オジサン歓喜! 名車が“イマドキ仕様”で帰ってきた! 原点回帰モデル4選

オジサン歓喜! あの名車が“イマドキ仕様”で帰ってきた! 原点回帰モデル4選

 日進月歩のテクノロジーで常に進化を遂げているクルマ。しかし、パッと見るとどこか懐かしかったり、往年の名車を思い出させるようなモデルも決して少なくない。そこで、ここでは“あの名車のイマドキ仕様”にオジサンが歓喜する4モデルを紹介したい。

文/FK、写真/スズキ、ダイハツ、日産、ホンダ、CarsWp.com

【画像ギャラリー】オマージュ感がハンパない! 原点回帰モデルをもっと見る(14枚)

伝統の縦型リアコンビネーションランプの存在感が際立つダイハツのムーヴ

オジサン歓喜! あの名車が“イマドキ仕様”で帰ってきた! 原点回帰モデル4選

「もう一度、心が動き出す。MOVE ON.」というキャッチコピーのように、ユーザーの心を突き動かすクルマを目指した新型ムーヴ。機能とスタイルを両立させた質感の高いデザインも大きな見どころとなっている

 1995年の誕生以来、30年にわたってユーザーが軽自動車に求める普遍的な要素を進化させ続け、340万台を超える累計販売台数を記録しているムーヴが2025年6月にフルモデルチェンジを行った。

 今回のフルモデルチェンジにおける主なトピックは“動く姿が美しい、端正で凛々しいデザイン”、“DNGAの展開によって実現した高い基本性能と最新の安全性能”、“スライドドアや充実装備による利便性・快適性の向上”などだが、ムーヴの伝統である縦型リアコンビネーションランプが採用されたこともオジサンが歓喜する要素のひとつとなっている。

 “人も、車も、ムーヴしよう”というキャッチフレーズでデビューした初代ムーヴの最たる特徴となったのは、イタリアのデザイン会社であるI.DE.Aと共同開発したウキウキするようなフォルム。

 ウルトラコンパクトと称されたフロントノーズと見るからに大きいとわかるビッグキャビンをアイコニックに表現したAピラーのキャラクターラインは存在感抜群だった。

 それに加えて当時はきわめて少なかったハイマウントタイプの縦型リアコンビネーションランプがその存在感をさらに高めていた。

 その後、1998年に登場した2代目から2014年に登場した6代目までエクステリアデザインは大きな変更を受けたが、縦型リアコンビネーションランプはしっかりと継承。

 そして、フルモデルチェンジを受けた現行の7代目にもそれはしっかりと受け継がれた――というわけだ。

 テレビCMも山下達郎氏による書き下ろし楽曲「MOVE ON」と、永井 博氏のイラストによるノスタルジーな世界観を表現するなど、これまたオジサン世代にとってはたまらない演出。

 新しいのに懐かしさも感じさせてくれる新型ムーヴに売れない要素は見当たらず、まさに死角なし!

ダイハツ ムーヴの他の記事を見る

フェアレディZの現行モデルは歴代モデルをオマージュしたデザインがテンコ盛り! 

 50年を超える歴史・伝統と現代的な雰囲気を組み合わせた新しいスポーツカーとして、2022年8月に発売されたフェアレディZ。

 レトロモダンとフューチャリズムを組み合わせたチャレンジングなクルマづくりのそこかしこに、歴代モデルをオマージュしたデザインが採用されていることも大きな話題となった。

 例えば、そのシルエットもフロントとリアのアイコニックなモチーフを引き継いだ初代S30型を彷彿とさせるものであることは一目瞭然。

 サイドビューも長いノーズから続くルーフラインの先に、垂直に切り立つテールエンドとフロントフェンダーよりもわずかに低くなだらかに傾斜するリアのデザインによって、S30型の特徴が表現されている。

 また、ボンネットフードのバルジ形状、LEDヘッドランプのティアドロップ形状、三角形のガラス形状を採用したリアクォーターウィンドウもS30型をオマージュしたものとなっている。

 他にもS30型の4本スポークデザインをオマージュして力強い5本のスポークデザインが採用されたホイール、1970年代に販売された240ZGをイメージしたふたつの半円のデザインを採用したLEDヘッドライト、S30型・Z31型・Z32型を進化・踏襲したテールランプなど、歴代モデルから着想を得た数々の要素がさりげなく取り入れられているのだ。

 もちろん、それは外装に限ったことではない。

 水平基調のシンプルで機能的なデザインを採用したダッシュボードと前後にまっすぐ延びるセンターコンソールは、S30型からから継承されているディテールだ。

 ダッシュボード上部に配置された3つのメーターも50年にわたるZのアイデンティティのひとつであり、センターコンソール上部のエアコン吹き出し口もS30型と同様に、センターコンソール下部の面とは逆の角度となる逆スラントのデザインを採用――といった具合に歴史と未来が融合したフェアレディZは、オジサンが歓喜する要素に溢れているのだ。

ホンダのN-ONEは“Nっころ”の愛称で親しまれたN360の現代版

オジサン歓喜! あの名車が“イマドキ仕様”で帰ってきた! 原点回帰モデル4選

Nシリーズの提案する“Nのある豊かな生活”という想いのもとに日本の生活と時間を見つめ、日々の生活に寄り添いながら長く使えるのに飽きがこない、末永く愛せるクルマを目指して開発されたN-ONE

 人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にというホンダのクルマづくりの基本思想であるM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想に基づき、“これからの日本に新しい乗り物を提案したい”、“長く愛されるクルマを提案したい”という想いを込めて新しいベーシックカーの創造を目指したN-ONE。

 “N”という車名からもわかるように、N-ONEのモチーフになっているのはホンダ初の量産軽自動車であるN360(1967年発売)だ。

 50年以上前に発売されたN360のタイムレスデザインを継承するN-ONEの特徴は“まる・しかく・台形”のフォルムだが、内装も極限までミニマルにすることで居住空間の最大化と運転に集中できる楽しさを実現。

 実はこれ、N360における“大人4人がラクに座れる空間を先につくってしまおう”というところから客室設計からスタートし、乗るところは最大に、エンジンはコンパクトにという当時としては画期的な考え方とまったく同じなのだ。

 2012年に初代モデルが登場したN-ONEは2020年にフルモデルチェンジしたが、“まる・しかく・台形”のフォルムは継承。

 “まる・しかく・台形”のフォルムをベースに、バンパーやグリルは垂直に立てながらバンパー下部を踏ん張り感のある造形とし、彫りの深いヘッドライトを配することで前進する勢いを演出。

 リアも左右のバンパーコーナーに向かって水平に広がるラインに横長のリフレクターを配することでワイド感を強調しつつ、後ろからも安定性が感じられるデザインが採用されている。

 ちなみに、2016年にはN360の生誕50周年を記念した特別仕様車のSS(Suzuka Special)ネオクラシックレーサーパッケージも発売されているので、気になる人は中古車で検索してみてはいかがだろうか。

“プロの道具”を具現化した数々の装備を継承するスズキのジムニー

 土木・建設の測量や林業のパトロール、さらには山間地の商品運搬といったさまざまな状況下で“プロの道具”として高い評価を得るとともに、手軽にアウトドアを楽しめる軽の本格4輪駆動車として1970年に登場したジムニー。

 その後、1981年に2代目が、1998年に3代目が、2018年7月に現行の4代目が登場。そして、誕生から55年を迎えた2025年、5ドア コンパクトクロカン4×4のノマドがデビューして大きな話題になったことは、まだ記憶に新しいところだろう。

 そんな現行のジムニーも歴代モデルの面影を感じさせる数々の装備が採用されている。その代表的な装備のひとつがラダーフレームだ。

 とはいえ、現行モデルでは梯子型に組んだ頑強な新設計が採用されており、Xメンバーと前後にクロスメンバーを加えたことによって、ねじり剛性も先代モデルから約1.5倍向上するなど、大きな進化を遂げている。

 加えて、FRレイアウト、副変速機付のパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式のサスペンションといった伝統の車体構成を継承することで、ジムニーならではの優れた走破性・操縦安定性能も実現。

 このような走りを左右するメカニズムもさることながら、外観上においても初代から続く丸形ヘッドライトやクラムシェルボンネットフード、3代目から続く5スロットグリルといったジムニーの象徴ともいうべきディテールが継承されている。

 そもそもの話、現行のジムニーでは専門家が愛用する“プロの道具”という初代モデルに通じるデザインコンセプトのもとに機能に徹した飾らない潔さが追求されているのだから、オジサンが歓喜するのも無理はない。

【画像ギャラリー】オマージュ感がハンパない! 原点回帰モデルをもっと見る(14枚)

投稿 オジサン歓喜! 名車が“イマドキ仕様”で帰ってきた! 原点回帰モデル4選 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。