「やっぱ自然吸気の吹け上がりは気持ちいい!」世界的に貴重な“大排気量NAエンジン”を積んだ注目の「スポーツモデル」3選
いま新車で手に入る大排気量自然吸気の貴重な選択肢
電動化やダウンサイジングが進むなか、大排気量自然吸気エンジンを搭載する新車モデルは数えるほどしか残っていません。今回は、いまなお新車で購入可能な希少な「大排気量NAエンジン」搭載モデルを紹介します。
レクサス「IS500」ベースの特別仕様車「IS500 クライマックスエディション」
【画像】このサウンド、もう味わえない!? “官能の大排気量NAエンジン”を積んだスポーツモデルを写真で見る(40枚)
●レクサス「IS500」
現在でもしぶとく大排気量自然吸気エンジンをラインナップし続けているブランドといえばレクサスです。「LC」、「RC F」、「IS500」など、5リッターのV8自然吸気エンジン「2UR-GSE」を搭載するモデルを販売し続けています。
2025年6月19日には、特別仕様車「IS500 クライマックスエディション(Climax Edition)」が発表されました。クライマックスという言葉を聞くと“最後の特別仕様車”と思ってしまうかもしれませんが、そのようなアナウンスはされておらず、「IS500」として最高潮の完成度を意味するとされています。発売は同年8月頃より、500台限定で予定されています。
搭載されるエンジンは、最高出力481馬力・最大トルク535Nmを発生する5リッター自然吸気V型8気筒。アクセル操作にリニアに反応し、伸びやかで気持ちのいい加速フィールと、官能的なサウンドを味わえる点もIS500の大きな魅力です。
世界的なハイパフォーマンスセダンが軒並みターボ化された現在、高性能セダンを自然吸気エンジンで味わえるのはIS500のみとも言える状況になっています。最後の大排気量自然吸気セダンとなる可能性が高い一台でしょう。消費税込みの車両価格は950万円です。
シボレー新型「コルベットZ06」
●シボレー「コルベット」
大排気量といえば忘れてはならないのがアメリカ車です。日本で正規に購入できる選択肢として注目したいのが、伝統のアメリカンスポーツカー「コルベット」です。
現行モデルのC8では、従来のFRからミッドシップレイアウトへと大きく変化しましたが、伝統のOHV大排気量自然吸気エンジンは健在です。「クーペ2LT」「クーペ3LT」「コンバーチブル」に搭載される6.2リッターOHV V型8気筒エンジンは、OHVとは思えないほど洗練されており、トルクフルで扱いやすい点が特徴です。最高出力は502馬力、最大トルクは637Nmを発生し、アメリカンV8らしい豪快なフィーリングを味わえます。
なお、ハイブリッドモデルの「E-Ray」も同じ6.2リッターV8自然吸気エンジンを搭載。前輪に電動モーターを組み合わせたAWD仕様で、トラクション性能と安定性を両立しています。
さらにハイパフォーマンスモデルの「Z06」には、5.5リッターDOHCの自然吸気V型8気筒エンジンを搭載。最高出力は646馬力を誇り、レッドゾーンは8550rpmという高回転型ユニットです。シャープなレスポンスと咆哮のようなエキゾーストノートは、まさに“絶滅危惧種”と呼ぶにふさわしいフィーリングです。
消費税込みの車両価格は、「コルベット クーペ2LT」が1420万円、「E-Ray 3LZ」が2350万円、「Z06」が2580万円です。
4リッター・フラット6搭載の「ケイマンGTS 4.0」という選択
●ポルシェ718ケイマンGTS 4.0
今やポルシェ「911」の標準グレードですらターボ化が進む中で、自然吸気エンジンを味わえる貴重な存在となっているのが、ポルシェ「718ケイマンGTS 4.0」です。
ポルシェ「718ケイマンGTS 4.0」
ポルシェ「718ボクスター」と「718ケイマン」の6気筒モデル「718 GTS 4.0」も、今では“しぶとく残る”大排気量自然吸気エンジン車といえるでしょう。搭載されるのは、4リッターの水平対向6気筒自然吸気エンジン。6速MT仕様は最高出力400馬力・最大トルク420Nm(PDK仕様は430Nm)を発生し、回せば回すほど力強さが増すフィーリングと鋭いレスポンスは、自然吸気ユニットならではの魅力です。
操る楽しさを引き立てる軽快なシャシーとの相性も抜群で、0-100km/h加速は4.0秒(スポーツクロノ・PDK仕様)という俊足ぶりを誇ります。エンジンサウンドも耳に心地よく、スポーツカー好きにはたまらない存在です。
さらに、次期ボクスター/ケイマンはBEV(電気自動車)化されるという噂もあり、自然吸気のフラット6を味わえるのはこの世代が最後になる可能性も否定できません。ちなみに718ケイマンGTS 4.0の消費税込みの車両価格は1262万円です。
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ICE(内燃機関)のスポーツカーがすぐに姿を消すわけではないにせよ、今回紹介したような、頑張れば手が届くかもしれない価格帯において、大排気量自然吸気エンジンを積んだスポーツモデルは、今後さらに希少な存在になっていくことでしょう。