岡本和真欠き迫力不足の巨人打線…対戦相手の外野手の守備位置が12球団平均よりも数メートル前だった

 阪神3―2巨人(セ・リーグ=3日)――阪神がサヨナラ勝ちで5連勝。九回無死満塁から、豊田が犠飛を放った。巨人は一回に2点を先行したが、その後は再三の好機を逃したのが響き、3連敗。

9回無死満塁、豊田(奥)にサヨナラ犠飛を許したマルティネス(3日)=大塚直樹撮影

 欠場した吉川に代わり、4番に入った増田陸の2点二塁打で初回に先行した巨人。優位に立ったはずが、逸機を重ねて追加点が遠く、主導権をつかめないままに追いつかれた。最後は、開幕から無失点を続けていた絶対的な守護神が陥落した。

5回2死満塁の好機で内野ゴロに倒れた門脇(投手・伊原)(3日)=大塚直樹撮影

 二、三回は先頭打者の出塁を生かせず、四回の得点機にも、あと1本が出ない。1点差に迫られた直後の五回は、泉口が四球で出て、増田陸は左前打でつなぐ。一死一、二塁で、坂本は三遊間をしぶとく破ったが、二塁から本塁を狙った泉口がタッチアウト。岸田の四球で満塁となったが、門脇は遊ゴロに倒れた。悪い流れを引きずるように、その裏に同点とされた。

8回1死1、2塁、増田陸は併殺に倒れる(1塁手・大山)(3日)=大塚直樹撮影

 3戦連続で阪神を上回る安打を放ったにもかかわらず、いずれも1点差で競り負けた事実が、打線の現状を物語る。この日も、初回に2点を先取した後、二~八回は全てで安打が出たが、得点に結びつけられない。13安打、14残塁の拙攻に、阿部監督は「昨日からの流れをひっくり返せなかった」と唇をかみ締めた。

 阿部監督は前半戦を振り返る中で、岡本を欠く打線の迫力不足を裏付けるようなデータを目にした。対戦相手の外野手の守備位置が、12球団の平均よりも数メートル前に守られているという。この日も、長打は初回の増田陸の二塁打1本のみだった。

 阪神の背中はさらに遠のいたが、下を向いている暇はない。チームリーダーの丸は言う。「かみ合わない試合が続いているけど、いい時も悪い時も切り替えてやるしかない」。チームの底力が試されている。(平山一有)

  巨人・阿部監督 「悔しい。勝たせたい一心でやってるんだけどね。とにかく、まだやり返せるチャンスはあるし、他のチームとやる時は(試合を)落とさないようにしたい」