ベストセラーカー!2025年型トヨタハイエース魅力と弱点は?

日本国内はもとより、海外でも高く評価されている商用バンの代表格、トヨタ「ハイエース」。初代の登場は1967年、現行型は2004年にデビューし、以来20年以上にわたり販売が続くロングセラーモデルです。商用車としての実用性はもちろん、カスタムベースやキャンピングカーのベース車両としても高い人気を誇ってきました。

最新モデルでは、法規対応に伴う装備の見直しに加え、特別仕様車「スーパーGL DARK PRIME S」も追加されるなど、商品力にさらなる磨きがかけられています。そんなハイエースの魅力とともに、あえて弱点にも目を向けてみたいと思います。

 

■圧倒的な信頼性と耐久性

ハイエース最大の魅力は、やはり、圧倒的な信頼性と耐久性でしょう。商用ユースの過酷な環境下でも長く使い続けられる堅牢なボディ構造とパワートレインは、国内外のビジネスシーンで厚い信頼を得ています。特にディーゼルエンジンは耐久性に優れ、30万km以上走行しても現役という個体も珍しくありません。

ボディタイプも非常に豊富で、標準ボディ/ワイドボディ、ロング/スーパーロング、標準ルーフ/ハイルーフなど多彩な選択肢を用意。運送業や建設業、旅客輸送はもちろん、アウトドアやバンライフなど個人用途においても、その対応力は随一です。

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人気のグレードに設定された特別仕様車「スーパーGL DARK PRIME S」。エンジンの高出力化など、走りにも手が加えられている

2025年2月に追加された特別仕様車「スーパーGL DARK PRIME S」は、ディーゼルエンジン(1GD-FTV)の高出力化に加え、専用ショックアブソーバーを装備するなど、走行性能をブラッシュアップ。メッキエンブレムやカーボン調加飾といったディテールも、さりげなくスポーティな個性を演出しています。

 

■カスタムベースとしての無限の可能性

ハイエースはまた、カスタムベースとしての人気も高く、日本国内はもちろん、東南アジアや中東でも高いカスタム人気を誇っています。エアロパーツやホイール、内装パーツなど、アフターパーツの選択肢が非常に豊富で、バンライフブームの追い風もあり、キャンピングカーへのコンバージョン需要も年々高まっています。

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2024年1月には、ベージュ系の専用外板色を採用した「アースカラーパッケージ」も登場。カスタムベース車としての高い人気を象徴する展開といえる

メーカー純正のモデリスタやGRパーツも展開されており、シンプルながらも存在感のあるスタイルが楽しめる点も見逃せません。こうした幅広い支持層に支えられ、中古市場でも高値を維持。特にディーゼル車や特装車、ナローボディのマニュアル車は海外需要もあり、年式が古くても驚くほど高値で取引される傾向があります。

  

■現行型は基本設計が古く、最新のモデルと比較するとやや見劣りする面も

一方で、現行型は2004年に登場したモデルがベースとなっているなど、基本設計の古さは否めず、ボディ剛性や衝突安全性、静粛性などは、近年の最新車種と比較すると見劣りする面があるのも事実。また、乗用車に近い滑らかな乗り心地を求めるユーザーにとっては、商用車特有の乗り心地の硬さや粗さは気になることでしょう。

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ハイエース「スーパーGL」のインテリア。乗用車感はあるものの、やり過ぎてないところが長く愛される要因か

また、ディーゼルエンジンのパフォーマンスは高いものの、燃費や排出ガスの面では、最新のハイブリッド車には遠く及びませんし、価格の面でも、近年の物価上昇や装備の充実により、ハイエースも価格が上昇傾向にあります。上位グレードや特別仕様車は新車価格が400万円を超えることも珍しくなく、法人ユーザーにとっては導入コストが重く感じられるかもしれません。リセールが高い反面、中古車であっても価格が下がりにくいという現実もあります。

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 ■まとめ

とはいえ、熟成が進んだ現行ハイエースは、いまも高い商品力を維持しているといえます。業務ユースはもちろん、アウトドアや趣味用途、カスタムベース車としてのポテンシャルは他の追随を許しません。

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最新の快適性や環境性能を重視する層には不向きな面もあるものの、「道具」としての本質的な価値を重視するユーザーにとって、2025年モデルのハイエースは、依然として「間違いのない選択肢」といえるモデルでしょう。

文:立花義人、エムスリープロダクション

写真:TOYOTA