宮崎敬一郎)
そんなZ900RSだが、まずサスの動きが素晴らしい。小さな凸凹をゆっくり走っていても、飛ばしていても綺麗に吸収し、細かいガツガツした衝撃が伝わってこない。バネをソフトにしているわけではないのだが、高速減衰が滑らに作動し、素早いサスの動きを上手く抑えていて、過度に大きなピッチングもしない。
さらに驚くのはエンジンの低速域での粘り。6速で1200回転だから、ほぼアイドリング回転で30~40km/hもいかないような速度で緩い上り坂すら上ってしまう。もちろんスロットルを開けなければならないが、ノッキングが出るのはかなりワイドオープンした時だけ。この粘りとトルクには感心する。
それでいて、サスセッティングひとつ変えずに、サーキットもいいペースで走れる。許容リーンアングルはこのクラスのスポーツネイキッドとして納得できる十分な深さだ。
リアの2本ショックに拘っていたら、これほどの幅広い走りをワンセッティングでこなせない。このRS、姿はネオクラシックだが、走りは違う。美しく上質な外観意匠を持った最新のZなのだ。
カワサキ「Z900RS」カラー・人気投票
カワサキ「Z900RS」各部装備・ディテール解説

ライトケース内は6室分割構造。ポジション、ロービーム、ハイビームと3つの表情を見せてくれる。ウインカーはLED。

アナログタコ&スピードメーター間に液晶モニターを設置。オド&ツイントリップ、平均&瞬間燃費、ギアポジションや燃料計などを表示する。

Zらしさを最も表現しているティアドロップタンク。シート下付近まで伸ばした形状として、容量は17リットルを確保している。

Z900用ユニットをベースに、専用エアクリーナーボックスやファンネル、カムプロファイルの最適化などで低中回転域を増強。

ステンレス製エキゾーストシステムは内部構造などを細かく見直し、音質にこだわったサウンドチューニングも行われている。

倒立フォークはインナーチューブ径Φ41mm。圧側・伸側減衰、プリロードの調整が可能。ブレーキキャリパーはラジアルマウント。

リアブレーキはΦ250mmローターに片押しシングルピストンキャリパーの組み合わせ。アルミスイングアームの単体重量はわずか3.9kg。

スタンダードのシート高は800mm。オプションで高さが835mmになるハイシート(税込2万5410円)も用意される。
カワサキ「Z900RS」主なスペック・燃費・製造国・価格
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/ライダー:太田安治/写真:南 孝幸
カワサキ「Z900RS」関連のおすすめ記事
【2025年モデル情報】「Z900RS」「Z900RSカフェ」「Z900RS SE」 - webオートバイ
【インプレ】「Z900RS 50thアニバーサリー」- webオートバイ
【カスタム集】「Z900RS」 - webオートバイ
Z900RS 関連の記事一覧- webオートバイ