ゆるかわボディでも走りはキレッキレ! 「ぽっちゃり系爆速車」4選
ゆるボディでも走りはキレッキレ! 「ぽっちゃり系爆速車」4選
“羊の皮を被った狼”と呼ばれるクルマは数多く存在するが、それと同様に世の中にはぽっちゃり系のゆるかわボディなのに走りもキレる……というクルマも数多く存在する。人も荷物もたくさん載せられるのに速いのだから、もう文句のつけようもございません!
文/FK、写真/日産、ホンダ、マツダ
【画像ギャラリー】ぽっちゃり系でも走れば速い!!(14枚)
軽く滑らかに吹け上がるエンジンが爽快な走りをもたらすエルグランドの3.5リッターモデル
ゆるボディでも走りはキレッキレ! 「ぽっちゃり系爆速車」4選
2024年4月に一部仕様変更が行われたモデルが発売されたエルグランド。インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物検知機能付)やディスプレイ付自動防眩式ルームミラーを全車に標準装備して、安全性の向上が図られている
1997年のデビュー以来、日産のフラッグシップミニバンとして絶大な人気を獲得してきた元祖高級ミニバンことエルグランド。
現在販売中の現行モデルは3代目となるが、そのデビューは2010年8月。
2026年度にフルモデルチェンジが予定されているエルグランドは2025年4月に新型のデザインの一部が公開されて話題となったが、3代目の威風堂々たるスタイリング、特別感・最高級・最上質を実感できる室内空間、クラストップレベルの燃費性能、考え抜かれた装備と取り回しの良さなどはまだまだ健在だ。
2010年8月の発表から2週間で1900台の月販目標台数を大きく上回る累計6386台を受注した3代目に搭載されるエンジンは、デビュー当初から現在に至るまで3.5リッターと2.5リッターの2種類。
なかでも、3.5リッター車に搭載された最高出力280ps&最大トルク35.1kgf・mを誇るV型6気筒DOHCのVQ35DE型エンジンは、専用チューニングによってクラストップレベルの出力特性と街乗りから高速走行まで胸のすくような走りを実現。
バルブ制御によって低回転域ではジェントルに、高回転域ではスポーティな排気音となり、心躍るような加速音を奏でることも特徴のひとつといえるだろう。
そして、このエンジンに組み合わせられるトランスミッションには6速マニュアルモード付無段変速機のエクストロニックCVT-M6を採用。
加えて、ドライバーのアクセル制御や運転状況・走行環境を検知しながら最適な変速制御を行うアダプティブシフトコントロールにより、走行性能と燃費性能の両立も図られている。
2代目まではFRが採用されていた駆動方式は、3代目では最適チューニングを施した低重心の新プラットフォームを採用したFFに刷新。
これに高剛性ステアリングや高性能ショックアブソーバーなどを組み合わせることで、安定感の高いフィーリングや高い直進性も獲得している。
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ホンダならではの低床重心設計による走りの良さが際立つオデッセイ
2021年12月に日本での生産が終了し、2022年9月には惜しまれつつ販売が終了したオデッセイ。
しかし、歴代モデルの特徴でもあった超低床プラットフォームによるセダンライクな安定感のある走りとミニバンを感じさせないスタイリングを継承しながら、ユーザーのニーズに応える仕様を追加して、2023年12月に一部改良という形で華麗なる復活を遂げた。
デザインの進化、ユーティリティの進化、Honda SENSINGの機能追加と進化などが一部改良における主な変更点となったが、日常の走行のあらゆるシーンでモーター走行を中心としたパワフルかつ静かな走りを提供してくれるe:HEVもオデッセイの大きな特徴。
バッテリーからの電気によりモーターのみで走行するEVモード、エンジンの力で発電した電力で走行用モーターを駆動するハイブリッドモード、エンジンの得意領域である高速クルーズ時にエンジンと車輪を直結してエンジンの力で走行するエンジンモードを切り替えることによって、高効率な走りを実現したオデッセイ。
モーターの最高出力は135kWで、低速域でアクセルを踏み込んだ瞬間から軽快に走り出す電気自動車ライクな気持ちよく伸びる加速も十分に楽しめる。
また、ホンダならではの低床低重心設計によって心地良い走りはもちろん、運転しやすさも追求。
例えば、サスペンションはフロントに軽量なストラット式、リアに走りと空間効率を両立するトーションバーを採用。
ダンパーも小さい振動を吸収しつつ、大きな動きには減衰力を高める振幅感応型ダンパーを採用するなど、操る歓びも提供することも忘れていない。
今や希少な直6エンジン搭載…というだけでテンションが上がるマツダのCX-60
ゆるボディでも走りはキレッキレ! 「ぽっちゃり系爆速車」4選
2024年12月の商品改良でハンドリングの良さを維持しながら、より幅広いシーンで快適に移動を楽しめるように乗り心地も向上したCX-60。スポーティさを際立たせた外装を採用した新グレードのXD SPも追加された
新世代ラージ商品群第一弾として、2022年9月に登場したCX-60。
マツダならではの魂動デザインがさらなる進化を果たした2列シートミッドサイズのCX-60で注目すべきは、4種類という多彩なラインナップを誇るパワーユニット。
なかでも直列6気筒ディーゼルエンジンに電動化技術のM HYBRID BOOSTを組み合わせたe-SKYACTIV D 3.3と排気量アップによる高出力化とクリーンな排ガス性能を同時に実現した直列6気筒ディーゼルエンジンのSKYACTIV-D 3.3という2種類の直6エンジンのラインナップに心を躍らせたクルマ好きも少なくないだろう。
アクセルを踏み込んだ瞬間からモーターによるサポートが人馬一体の走りを提供してくれるe-SKYACTIV D 3.3は燃費をさらに良くするという価値に加え、内燃機関では効率が比較的低い軽負荷領域においてモーターがサポートすることで環境性能もアップするという優れモノ。
一方、パワフルな出力性能でありながら優れた燃費性能を兼ね備えたSKYACTIV-D 3.3は高い出力に加え、余剰空気を燃焼改善に用いることで俊敏な加速レスポンス、高回転・高出力時のNOxエミッション低減、リーン燃焼域拡大による熱効率向上を高い次元で同時に実現している。
また、これらのエンジン特性を存分に発揮させるべく、ミッションにはダイレクト感と伝達効率に優れるトルコンレス8速ATを新開発。
他にも、ジオメトリーの変更によってしなやかな動きを実現したサスペンションや運転者に合わせたドライビングポジションの調整支援を行うドライバー・パーソナライゼーション・システムをはじめ、枚挙に暇がないほどの特徴を備えているCX-60。
2トン近い車両重量もものともしないCX-60のパワフルさと俊敏さは、まさに“爆速車”と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。
ホンダのステップワゴンはリーズナブルな1.5リッターのVTECターボもアリな選択!?
先代モデルからの買い替えを含めたミニバンユーザーを中心に、30代から40代のファミリー層をはじめとする幅広い層から人気を集めているステップワゴン。
“安心”と“自由”を表現したカタマリ感のあるボディによる安心感とシンプルで誰にでも似合うような自由なフォルム、国内ホンダ車史上最大の室内空間とどの席でも快適に過ごせる居住性、最新の安全運転支援機能装備といったパッケージが奏功し、2022年5月の発売から約1カ月後の受注台数が販売計画の5000台を大きく上回る2万7000台超えを記録した。
そんなステップワゴンでは、モーター走行を中心にさまざまなドライブモードを使い分ける独自の2モーターハイブリッドシステム“e:HEV”を搭載したハイブリッドモデルと、静粛性の向上と高出力化を実現した1.5リッター直噴 VTECターボエンジンを搭載するガソリンモデルの2種類をラインナップ。
発売当初のデータでは約7割のユーザーがe:HEVを選択していたが、ここではあえて1.5リッター直噴 VTECエンジン搭載モデルを推したい。
というもの、このエンジンは小排気量の燃費の良さはそのままにターボチャージャーに直噴システムと可変動弁機構を組み合わせたことで、2.4リッターエンジンを凌ぐ低速トルクと高回転までリニアに伸びるパワーフィールや、街中から高速道路、坂道に至るまで爽快な加速性能を実現。
また、“吸排気デュアルVTC”、“直噴システム+高タンブルポート”、“電動ウェイストゲート付き高応答ターボチャージャー”というVTECターボを支える三大技術によって、運転する楽しさと環境性能の両立もしっかりと両立させているのだ。
車両本体価格もe:HEVを搭載するハイブリッドモデルと比べると30~40万円安いのだから……だったら、あえてVTECターボエンジンを搭載したガソリンモデルを選択するのもアリじゃない?
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